“新リストラ時代”到来!? 業績好調なのになぜ
「成長分野」はどこに? 再就職の現実
労働移動は必要なのか? どう実現すればいいのか?
厚切りジェイソンさん:必要だと思いますね。
もう、単純に人がこの仕事に向いてない時もあるんですけど、もっと向いてる仕事があれば、それに行けば両側がよりハッピーになるわけで、自分もより生産性が上がりますし、会社がもうローパフォーマンスの社員に代わりに違うことをやってもらうとか、いろいろ、両側メリットがある。
その人は、どうやって次の仕事にマッチングしていけばいい?
厚切りジェイソンさん:それはとりあえず、自分が何か専門にしたほうがいいと僕は思いますね。
日本だと、よくゼネラリストというんですが、何でもやる、まずはこの仕事をやるために、会社に入ったではなく、この会社で何でもやるために会社にいるだけで、その特別なことができるようになれば、よりいろんなことができますし、給料が下がることはそんなにないと思いますね。
労働移動について、どう考える?
宮本さん:成熟産業から成長産業へ、人を移していく、これは確かに聞こえはいいんですけども、成長産業ってどういう産業なのかっていうことなんです。
労働需要が伸びているというのは、残念ながら、今は人手不足の産業なんですね。
(介護の現場など?)
そう、だからなんで人手不足かというと、賃金が低いとか、労働条件が悪いとか、これじゃ食べていけないというから、離職率が増えている。
そこに、そういう産業の在り方を底上げする努力抜きに人をどんどん移していくだけだったら、これはどうなんだろうか。
一億総賃下げみたいな話になっちゃうじゃないかということですよね。
今の国の経済政策の基調とも違うじゃないかということです。
だから、きちっと成長産業を底上げした上で、そこに移していくということが必要だと思いますね。
厚切りジェイソンさん:それは価値がある企業とかに移せばいいんじゃないですか。
価値を絞り出せば、それは成長できるはずですし、その賃金とかも増えるはずですし。
宮本さん:価値を絞り出すというのは、今、だんだん生産性の高いところというのはIT化が進んで、人を受け入れなくなってるところなんですね。
(人員は必要なくなってきている?)
だから今、労働移動支援の助成金っていう方にシフトしているんですけれども、その前に、雇用調整の助成金というのがあって、これは今の雇用を守ったまま、そこで生産性を上げていくために、従業員が職業訓練を受ける、その期間、賃金の保障を出そうと。
つまり、雇用を守りながら、生産性を上げていく、こういう補助金の使い方もあるわけで、私はこれを再評価すべきではないかなと思いますね。
労働移動は、産業が変わっていく中で必要になってくるとは思うが、それが個人の責任なのか社会が担保するべきなのか?
厚切りジェイソンさん:僕は個人の責任だと思いますね。
自分は自信を持っていろんなことができるようになって、積極的にいい仕事をする、社会に貢献するような形を自分から探り出すべきだと思います。
ツイッターより:「雇用の流動化、余裕のある人がやるべきで、ぎりぎりの生活の人の精神を追い込んで、消費も冷えこませるだけではないでしょうか」という意見もあるが?
宮本さん:ジェイソンさんが、日本の雇用は守られ過ぎだって。
終身雇用で、定年まで安泰だというふうに考えている日本人ってあまりいないと思うんですよ。
そうですね。
だからこそ、今の仕事にしがみつく、しがみつかざるを得ないということになっていると思うんですね。
(転職の先の展望があまり明るくない?)
つまり、日本っていうのは、仕事を離れたときのセーフティーネットというのは、非常にぜい弱になっているわけです。
つまりその、公共職業訓練の予算だとか、失業保険のカバー率とか、非常に弱いんですね。
つまり下を見ると断崖絶壁で、もう、とてもじゃないけど、身がすくんで、ジェイソンさんがおっしゃるような挑戦ができないわけですね。
厚切りジェイソンさん:そのセーフティーネットがなくても、自分からやろうと思えば、できるじゃないですか。
宮本さん:それは、ジェイソンさんならできるかもしれないですけど、普通やっぱり、生活がかかっている場合、サーカスの綱渡りもそうですよね。
ちゃんとセーフティーネットがあって、綱のうえで大胆な演技ができるわけです。
厚切りジェイソンさん:セーフティーネットに何でも依存する前に、いろんなスキルを身に付ければ。
宮本さん:アメリカの方が、セーフティーネットは分厚くなってると思います。
これからの雇用政策、多くの人が安心して働いていくためには何が必要?
厚切りジェイソンさん:そうですね、まずは自分がスキルを身につけるような方法が、近くにある必要があると思います。
宮本さん:私はもっと、いろんな人が、多様な形で力を発揮できる仕事、職場を作っていくというのが、非常に大事だと思います。
番組の内容を、「スケッチ・ノーティング」という会議などの内容をリアルタイムで可視化する手法を活かしてグラフィックにしたものです。