◆最悪の場合このまま芸能界引退か
能年は、「あまちゃん」で一躍国民的女優となり、14年8月公開の主演映画「ホットロード」で「日本アカデミー賞」の新人俳優賞を獲得するなど活躍した。
だが、昨年4月に所属事務所からの独立騒動が勃発。
能年は所属事務所に無断で、長年にわたって演技指導を受けてきた演出家の女性と個人事務所を設立し、その後は、所属事務所サイドが映画やドラマの出演作の打ち合わせや契約交渉の場を設けても応じなくなっていた。
そして、今年6 月いっぱいで能年と所属事務所との契約が切れることから、最悪の場合このまま芸能界引退の可能性もあることが、最近になって一部メディアで報じられた。
芸能プロダクションのマネジャーの話では、「能年さんの件に関しては、人気女優の独立騒動ということで、業界内でも以前からかなり注目を集めていました。所属事務所の方はなんとか関係性を取り戻そうと交渉を打診していましたが、能年さんサイドが頑なに拒み、没交渉の状態が続いていたようですね。いくら売れっ子といえども、きちんとした“窓口”がない限り、テレビ局や映画会社、CMクライアントなども仕事を振りにくいというのが業界の実情。独立騒動はイメージも良くないし、このまま事務所を退社するとなると、かなり厳しい状況になるのではないでしょうか」とのこと。
◆厳しい意見が大勢を占める業界内
演出家のテリー伊藤氏はコメンテーターをつとめるTBS系情報番組「白熱ライブ ビビット」で、能年に一番必要なことは「お金でなく、いい仕事」といい、「ある程度、大きな事務所に入って健康的な仕事をすること」とコメントしている。
また宮根誠司アナウンサーはMCを務める日本テレビ系情報番組「ミヤネ屋」で、所属事務所とのこれまでの経緯を振り返り「芸能界はもちろんですけど、一般の会社にしてもそうですけど、事務所に内緒で、無断で事務所をつくるというのはルール違反」と指摘。
そのうえで、「事務所としては能年さんを大事に育てているというのがあったと思う」とし、「最後の最後に守ってくれるのが所属事務所」と話している。
業界筋の見方では、能年の才能を惜しみエールを送る一方で、今後を危惧し、独立騒動に対しては厳しい意見が大勢を占めている印象だ。
◆タレントの独立騒動や移籍騒動に業界内の目が厳しい理由とは?
芸能評論家の三杉武氏は以下のように語っている。
「能年さんにもそれなりの言い分はあるでしょうし、所属事務所との契約内容を知らないので、一概に言い切れない部分もありますが、それでも能年さんが女優として今の地位を築けたのは本人の才能や努力はもちろん、所属事務所のバックアップがあったからこそ。移籍したタレントなどは別として、基本的に芸能プロは才能があると見込んだ新人タレントを育てるにあたり、レッスンを受けさせたり、売り込みをしたり、プロモーションを展開したりと、かなりの“初期投資”をします。この初期投資というのは、なにもお金の話だけでなく、時間だったり、人手をかけたり、そうした諸々の要素も含んでのことです。タレントがある程度売れるまでの間は、所属事務所がほとんど持ち出しで、そのタレントの才能を何とか開花させようと、ひたすら“投資”するわけです。もちろん、投資したからといって売れるとは限らないし、結果、陽の目を見ないタレントの方が大半です。そうした下積み時代の恩があるからこそ、多くのタレントは多少契約に不満があろうと、ほかの事務所からもっと良い条件を提示されようとも“古巣”を大切にするし、タレントの独立騒動や移籍騒動に対して業界内の目が厳しいのはこうした背景があるからでしょう」
◆大手事務所と仕事をするメリット
民放テレビ局の編成担当は、タレントの独立に関するリスクを指摘する。
「売れっ子タレントを数多く抱えている事務所を敵に回すと、当事者の事務所はもちろん、取引のある別の事務所からも“共演NG”にされたり、仕事の幅を狭めることになりかねません。それに、我々が大手事務所と仕事をするメリットとしては、不測の事態にも対応してくれるという要素があります。例えば、タレントさんが体調を壊して突然予定していた番組に出られなくなったりしても、代わりのタレントをすぐに用意してくれたり、迷惑をかけたからという理由で別の番組に売れっ子を出演させてくれたりと、関係性が深まっていきます。もちろん、こうした“お付き合い”に関しては、しがらみができるといったマイナス要素もありますが、トータル的にみればプラスの部分の方が大きい。個人事務所となるとこうはいきませんからね。最近では個人事務所に所属しながらも、大手事務所と業務提携という形で契約しているタレントさんも多いですしね」
となると、気になるのは能年の今後だが……。
「言われているように、個人事務所を窓口に芸能活動を続けていくとなると、所属事務所の存在もあり、テレビや映画、CMといった仕事に関しては難しい部分があるでしょう。可能性があるとすれば、それほど業界内の“しがらみ”のない舞台を中心に活動していくということになるのでしょうが、それはそれで大変だと思うし、大幅に露出が減るのは間違いないでしょう」(前出のマネジャー)
テレビや映画で再び能年の笑顔を見る日は来るのか?
THE PAGE 5月27日(金)11時0分配信から引用編集
(文責/JAPAN芸能カルチャー研究所(http://japan-culture-labo.com/))
◆能年を洗脳したとされる生ゴミ先生は滝沢充子52歳
能年が所属事務所を独立して個人事務所を設立するに至った経緯は、生ゴミ先生と呼ばれる滝沢充子の演技指導を長年受けるうちに洗脳されたためだという説がネット上に流れている。
滝沢は斬新な演劇スタイルを確立し演出で活躍していたが、アメリカでの経験から独自の演技メソッドである「Jメソッド」を確立した。
「日本独自の形式美とメソッド演技の融合、およびタレントの個別の個性魅力開発発展技術」であるJメソッドを受けた有名人には、世界的ハリウッド女優のチャン・ツイィーやオダギリ・ジョー、薬師丸ひろ子らも含まれる。
滝沢は、その「Jメソード」をもって原石を見抜き、磨き上げ、一流のタレント・モデル・役者、「いつまでも愛されるタレント・モデル・役者」を作り上げることを目的としている。
そして、近年の成果で最も有名なものが、それまで多くの新人の中に埋もれいていた一女性タレントを「NHK朝ドラヒロイン」ヘと変身させ、流行語大賞を獲るほどのムーブメントを起こすまでに魅力を開花させた能年玲奈であった。
能年は、持前の素直な性格から、滝沢の演技指導が結果に結びついたことで滝沢を師と仰ぐようになり、傾注していったとみられる。その意味では、滝沢が無理やり洗脳したようなネット上の情報は、もしかすると誤りかもしれない。しかし、結果としては、能年が全面的に信頼するようになったことで広義の洗脳といえなくもないだろう。
余談ではあるが、滝沢がタレントへのレッスン中に「あなたはこの仕事をしなければ生ゴミね!」と言ったことをメディアで公言したことから、何故か滝沢が「生ゴミ先生」として有名になった。
◆深堀り
さて、タレントの独立騒動では、SMAPのジャニーズ事務所独立の騒動が記憶に新しい。いくら売れっ子でも、けんか別れして独立したタレントは、大手事務所が故意に圧力を掛けないとしても、使う側からしてみれば、大手事務所との関係悪化を恐れて使いずらくなるのは当然だ。仕事をする上での仁義を疎かにすれば、目先の利益は得られても長い目でみれば必ず損をすることになる。
SMAPとの騒動を見ていてこれに気付かなかったとすれば、能年は本当に能天気であると言わざるを得ないだろう。
能年に残された道は、まずは現所属事務所との対話である。自分の意向をきちんと伝えて納得してもらうことが何より必要で、それでも納得されなくて喧嘩別れするのであれば、仕事が激減するのを覚悟で独立してみるしかない。社会に出る前に売れてしまったタレントによくあることだろうが、世間はそれほど甘くはないことを身をもって知ることになるだろう。
それでも、女優としてやってゆきたいなら、才能をさらに磨いた上で、あらためて元の事務所の門を叩けばよいのではないだろうか。世間は甘くないが、寛容な一面も持っていることに期待したい。
能年玲奈(MARBLEより引用)
この記事へのコメント