そんな折、このサイトを見つけました。ファンの方がイベントに参加され、色々なレポートが掲載されている。そのレポートを見た時、不思議と私自身が参加したかのような気持ちになれました。
(本文より一部抜粋)
お問い合わせくださったのは、乃木坂46ファンの ”かっちーさん”。
先天性の障がいにより、足が動かないとのこと。乃木坂の現場、特に握手会に行ってみたいけれど、いつもレポートを読むだけに留めているそうなのです。
この記事では、その後なんやかんやあって私も一緒に体験してきた「車椅子レーン」について、レポートを書いてみます。
足が不自由だったり、さまざまな理由で握手会参加をあきらめている方、お読みいただけるとうれしいです。
不安に思っていたこと。
彼は生まれたときから脳性麻痺という障がいを持ち、足が自由に動きません。そのため自力で歩くことが難しく、普段は両手に大きな杖を持ち生活しています。
握手会において特に不自由なくレーンに並んでいる他のお客さんと違うのは、「杖がないと歩けない」ということだけ。
両手を使ったり会話をしたり、そういった部分には何も問題ありません。
そんな かっちーさん が握手会参加をためらっていた理由、不安に思っていたことを聞いてみました。
人がたくさんいて、しかも混雑している。
その場に立っているときや歩いているとき、人にぶつかると簡単に転倒してしまう。そのため、人の多い場所に行くことは不安。
行列に長時間並ぶ。
直立しているだけでとても体力を使う。長時間並ぶ必要があり、しかもその長時間が30分なのか2時間なのか分からず、先が見えないことも不安。
そもそも「車椅子レーン」の存在を知らなかった。
そういう仕組みがあることを知らなかった。並ぶことを断念したいときの逃げ道があると分かるだけでも、気が楽になる。
乃木坂46握手会、車椅子レーン参加の流れ。
参加したのは、2016年5月15日に東京ビッグサイトで開催された、14thシングルの個別握手会です。大まかな流れは、乃木坂46「握手会」の仕組み完全解説まとめ に書いてあるのと同じ。違うのは握手本会場に入ってからです。
参加を考えている方に向け、当日の流れを詳しく記します。
①入場
「一般入り口」以外に「女性用入り口」があるので、ご自身の性別に合わせて並びます。同伴の方含め、全員の持ち物をチェックされます。
ポケットの中身は出す、バッグがあれば開けて中をチェック、ペットボトルはその場でひと口飲む、帽子は取る。そして金属探知機で全身確認。
1~5部それぞれの開始時間前後は混みます。少し経つと空いてくるので、様子を見てみてください。
②本会場へ
握手券を提示して本会場に入ると、それぞれのメンバーごとにレーンがありますが、目当てのレーンではなくスタッフさんを探してください。
スーツを着たスタッフさんに障がい者手帳を持っていることを伝えると、「車椅子レーン」に案内してくれます。
③いよいよレーンへ
自身の荷物と介助者の荷物すべてをかごに入れ、少し待ちます。レーン内には車椅子でない方のために、パイプ椅子が用意されています。
準備が整ったらスタッフさんに呼ばれるので、乃木坂メンバーの背後にある通路を通り、目当てのメンバーの元へ。
④握手!
時間になると「剥がし」役のスタッフさんから合図され、終了です。
⑤退場
かっちーさんに聞いた!握手会の感想。
会場の感想
また、生誕委員の方々のスペースも見学させていただきました。
メンバーそれぞれの生誕委員の方々を見て感じたのが何となく、そのメンバーに似た性格、雰囲気の方々が集まっていらっしゃるなぁと思いました。
衛藤さんの握手
いきなり圧倒されました。普通の握手じゃない!手が意外と大きい!と(笑)
会話の内容はこれといって他愛のない会話でしたが「あぁ、目の前にラジオで良く聴く声、瞳の綺麗なあの人がいる!」というだけでもう最高の空間でした。
新内さんの握手
椅子に座った状態でもわかる。足が長いぃ!テーパーの入ったスキニージーンズをお召しになられていたこともあり、より長く見えました。
握手は、自分の手の上からふわっと包み込むような優しい感じの握手でした。
最後、私がブースから去る際にずっと手を振ってくださっていたにも関わらず、テンパってしまいすぐその場を後にしてしまった事を、悔やんでいます(笑)
最後に、感動したことを一つ
握手をする際にブース内にある椅子を置いてある台からわざわざ降りてきてくださって、握手をしていたことです。
当たり前のことかもしれませんが、それを当たり前と思わず息をするかのようにしてくださった事。これには感動しました。
万理華さんの場合は、車いすの方と握手をされていましたが、かがんで目線を合わせていた事。これも素晴らしいと思いました。きっと、他のメンバーの方もそうされていたんだと思います。
乃木坂ちゃん達が愛され、色々な方面の方々を魅了する理由は、努力だけではなく思いやりがあり、相手の気持ちをちゃんと理解できる人達が集まったからこそなんだろうなと感じました。
強いて言うなら…問題点。
レーンの場所がわからない!
本会場に入ったとき、車椅子レーンがどこかわからなかった。スタッフさんを探すのもひと苦労なので、もう少し目立つ目印があるとうれしいかも。
優先入場は申し訳ない!
本会場に入る待機列について、並ばなくてよいのは大変ありがたいけれど、並んでいる人の目の前で優先入場するのは気が引けてしまう…。
配慮はありがたいけど気まずい、という難しい問題ですね。
まとめ。
この記事、制作するかけっこう迷いました。私は特に福祉へ従事している訳ではないですし、介助役とはいえメンバーと接近できてしまいますし、そのメンバー推しの方からすると面白くないよなあ…と。
これを読んで不快に思う方がいたら申し訳ないです。
ただ、いつ卒業してしまうかわからない女性アイドル。握手会に行きたいけど不安で行けない、というのは本当にもったいない!
きれいごとになってしまいますが、普段このサイトを見てくれていた かっちーさん が喜んで帰ってくれたのなら、悪いことはしていないはず…と自分を納得させておきます。
車椅子レーン、とても貴重な経験が出来ました。
追記:2016/5/19
私自身の感想をあまり書いていませんでしたので、追記。正直なところ、私にとって乃木坂運営さんのイメージはあまりよくないことがあるんです。お客さんに対しての対応がずいぶん適当だなあ…と思うことが多くて。
でもこの日驚きました。関わったスタッフさんがみんな驚くほど丁寧な対応!
レーン周りの方はもちろん、本会場に入場する待機列のスタッフさんなんかは、私たちのためにあちこち走り回ってくれたりしたのです。
障がいなどの理由で参加をためらっている方。会場やスタッフさんの対応については、心配しないで大丈夫そうです。行ってみたい気持ちがありましたら、一歩踏み出してみてください!
それともうひとつ!
座る場所がなくて困っていたところ、井上小百合さん生誕委員の方が簡易チェアを貸してくれました。さすがサユリストさん!ありがとうございました〜!!
Twitterの反応
同じ車椅子ユーザーとして、こういう記事は本当にありがたいです。記事にある通り、メンバーみんな近くに来てしゃがんでくれますよ。 https://t.co/wM5wN1Hr39
— ミニ苦労 (@mini_cross) 2016年5月19日
@dskgck いろいろご不安な点もあるでしょうが、乃木坂運営さんはかなり前向きに色々考えて下さっていますので、ライブや全握でもスペイベでも、足の不自由なお友達の方にも楽しんでいただけると思いますよ!
— ミニ苦労 (@mini_cross) 2016年5月19日
@dskgck @toryao46 ブログの方も読みました。
— タクドラ風牙乃木欅推し (@Taxidrive_FuuGa) 2016年5月19日
自分も通常生活には不便は無いですが膝に問題が有ります。毎回イベントでは普通に並んでますがチケットをもっている時に問題が有ったら困るなぁ(;´Д`)と思っていたので参考になりました。
握手もライブも…みんなで楽しめるものであってほしいですね!(^^)
— はやめぐたん⊿(*^^*) (@Haya_Meg) 2016年5月19日
https://t.co/kbLlYcRqfj
これは興味深い
— 落ちた飴しゃぶりの介 (@hideaway816) 2016年5月19日
優先入場に関しては何とも思わないです
ベッドで寝たきり人ももっと入りやすいよう会場を広くしてほしいですね
乃木坂46握手会、車椅子レーンに介助として入った話。 https://t.co/yr118iYfBs @dskgckから
いろんな方々が乃木坂46を応援されています。
— とりゃお⊿乃木仮めんばー (@toryao46) 2016年5月19日
ぜひご一読ください。 https://t.co/uVMO85YCQe
@dskgck @shinka_ab
— しょう◢ (@art_music46) 2016年5月19日
アファーマティブ・アクションと同じような問題はありますが、「相互扶助」の土壌がある日本では、多くの人が受け入れてくれるのではないかと思います。
殊に握手会の場合、ファンの思いは同じですから、「優先入場」だって理解を示してくれるでしょう。
乃木坂の場合に限らず、障害者の握手会参加の一番の問題点は、障害者のファンが健常者のファンに対して遠慮せざるを得ない状況となっていること。障害者のファンに遠慮をさせないという、意志疎通や合意形成を、障害者と健常者の間でできないものか? https://t.co/aiE6ES6s4H
— まつのすけ⊿ (@sntb29481) 2016年5月19日
@art_music46 @dskgck @shinka_ab 厳密すぎるかもしれませんが、障がい者手帳の有無で優先入場等の処遇をすることには無理もあると感じてます。支援区分を見て支援の必要度や可否を決める。理想だが絶対無理。今の手帳制度ザルな部分あるので一部のファンが逆に不公平
— だいせんせ (@kokokokua2) 2016年5月19日
@art_music46 @dskgck @shinka_ab を言い出さないかいらぬ心配をするときもあります。実際厳しいこと言う人もいるし。ただ、障がいがあろうと無かろうと、自分も含めて人は人の寛容に支えられていると心がけるようにしています。
— だいせんせ (@kokokokua2) 2016年5月19日
@dskgck 「息をするかのように」が大事ですよね。そこに少しでも不自然さがあったりすると、参加した人には申し訳なさやモヤモヤが残る可能性があるので。振りかぶらずにできるのは本当に素敵なことだなあと思います。
— 裏本田・柴志朗 (@ssurahonda) 2016年5月19日
初期の頃とは違い今の握手会は乃木坂の人気と並行して混雑をきわめて私でも特に全国握手会は敬遠しがちになっております。
— コトメイト (@kotomate) 2016年5月19日
この記事を読み握手会でのマナーの部分についても改めて考えさせられました。
ぜひ皆さんにも一読頂きたいと思います。 https://t.co/3MRXghWvtr
私も車椅子レーンの存在は知っていたんですが自分から伝える事ができなかったです。素晴らしい記事です。 https://t.co/k7V9PKQamz
— まっつん (@ma2n_room) 2016年5月19日
こういうことはお話を聞かないとわからないものです。聞けてよかったです。 https://t.co/gABvb6BtgP
— まどかconマッシ (@massi0707) 2016年5月19日
詳細なレポートと、メンバー・運営への感謝。そして、システムをより良くするための提案。いい記事だなぁ。 https://t.co/Hoh4oY3I9D
— なべりょう⊿ (@naberyou_) 2016年5月20日
普段からもっと、こういう方々の手助けをしてあげようと思わせてくれた、とても心温まる良いお話です。 https://t.co/PwzsHLR2Tu
— HIDEO_RAMS (@HIDEO_RAMS) 2016年5月20日
そう言えば、自分が始めて全握に行ったとき、車椅子レーンを始めて見たけどあまり違和感を感じなかった。
— エムk(男) (@emuk_aichi58) 2016年5月20日
これっていかにして周りの人達がそうである事が自然という空気を継続し続けた賜物だと思う。 https://t.co/Bu9T72wtXy
乃木坂46握手会、車椅子レーンに介助として入った話。 https://t.co/wk6bvct1Yf @dskgckから
— あんころもち⊿ひめきゅん (@rulie3936) 2016年5月20日
もっと知られるべきですねー
専用レーンがあるのは気分的にも楽だと思うけど
分かりにくいのは改善されるといいですね
@dskgck 実は去年48Gのイベントに行った時、一回障がい者レーンの隣で握手しました。そこに脳性麻痺で体の動きが不自由の方と彼のお父さんが順番を待っていました。私は、彼が推しと握手していた時のその笑顔と嬉しさが忘れられない。アイドルってやっぱりすごいですね。
— なるど⊿ 変なサングラス (@76do__) 2016年5月22日
6件のコメント
昨年の大阪城ホールで行われた全国ツアーでの出来事です。
車椅子で来られたファンの方が居ました。ライブが進む中恒例のサインボールを投げる所でゴンドラにメンバーが乗ってサインボール投げてたんですが
西野七瀬さんが乗ったゴンドラが急に止まり、どうしたのかな?と思ってたら西野さんがゴンドラから降りて車椅子で参加してるファンの方にサインボールを手渡ししていました。
こういう事が自然に出来るって
素晴らしいと感じました。
会場内で座るところがないなということですが、以前友人が足を骨折して松葉杖でいたところインフォメーションでパイプ椅子をお借りした経験があります。見た目が松葉杖だったので障害手帳みたいなものを見せなくても大丈夫でしたよ。
今晩は私の長男も車椅子で参加していますよ!奥さんが
付き添います。呼吸器を使用しているので大変てすけどスタッフさんの対応は他のグループの握手会と比べるとわかります。3年前初めて参加した頃より障害者の方が増えてきたのもスタッフさんやメンバーの対応が良いからだと思いますね(゜∇^d)!!
私達親子は待機列には並ばず出口から入場させてもらってます
よ参考迄に(* ̄∇ ̄)ノ
いつも楽しく拝見させていただいています。
今回、障がい者手帳保有者のレーンを取り上げて下さったこと、大変ありがたく思います。
私は仕事で障がい者の就労支援をしています。社会福祉士です。
ぐるのぎさんがとても丁寧に書いてくださったことで、障がいのある無しにかかわらず、乃木坂を応援したい人誰もが参加できる握手会に少しでも近づいたような気がします。
ただ、福祉に従事する者としては複雑な気持ちもあって、優先入場の問題はその一つですし、全ツ会場の物販など炎天下の中で長時間、大勢の人が並んでいるにもかかわらず悠然と先頭に行けてしまうのも、かえって批判を受けるかもといらぬ心配などしてしまいます。実際に周りの仲間から厳しい意見をもらうこともあります。
かっちーさんが躊躇されたお気持ち、よくわかると同時に、誰だって譲り合ったり支え合ったりする気持ちはあると思います。それを当然の権利のようにとらえるのではなく、「先にいかせてもらうね。ありがとう」でいいのだと思います。障がいがあるとか無いに関係なく互いに気持ちよい人でありたいなと心がけています。
自分もいつか自分の施設の利用者さんと一緒に握手会に行くのが夢です。ただ、その子はももクロ好きでして。笑 乃木坂仕込み中。
ありがとうございました。
待ち時間をディズニーランドみたいな感じにしたら良いと思いました。
待っているというのは同じでその時間になったらまた戻るという風なら良いですね
いつも楽しく記事を読ませていただいております。
いつも握手会で車椅子の方が握手に参加されているのを見て、私も何かできないかなぁとずっと思っていました。
というのも、私は社会福祉士と介護福祉士という資格をもって、福祉の会社に勤めているからです。
今回、車椅子の方がどのように握手会に参加しているのか、介助される方がはどのように感じるのか等とても勉強になりました。
最近とても混んできた握手会会場、もっと車椅子の方や不自由な方も楽しめるようにお力になれたら良いなぁなんて思いました。