時は中学3年生。思春期真っ只中の僕はある行動に出ることにしました。
それは…
「大好きな子のリコーダーにむしゃ〇りつく」
これは作戦立てが必要になるな…。そう僕は瞬時に感じました。
そして深夜放送の「トゥナイト2」を鑑賞しながら僕は作戦を練り始めた訳です。(トゥナイト2は当時大変重宝されていた深夜番組)
「放課後誰もいないところを狙って…」
「待てよ?!〇部が来たらどうするッ?!」
僕は一生懸命考えました。大好きな子のリコーダーにむしゃ〇りつく為に。
そして作戦を練った結果、〇月✖日(金)の放課後なら教室に誰も戻って来ることがないことが判明。作戦決行です。
運命の当日
当日は、朝の登校時間からとても緊張していました。
「今日あの子のリコーダーにむしゃ〇りつける…」
そう思うと、心の底から「ワクワク感」が体全体を包み幸せな気分になったのを今でも覚えています。(BGM:やさしさに包まれたなら)
そして、1時限目、2時限目とスムーズにその日の授業が終わっていく中、僕の視線は大好きなあの子へクギヅケです。
「今日もサラサラの黒髪…かわいいよ。」
「髪を耳にかける仕草…ヨダレものですね。」
このようないかがわしい妄想をしていたとは口が裂けても言えません。だって変態扱いされるじゃないですか?やめて下さい。そんな扱いするの。
そうこうしている内に、その日の授業がすべて終了。
運命の時間となったのです。
しかし、こんな時に限って空気が読めない奴がいるんです。なんというか悪気はないのだろうけど、こっちからしてみたら「空気読めよ!俺の心読めよ!」的な感じで「その日のその時」だけウザく感じる奴。
でも、しょうがないです。こいつは何も知らないのですから。
まさか、僕が今日あの子のリコーダーにむしゃ〇りつくとも思っていないだろうし、早くむしゃ〇りつきたいから絡んできた「そいつ」にイライラしているだなんてそいつは到底気がつかないでしょう。
そりゃそうです。
なので、僕は自分の感情を押し殺し「そいつ」と放課後のじゃれ合いをする羽目になり、挙句の果てには…
「だんキチ!久しぶりに一緒に帰るか?!(ウキウキ)」
………。
ウ゛キ゛ウ゛キ゛じ ゃ゛ね゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛よ゛ぉ゛ぉ゛ッ!!
こ゛っ゛ち゛は゛は゛や゛く゛む゛し゛ゃ゛ふ゛り゛つ゛き゛て゛ー゛ん゛た゛よ゛ッ゛!お゛い゛ッ゛!!(藤〇竜也風)
時代的に「藤〇竜也さん」はいませんでしたが最近2chで流行ってるから真似して書いてみました。しかし、濁点つけるのが意外と面倒くだかったので二度とこの表現をすることはないでしょう。
僕「ごめん!今日放課後あいつと約束あるんだ!」
そいつ「そっかー!じゃまた今度なッ!」
…やっと行ったか。フゥー。
一息つき、辺りを見回してみたらすでに誰もいないッ!!
おっしゃ!
チャンスじゃんッ!!(心拍数上昇)
ついに決行
廊下にも誰もいないことを確認し、大好きなあの子の席へ直行便ニューヨークする自分。(古いネタを文章に食い込ませるも分かってもらえるか不安になる現在の自分)
そして、一目散に迷路のような机の脇をすり抜け、大好きなあの子の席の前へ到着。
それと同時に、机の引き出しの右隅に大好きなあの子の「リコーダー」を確認。
この時、僕の心拍数はそれまで生きてきた中で最も早かったと思います。まるで工事中の「ドドドドドッ」という機械音にも勝るくらいの心拍数だったことでしょう。
やるかッ!
そう自分の心に言い聞かせ、ゆっくりと不発弾を撤去する作業員かの如くリコーダーを机から引き抜いていたその瞬間…
ガラガラガラー(扉アケー)
?!ッ
ビクッッ!(飛び上がり)
(誰だッ?!ちくしょー!)
そう心の中で叫びながら先ほどよりも心拍数が上がった僕がいました。
また、これほどまでに心拍数の記録を瞬時に塗り替えたのは人生初でもありました。
僕はパニックを起こしながら冷静を装い、扉付近に目をやると…
大好きなあの子じゃぁぁーーーん!!
終わったぁぁぁーーー!!!
そう…そこにいたのは僕がむしゃ〇りつこうとしていたリコーダーの持ち主。
あの子「だんキチくん?私の席の前で何してるの?」
僕「いやー、机に足ぶつかってリコーダー落ちちゃったから引き出しに入れてたんだ!ごめんごめん(ニコー)」
あの子「そうだったんだ…ありがとう。」
むしゃ〇りついてる現場じゃなくてよかったぁぁぁ!!
本当によかったぁぁぁ!!
(こりゃ、むしゃ〇りついていたら明日から不登校だったわ…)
僕は心の中で独り言をつぶやきながら…
僕「じゃまた明日なッ!(敬礼ポーズ)」
そう言って足早に立ち去ろうとしたその瞬間ッ!
待ってッ!!
ビクッッ!!(本日2回目)
僕「どッ…どうしたのッ?!(バレてたのか?むしゃ〇りつこうとしていたのがバレていたのか?!)」
僕の心拍数は更に上昇し、心臓付近は「渋谷のクラブ」状態となり自分でもビックリするほどのビートを刻んでいました。
するとあの子が突然…
あの子「だんキチくんって好きな子いるの?」
………エッ?!
そうゆう話?!
渋谷のクラブさながらの心拍数ビート音はゆっくりと下がり平常運転し始めたのでした。
衝撃のクライマックス
僕「好きな子?!一応いるよ(お前だと言える訳ないけどな)」
あの子「そっか…私もいるんだぁ!」
僕「(チッ…いるのかよ) そうなんだ!誰よ?!言ってみ?!(カラ元気)」
あの子「……笑わない?」
僕「笑わないから言っちゃいなよ!誰にも言わないからさ!なんなら相談乗るぞ!」
あの子「だんキチくん。」
僕「あぁいいぞ言っても!」
あの子「だからだんキチくんだってば!」
うそッ?!俺ですかッ?!
こんな学ラン下にカラーTシャツ来てる俺ですかッ?!
僕「マジでッ?!それ本当なの?!」
あの子「うん…だんキチくんが教室に1人でいるところ外から見えたからチャンスだと思って来ちゃった」
僕「そうだったのか!突然ドア開いて焦ったよ!(むしゃぶりつこうとしていた奴)」
あの子「それで?だんキチくんの好きな子は?」
僕「お前だよ(顔真っ赤っか)」
あの子「(急激に顔真っ赤っか)」
…という感じで人生初の彼女が出来たのでした。本当に。
そうしてしばらくして、リコーダーという“物”ではなく本人にむしゃ〇りついたのは言うまでもないでしょう。
まとめ
結果をまとめてみると「リコーダーむしゃ〇り作戦」には失敗したけれど、その子本人にむしゃ〇りつく事が出来たという話。
また、今となってはその子が何をしているのか分かりません。きっといい旦那さんを見つけて結婚していることと思います。
それと「リコーダーむしゃ〇り作戦」に失敗してとても良かったと思います。だってそんなの変態することですよ!変態!近寄りたくもないわ。
さて、今回は甘酸っぱい僕の青春日記になりましたがいかがでしたでしょうか?
今度はあなたの青春日記を僕に教えてください。
それでは今回はこの辺で。
さようなら。
ごめん。これ…
「こんな青春を送りたかったなぁ」
という僕の妄想。こんな恋愛したかったなぁって。
さすがの僕もリコーダーにむしゃぶりつくほどのキ〇ガイじゃないわw
今年のエイプリルフールは嘘つかなかったらこれが今年の「嘘」ということで!
妄想オチでごめんちゃい!
それではグッパーーイ!!!