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三百六十一日目~三百七十日目
“三百六十一日目”
【陽光の神】が選んだ【陽光の勇者】であり、自分が生まれ育った村を破壊し、そこで暮らしていた村民と、何より心から愛していた恋人を殺した仇を討つと誓った復讐者。
本名、シグルド・エイス・スヴェン。
彼と初めて出会ったのは恋人を目の前で殺され、その怨敵と怒りのままに戦い、仕留めきれずに逃がしてしまった時だった。
あの時の彼は憎悪に染まり、周囲全てが敵に見えていたのだろう。
一度暴れ出せば敵味方問わず攻撃をしかける【狂戦士】のように、暴走するまま当時使徒鬼だった俺に襲いかかってきた。
しかし怒りという感情に支配され、動きは単調で直線的だった。後先考えない全力で動いていたからこそ確かに速かったが、ただそれだけなので対処は比較的簡単で、結果として苦戦せずあっさり倒す事になる。
その後正気に戻った彼は、心から復讐するための力を求め、とある契約を結んで俺の配下となる。
それからは日々自分を鍛え上げ、紆余曲折ありながら出会った新たな仲間と共に、先の【聖戦】にて仇である蟲英と戦闘に至る。
そして俺が用意した決戦場を埋め尽くすほど膨大な数の魔蟲を薙ぎ払い、仲間共々傷つきながらも最後には異形の巨大魔蟲と成った蟲英を殺害し、見事に復讐を果たした。
そして【聖戦】を終えた後、仲間と別れて恋人の墓参りをするべく一人で出立し、数日が過ぎた今日の朝、陽光と共に彼は大森林の拠点へと帰還したのだが。
陽光と共に戻ってきた彼は、以前とはまるで別人のようになっていた。
以前の彼は常に陰鬱な雰囲気を纏った、正直ジメジメとした男だった。
目には復讐と狂気に染まった光が宿り、その意識は復讐対象に向けて研ぎ澄まされ、下手に近づくのは躊躇うだけの鋭さがあった。
力を貪欲に求めて焦がれ、こと戦闘という特定の分野では鈍鉄騎士などを筆頭に日々熱い議論を交わしていた。
ただただ復讐する為に邁進する、その為に生きているような男だった。
だが帰還した彼にはそんな面影など既になく、まさに【陽光の勇者】とでもいうような、清々しい朝日の似合う好青年となっていたのだった。
正直、その変貌ぶりには驚きを隠せない。
誰だコイツ。
爽やかな笑顔と共に『おはようございます、マスター。いい一日になりそうですね』などと言われた瞬間、俺は無意識のうちに身構えていたほどだ。
ウワ何これ気持ち悪い。
鳥肌が立つほどの違和感があった。
目の前の彼は偽物なのではないかと内心疑いつつジックリと細部まで観察し、色々話を聞いたところ、どうやらこれが本来の彼らしい、という結論に至る。
つまり復讐を果たした事で彼は復讐者ではなくなり、【陽光の神】の選んだ【陽光の勇者】として本来の姿を取り戻したと言う事だろう。
しかしこれ程の変化だ。
復讐者改め陽勇に分体が【寄生】していなければ、化けた密偵ではないかと疑うレベルである。
ただふとした瞬間に見せる暗い雰囲気もあって、爽やかな部分も暗い部分も合わせて陽勇という存在が形成されているのが分かる。
コインの表裏のように、誰もが持つ二面性。
そう思えば、そういう事なのだと納得できる。
朝から驚かされたが、気を取り直し、朝の訓練で陽勇と戦ってみた。
蟲英を倒し、更に一段階実力を上げたようだ。今後はより一層戦力となってくれるに違いない。
一通り陽勇との訓練を終えた後、姉妹さん達が作ってくれた昼食をじっくりと味わってから、カナ美ちゃんと一緒に【鬼神の尊き海鮮食洞】へと【鬼哭門】を使って移動した。
【鬼哭門】を出た先は海底洞窟に存在する、とある一室だ。
ここは部屋の中心に設置されている【鬼哭門】から出てきた団員達が、全域が水中となる【鬼神の尊き海鮮食洞】で自由に動けるよう準備する為に用意した、縦横高さが三十メートル程の四角い部屋である。
基本的にここを利用するのは団員達だけなので、何かの間違いで部外者が迷い込まないように直接外部と繋がる道は存在せず、ワープゲートを使うしか出入りする術が無い。
そんな秘密の部屋とでも言うべきここで、今回同行したカナ美ちゃんの準備をしていく。
カナ美ちゃんは種族的に水中が苦手――無意識に纏う冷気で周囲一帯を凍結しかねないという危険もある――なので、以前手に入れて、アイテムボックスに入れられたままだった【水妖外殻:オクトルプ】を使ってもらう事にした。
これは以前【辺境詩篇〔水妖オクトルプ〕】をクリアして手に入れた【遺物】級のマジックアイテムで、その効果はオクトルプ・ハイのような形状の外骨格を装着する事だ。
これで水中でも問題なく活動できる訳だが、しかしどうも以前俺が使った時とは形状が違うらしい。
俺の時はほぼオクトルプ・ハイのような形状だったのだが、カナ美ちゃんが使うとその女性体のようになったのだ。
頭部には鮫の骨で出来た宝冠のような何かが備わり、背面からはウツボのような触手や蛸のような触手が生え、下半身はまるでドレスのようにふわりと広がる逆様になったイソギンチャクのような形状となっている。
上半身はさほど変化はないものの、そんなカナ美ちゃんはまるで海洋を支配する女王のような雰囲気があり、普段とはまた違う色っぽさがあるので俺は一向に構わないのだが、これは一体どういう事だろうか。
しばし考えてみたが結局分からなかったので、気を取り直して俺も【強化外骨格】の一つである【雷鮫龍侯の楯鱗】を纏う。
これで老若男女幅広い他の攻略者から目撃されても、そういうマジックアイテムを使っているんだ、と思われるに違いない。
その他にも【水棲】などのアビリティを重複発動させ、カナ美ちゃんと共にワープゲートで移動する。
移動先は本来の出入り口からするとかなり奥の方にある、無数の岩の柱が乱立している区画だ。
ワープゲートは見られないように用心しておくべきであり、ここなら攻略者が滅多にやってこないので丁度いい。
そう思いながら移動して、素早く周囲を確認する。
辺り一帯に他の気配は無く、誰にも見られていないようだ。一先ず安心しつつ、カナ美ちゃんはどうかと見てみると、突如水中に出現するという不可思議な感覚に少し驚いたようだ。
だが【水妖外殻:オクトルプ】によって呼吸は出来るし、下半身の部分を使った特徴的な動きによって魚よりも速く泳げるので、特に問題ないようだ。
それでも少し【水妖外殻:オクトルプ】の使い方を練習してから、俺達は海中デートを楽しみながら食材系のアイテムを回収していった。
俺が手に入れてからはより食材系アイテムに力を入れていただけあって、以前よりも周囲を泳ぐ魚系モンスターの数は多く、海藻や貝なども種類も量も豊富にある。
取りあえず二時間ほど目に付くアイテムを収集し続けた結果、アイテムボックスには大量の食材が確保される事となった。
一先ずこれで良いだろうと思い、それからは普通に水中デートとしゃれ込んだ。
綺麗な鱗を持つ小魚の群れが泳ぐ様など、見ていて面白いし、いい雰囲気になった。
その後は陸に上がってからもカナ美ちゃんと色々出歩き、ゆったりとした一日を過ごした。
“三百六十二日目”
早朝、高級ホテルで一泊してから大森林の拠点――【始まりの鬼哭森殿】と名付けたが、拠点の方が分かりやすいだろう――に帰還し、朝の訓練を行った後、飯を喰ってから鍛冶師さん達が居る≪工房≫に出向いた。
≪工房≫では職人達が汗水垂らしながら鎚を振り下ろし、火花を散らしながら金属に命を吹き込む音が絶えず聞こえる。
団員達の武具の製造、あるいは整備という重要な仕事が日々行われているここで、鍛冶師さん達の手伝いをするのが今日の俺の主な仕事になる。
といっても、姉妹さん達の料理に加われないのと同じように、鍛冶師さんの鍛冶に直接手を出せる訳ではない。
今の鍛冶師さんのレベルからすると、素人に毛が生えた程度の俺では足を引っ張る事になる。
俺がするのは、これまで各ダンジョンから採掘・採取した数十から百数十種類ほどの魔法金属を銀腕に取り込み、武具などを始めとする数々の道具類を造ってくれる≪工房≫の職人達の要望通りの合金をインゴットにして生産する事だった。
本来、魔法金属を合金にするのは相応の準備が必要になる。
少量で研究するならまだ何とかなるが、大量に合金を造るとなるとかなり難しい。
しかし俺の場合は銀腕で多種多様な魔法金属を一旦取り込み、それぞれの比率を変えながらインゴットに変えてやるだけである。
分かりやすく例えれば、粘土を捏ねて何個も塊を造る感覚に近いだろうか。
精度は例えよりも遥かに精確だが、大雑把なイメージとしてはこれが近い。
だからやる事が簡単過ぎて、半分以上は皆の作業を見学する視察のようになったが、それでもこれはこれで有意義ではなかろうか。
俺が短時間で比率を変えながら色々造ってみた合金を、巨大な鎚を担いだ親方ドワーフを筆頭に、普段では想像できない程真剣な表情の鍛冶師さん達が丹念に丹念に様々な武具を鍛造していく。
それぞれ専用の作業場に籠り、精霊石を使った炉からは絶え間なく炎が漏れ出している。
鎚が魔法合金を叩く甲高い音、激しく飛び散る火花は絶え間なく。
徐々に徐々に、職人達の魂が込めた作品が造られていく。
そこには確かに職人技があった。
これまで実践にて培われてきた技術が、受け継がれてきた伝統が、数多の試行錯誤の末に見出された成果が出来上がっていくのには感動すら覚える。
素材として使用される魔法金属の特性や、あるいは【鍛冶師】という【職業】によって、造られる武具には魔力が宿り、ただの武具より優れたマジックアイテムへと昇華されていく。
高熱を宿して切れ味を向上させたロングソード、風を纏い攻撃を防ぐタワーシールド、自動的に石礫を生成してしまうスタッフスリング、衝突すると同時に雷撃を叩きこむメイスなど、造られていく作品は幅広い。
真剣に鍛冶をしている光景は見ていて単純に面白く、それに感化されてか、俺も色々と造ってみる事にした。
丁度、鍛冶師さんとの子供でもある鬼若が隅の方にある作業場に居たので、鬼若と一緒に鎚を振るう。
使用する材料は俺の角を一本と、適当に銀腕から抽出した魔法合金だ。
魔法合金はミスラルを多めに配合しているので、やや青みがかっている。
そして、何やかんやと鍛冶師さんに助言されながら鎚を振ったりする事しばらく。
鬼若と一緒に試行錯誤しながら出来上がったのは、鉈のような肉厚のナイフだった。
俺の角を研磨し、魔法合金製の柄を取り付けただけだが、素材が素材だけに切れ味は抜群だ。
自重だけで岩が切れるし、【自動修復】とか色々な能力もあったりする。獲物を解体する時の解体ナイフとか、使い勝手の良い副武装などに丁度いいのではないだろうか。
最初に出来上がった一本は一緒に作った鬼若にプレゼントして、残りの子供――オーロやアルジェント、ニコラやオプシーの為に、再び鍛冶を続ける事にした。
やり方は既に出来たので、後はパパパッと終わらせる。
まだ赤子なので使えないニコラはともかく、他の三鬼も喜んでくれたようなので、良しとしておこう。
今度もまた、何か造りたいモノだ。
“三百六十三日目”
今日は拠点の各施設を視察していった。
ただ、精製竜達による空輸の拠点となっている≪飛行場≫は少し前に見て特に問題も無かったし、団員達の居住区となっている≪元採掘所≫や≪住宅地≫も特に見るモノは無い。
大規模な実戦訓練が可能な≪外部訓練場≫は訓練でよく使っているので今更視察するような事も無く、鍛冶師さん達が居る≪工房≫にはつい昨日行ったばかりだ。
最近ではエルフ以外の客も少しだが増え始めた≪パラベラ温泉郷≫ならば視察する価値はあるのだが、少し長くなりそうなので、それはまた後日で良いだろう。
だから今回視察に向かったのは――
ドリアーヌさんや農業小人達が管理している≪大農地≫
狼や馬や熊などの≪使い魔≫や、ビッグコッコなど家畜として飼育しているモンスターなどを放し飼いにしている≪牧場≫
ブラックスケルトン機構によるライン生産方式で商品を大量生産している≪工場≫
大森林外産の商品を販売するなど、外で活動する時の為の訓練を兼ねた≪商店街≫
そして少し離れた山を開拓した≪第一鉱山≫
――の五ヶ所である。
まず向かった≪大農地≫だが、ここでは森を開拓した土地に多種多様な野菜を栽培している。
ここで収穫できる野菜は大森林という土地の力による恩恵か、あるいは土壌の改良や精霊石などの効力か、あるいはそれら全てが作用した事により、成長速度も他より早く、何より上質だ。
ここで採れる野菜はどれも美味しく、外でも結構な人気商品になっていて、俺達の財源の一つになっている。
本来野菜などは採れたてが一番美味しく、時間が経てば経つ程味が落ちてしまうのだが、俺達には空輸という手段があるので普通よりも短時間で遠くまで持っていけるという強みがあった。
最近ではブランド野菜として有名になってきたので、有名料理店などと直接契約していこうか、などと考え中である。
手軽で大量に上質な食料を生産してくれるここは、俺達の食料自給率に大いに貢献してくれている、重要な施設の一つだ。
ここで働いているのは主に農業小人達であり、それ等を補助する【農夫】などを獲得した人間や植物系の亜人達が居る。
誰もが危険な戦闘や面倒な客商売などよりも農作業の方が好きだと言っているだけあって、視察に行った時も汗水垂らしながら、元気に笑顔で働いているところだった。
農作業で鍛えられた肉体をした中年男性が年下の青年と並んで鍬を振り下ろして耕していたり、とあるポレヴィークが目を疑う程の速度で作物を収穫していたり、グリーン・マン達が集まって野菜の品種改良をしていたりする。
職場環境としては悪くないだろう。
そんな≪大農地≫の視察を終え、次に向かったのは≪牧場≫だ。
ここでは≪使い魔≫を始め、ビッグコッコやボルフォルなど家畜達が飼われている。
家畜小屋を覗いたり、成長具合を見ながら、ここで働いている団員が提出した書類に目を通す。
書類には家畜達の味が少しでも向上するようにと、日夜≪牧場≫で繰り返される試行錯誤が記されていた。
つまり研究資料である。
研究資料には『家畜達に与える飼料による味の変化』から始まり、『ストレスのない環境作りはどうするべきか』、『レベルアップによって味が変化するか』、『事前に対処すべき疫病一覧』など、多岐に及んでいる。
それ等にざっと目を通し、以後も続けるように命令した。
どれも時間が必要になる事だし、失敗しながらやるしかない。
団員達はこれまで通り、頑張ってもらえばそれでいい。
ダラダラと気を抜けとは言わないが、結果を出せばボーナスは出すので、やるかやらないかは団員次第である。
ちなみにクマ二郎とクロ三郎もここに居て、視察しに来た俺にじゃれついていた。背中にすり寄って来るので、適当に相手をする。
他にはミノ吉くんのクマ吉や、存在感が薄く出番のないカナ美ちゃんの愛馬などがいるが、それはさて置き。
≪牧場≫の後は≪工場≫に向かったが、機械のように黙々と商品が生産されていく。
一定の品質が保証され、一定の価格で量産できる。
個としてみればここで生産される商品に勝る物は多いのだが、商品としてなら安く提供できるので優れている。
そんな商品を生産するここでは、特に問題はないようだ。
新商品開発用のラインを造ってみたり、ここで働く団員達の要望を聞きながら改良を加えた。
≪工場≫の次に行った≪商店街≫では、特に言う事は無い。
元々ここは外の店舗で働く時の為の施設なのだが、外での情報は常にイヤーカフスで共有され、店員としてどう動くかは外から出戻ってきたり、鍛冶師さん達に指導されたりした先輩団員が後輩団員を指導する仕組みが出来上がっている。
そこを見るだけなので、ある程度見てから≪第一鉱山≫へと向かった。
≪第一鉱山≫までは少し離れているので、骸骨トロッコに乗る事しばし。
森の中を真っすぐ突き抜けるように敷かれた線路の先には、特に他と変わりないそこそこの大きさの山があった。
ここは元々、採掘大好きなアス江ちゃんが最初に見つけた大森林内にある鉱山の一つである。
散歩している途中に見つけたアス江ちゃんが一鬼で数百メートルほど掘り進んだが、特に面白みの無い普通の鉱山だった事と、他にやる事もあったのでしばらく放置されていた。
希少な魔法金属が採掘される訳ではないが、それでも鉱山は鉱山だ。せっかくあるのだから再利用しよう、という事で今は“地雷鬼”などになった団員達によって採掘が進められている。
アス江ちゃんによって予め深く掘られている事もあり、さほど手間がかからないので、今後はこういう施設も増えていく事になりそうだ。
今後の為に今はノウハウを蓄積し、落盤事故などには気をつける事にしよう。
そうこうして視察が終わり、夕日で大森林が赤く染まる頃、ボリボリと芋虫を喰いながら屋敷の前でダラダラと過ごしていると、【鬼哭門】からミノ吉くんとアス江ちゃんが帰って来た。
丁度いいので、懐かしの芋虫を一緒に喰う事にした。
俺とカナ美ちゃん、それからミノ吉くんとアス江ちゃんの四鬼で、小鬼や中鬼時代の話で盛り上がる。
あと少しで転生してから一年が経つ。
期間で言えば短かったゴブリンやホブゴブリン時代が、どこか遠い昔のように感じられた。
“三百六十四日目”
俺達と同期の誕生日を明日に控えた今日、三日続く予定の誕生祭の開幕式を執り行った。
開幕式といってもダラダラと長話はせず、手短に終わらせてさっさと解散する。
今回の祭りは、これまでのように戦闘がメインの喧嘩祭りではない。
いや、確かに喧嘩トーナメント戦はあり、明日には本戦が繰り広げられる予定だが、それだと階級別にするなどしても大体結果が予想できてしまう。
盛り上がるのは間違いないだろうが、せっかくの誕生祭なのに、普段とあまり変わらないのは勿体ないだろう。
だから今回は喧嘩トーナメントの他にも、拠点のアチラコチラで簡単な料理を作る屋台がチラホラ点在しているし、的当て屋や輪投げ屋など結果に応じて景品が貰えるゲーム場が出来ている。
また【異邦人】が持ち込んだのか、バドミントンやバスケなどによく似たスポーツ系遊戯を楽しめる場所も用意されていた。参加した個人やチームで競いあい、順位によって景品が出るので仲の良いメンバーで挑んでいる団員がチラホラいる。
とにかく簡単に言えば、色々とごちゃ混ぜな縁日のような祭りである。
そんな朝から始めた祭りだが、午前中は子供達とバドミントンなどスポーツを楽しみながら回り。
午後からは適当に散策しながらダラダラ過ごす。
一通り回ってみたところ、明日のメインとなる喧嘩トーナメントの予選会場が最も賑わっているが、飯勇が出している屋台や、迷宮産のドロップアイテムを景品にしたスポーツ系トーナメント会場なども同じくらい盛り上がっているようだ。
鍛冶長ドワーフによる見事な銀細工が売られている屋台や、錬金術師さんが夜の魔法薬を売っている屋台など、カップルに人気のモノもある。
料理と酒もこの日の為に用意しただけあって、どこでも賑やかな笑い声が聞こえてくる。
自分で言うのもなんだが、良い祭りになっているのではないだろうか。
ちなみに、今日と明日は完全に身内だけで行う祭りなので、≪パラベラ温泉郷≫の客であるエルフや獣人達は参加していない。
父親エルフや娘エルフなど付き合いのある信用のおける人物は招待してもいいのだが、≪パラベラ温泉郷≫の区画以外に拠点の中に不特定多数の部外者を入れるつもりは無いからだ。
とはいえ、せっかくの祭りだ。
最終日は≪パラベラ温泉郷≫でも催し物を行ったり、値下げする予定である。
良い出来事は、共有して楽しむのが良いだろうさ。
“三百六十五日目”
今日は俺達同期の誕生日である。
転生してから早一年。ふと思い返せば色々と、本当に色々とあった濃密な一年の記憶が過る。
終わりであり始まりでもあるあの夜、俺は妹分だった葵に殺された。
今こうして冷静に振り返ってみても、何故こうなったのだろうかと小首を傾げる。
俺は俺を殺した葵を怨む気は全く無いし、あの後殺人犯として逮捕されていないかと心配ですらある。
不満があるとすれば、あっさりと殺された自分自身の不甲斐なさにこそあった。
ほぼ身内である葵に腹を不意打ちで刺されたとしても、凶器が軍用兵器の一種だとしても、もう少し抵抗できただろうに。
何故あの時にはもっと――と思い起こそうとすると、記憶が霞む。あの時の記憶がハッキリとしない。
何かに干渉されているのか、という疑問が浮かぶが、面倒になったので思考は一時放棄する。
まあ、ともあれ、殺された後は何故か小鬼に転生し、生存闘争を繰り広げ、様々な出会いと別れを経験した。
生を実感する事があった。死を体験する事があった。
色々と振り返りながら、ミノ吉くんやカナ美ちゃんを始め、【存在進化】する素質が無くて小鬼で止まってしまった者も含め、同期のメンバー全員でボリボリと朝食となる芋虫を喰う。
プリプリとした身、零れる体液。
【神器】や竜肉を知った今では比べものにならないが、生まれたばかりの頃を思い起こさせる、懐かしく特別な味がした。
感慨にひたりつつ、円座している皆の顔を見る。
それぞれ何かを想いながら芋虫を喰っているようだ。
単純に芋虫を味わう者。何か決意したような者。憂いを帯びている者。遠い眼をして空を仰ぐ者。笑みを浮かべている者。実に様々だ。
同期に配布した芋虫は一鬼につき数匹程度。
すぐに無くなる量でしかないので、喰った後は皆が持つ酒杯に俺が直接鬼酒の一つを注いでいく。
量はお猪口程度。身体の大きさが違うので不公平感はあるが、鬼酒の量が少ないのだから仕方ない。ここは我慢してもらう。
そして全員の酒杯に注がれると、皆一斉に飲んだ。
芋虫を喰った時と同じく、その反応もまた様々だ。
ただ単純に美味い酒を飲める事に頬を緩める者。階級的に普段は飲む事の出来ない上等な鬼酒を飲んで感涙する者。未体験の衝撃に昇天しかける者。恍惚に身を震わせる者。
そして俺のように更に酒を飲む者などがいた。
少し離れた場所で円座に加わっていないブラ里さんやスペ星さん達が羨ましそうにコチラを見ていたが、残念、誕生祭は俺達がメインである。
今日ばかりは主役の座は譲れない。
朝からそんな一幕がありつつ、昨日のように楽しく過ごして、夕方頃。
赤く染まった世界の中で、誕生祭で最も盛り上がっている喧嘩トーナメントの決勝戦が執り行われた。
場所は≪外部訓練場≫に設置された決闘場。
とにかく頑丈さを求めて改良されているここなら全力で戦っても被害を抑える事ができるので、思い切り戦う事が可能である。
そしてトーナメントで勝ち残り、決勝でぶつかったのは陽勇と赤髪ショートだった。
組み合わせの良し悪しはあれ、実力で勝ち進んだ両者の戦いは決勝戦らしく激しく熱いものになったが、終始陽勇が優位なまま進んで行く。
両者の間に何か取り決めでもあるのか、それぞれ固有の能力は殆ど使用せず、純粋な身体能力と鍛えた戦闘技術のみで戦っていた。
肉体の性能だけでみれば、両者の間に差はあまり無い。
性別により膂力や耐久力などは陽勇の方が勝るだろうが、瞬発力や柔軟性なら赤髪ショートの方が上回るだろう。
現にゆったりと構える陽勇の周囲を高速で移動し、撹乱する戦法を赤髪ショートは選択した。
両脚だけでなく、時に両腕も使った予想し難い獣のような動きをする赤髪ショートを視界に捉え続ける事は、狭い決闘場では困難だったに違いない。
僅かにでも隙を見せれば、肉食獣のように赤髪ショートの爪牙は陽勇の首を掻き切っただろう。
しかし以前と異なり、憑き物が落ちたように変わった陽勇は無駄の無い動きで赤髪ショートの攻撃を全て防ぎ、あるいは受け流して、真正面からねじ伏せた。
誕生祭で、見事優勝したのは陽勇だった。
個人的に応援していたので今回負けたのは残念だが、それでも赤髪ショートの成長速度はミノ吉くんやカナ美ちゃん達に匹敵する程である。
最初はあんなに弱かったのに、と思わずにはいられない。
もしかしたら次回は勝つかもしれない、と期待していよう。
ともあれ、優勝者である陽勇に景品を渡し、そのまま誕生祭二日目最後の催し物を行った。
その内容は単純で、制限時間内に直径三メートル程度の円の中に居る俺に攻撃を当てる事。
つまりは、俺を標的にした的当てである。
的である俺も当然抵抗はするが、円内から動く事は出来ないので、参加者は遠距離から一斉攻撃をしてもいいし、あえて接近戦を挑んでもいい。
とにかく誰でもいいから一撃でも入れる事が出来れば、成功者には階級ボスなどから得たアイテムや、あるいはそれと同等の願いを叶えられる範囲で叶える、といった景品がもらえる。
そうして始めた最後の催しは、盛況の中幕を閉じた。
夜なのに絶え間ない騒音で大森林を騒がせながら、最後まで面白おかしく過ごす。
滅茶苦茶してきた俺達らしいと言えばらしい終わり方ではないだろうか。
ちなみに、最後の催しを最初にクリアしたのはカナ美ちゃんである。
空間を凍結させるような攻撃をされれば、流石に防ぎきれなかったのだ。
そしてカナ美ちゃんが何を求めたのか。
それはまた、機会があればという事で。
“三百六十六日目”
誕生祭、最終日。
俺は朝から何時になく活気に満ちている≪パラベラ温泉郷≫にて、ドリアーヌさんのオイルマッサージを受けていた。
隣には常連客と化している父親エルフの姿がある。
その表情は威厳などが抜け落ち、だらしなく蕩けている爺のそれである。
もう見慣れてしまったのでその何とも言えない姿に突っ込む事はしなかったが、その代わりとばかりにブチブチと愚痴を言われてしまった。
簡単に纏めると、『ここ二日間、拠点内から聞こえてくる陽気な声に興味を引かれたエルフや獣人達を諌めるのに苦労した』らしい。もし今日≪パラベラ温泉郷≫でこれまでにないイベントが行われる、と告知されていなければ、内部に入れてくれないかなどと詰め寄られていたに違いない、とも漏らす。
父親エルフは俺との関係があるだけに、陳情が多かったのだろうか。
ご愁傷様、とだけ言っておいた。
それにグヌヌ、とされたが、父親エルフがやっても絶望的なまでに似合っていない。むしろ苛立ちを覚えてしまった。
そういうのは、娘エルフなど可愛らしい子がやるべきだろう。
などはさて置き、マッサージを受けた後、俺は父親エルフと共に≪パラベラ温泉郷≫に会場を移した祭りの様子を見て回る。
笑顔を浮かべて楽しそうにしているエルフが居れば、的当てなどで負けて悔しそうにしている獣人が居たり、屋台で豚骨ラーメンみたいな料理を出している豚鬼が居るなど、色々混沌としているが皆楽しそうにしていた。
そして今日のために造ったスケルトン機構によるアトラクション――ジェットコースターモドキやメリーゴーランドモドキ――は最も賑わっている区間の一つで、行列が出来ているようだ。
スタッフとして働く団員達も楽しそうに動き回り、≪パラベラ温泉郷≫はかつて無いほどヒトで溢れているだろう。
最終日である今日は、俺達ではなく、エルフや獣人など、近隣住民をメインにした祭りとなっている。
三日間とも俺達だけでやっても良かったのだが、ご近所付き合いも大切だろう。
祭りで財布の紐が緩むのを期待している、など他にも理由はあるが、親睦を深めるのが主な理由なのは間違いない。
ただ拠点内部に入れる事はできないので、その代わりに自由に出入りできる≪パラベラ温泉郷≫を会場にした訳だが、祭りの様子を見てもそれが正解だった事が窺える。
ちなみに、拠点内部で活動しているのは、祭りで出たゴミの処理をしたり、不要になった屋台を別の場所に移動させたり、あるいは疲れからゆっくりと休養している者などが居るが、それはさて置き。
賑わう≪パラベラ温泉郷≫を回った後、用意した特別区画に移動し、父親エルフと共にエルフ酒を飲み交わした。
ツマミは飯勇が迷宮産の食材と竜肉を料理した品々を出したのだが、父親エルフは非常に気に入ったらしく、しばし無言で飲んでは食べ、食べては飲んでいた。
量はまだまだあるのでいいのだが、もう少し遠慮はないのだろうか。
なんて事を思っていると、ミノ吉くんやアス江ちゃんなども集まりだした。
次第に集まる数が増え、ちょっとした宴会のようになった。
飲み食いは別の場所でも出来るようにしているので、探せば同じような事になっている所はあるだろう。
ともあれ、楽しく酒を飲み交わした。
今日も、夜までどんちゃん騒ぎの音が大森林に響き続けた。
“三百六十七日目”
祭りの後には後片付けが待っているものだろう。
≪パラベラ温泉郷≫にはゴミを入れるゴミ箱をアチラコチラに設置しているので、ポイ捨てなどは殆ど無いので掃除は楽だ。
ただそれでも宴会などでゴミが出ていたり、屋台の片付けやら装飾の撤去など色々やる事がある。
せっかくなので、今日一日は拠点内部の全体的な大掃除を行う事にした。
団員はそれぞれ自分達が主に活動している場所や、個々の家などを重点的に掃除していく。
俺は分体を動員して家の掃除は手早く終わらせ、鍛冶師さんや錬金術師さん、姉妹さんやドリアーヌさん達のところを巡る事にした。
見た感じだと皆小まめに掃除はしているようだが、それでも取りきれない汚れがあった。
俺は黄金糸を編んで布のようにし、掃除する場所に応じて【自己体液性質操作】で酸性からアルカリ性まで調節した液体を染み込ませ、擦っていく。
すると、面白いくらい汚れがとれていった。中には中々落ちない頑固な汚れもあったものの、大半は簡単に取り除ける。
頑固な汚れは分体を使ってもいいし、錬金術師さんが作った魔法薬を使ってもいい。
色んな手法を使った清掃する事一日。
溜まった汚れや埃が取り除かれ、今日は中々いい眠りにつけそうだ。
“三百六十八日目”
【聖戦】を終え、誕生祭りを行い、溜まった汚れも洗い出した。
そうなると、次は何をしようか、と言う事になるのだが、ここはやはり未知なる食材を探索すべきではなかろうか。
というのも、この大陸では暫く大人しくしようと思っている。
聖王国や獣王国の内部で移動に便利な場所にある【神代ダンジョン】を手に入れたり、大陸の中央の辺りにある【大神】級の【神代ダンジョン】に挑んでみたい、などまだまだやりたい事はあるものの、今は少し時間を置きたいと思っている。
やはり、先の【聖戦】の影響は大きい。
そしてその中心である俺達が今、分かりやすく活動するよりも、放置した方が面白くなりそうな感じがする。
となれば、今はこの大陸で活動するよりも、別の大陸に目を向けるべきだろう。
まだ見ぬ食材は、まだ行った事の無い場所にあるのだから。
などと言っているものの、俺達にとって別の大陸に行く難度はさして高いモノではない。
普通なら武装船団によって凶悪な海洋生物を蹴散らしながらの航海になるのだが、俺達には≪アンブラッセム・パラベラム号≫がある。
巨大な船舶であると同時に【神代ダンジョン】でもある≪アンブラッセム・パラベラム号≫に襲いかかって来るモンスターなど居る筈もなく――居た所で、問題にもならないだろうが――俺達は自由な航路で別大陸に行く事が可能である。
それに≪アンブラッセム・パラベラム号≫が使えなかったとしても、俺達には以前手に入れた【魔導装甲中型船舶製造キット】によって製造された魔導装甲中型船舶が五隻もある。
魔導装甲中型船舶、改め、魔導船の大きさは全長約百六十メートル。
動力は魔力をエネルギー源とする魔導エンジンによって稼働し、魔法金属で造られた魔導装甲は海中から襲いかかって来るモンスターの攻撃を弾き返すだけの防御力がある。
また守るだけでなく迎撃するために、製造した鍛冶長ドワーフ達によって様々な武装が追加搭載されている。
代表的なモノとして、船底に設置されている【音響爆針・アクティナール】、甲板に設置されている小型の【衝撃魔砲・ブラードカノン】十二門と大型の【精霊魔砲・エメリオルカノン】三門、そして船首に備わる【螺旋衝角・ハルデスノア】がある。
その他にも投網を撃ち出す【捕獲網・スパーネス】や銛を撃ち込む【貫通銛銃・ハイラード】などもあるが、それはさて置き。
船団を組んで別大陸との交易を行っている武装船舶と同等かそれ以上の戦闘能力を保有する魔導船は、流石に【神代ダンジョン】で得た【神迷遺産】の一つとでも言えばいいだろうか。
これ等だけでも危険に満ちた大海を航海できるだろう。
そしてそんな手段があるのならば、使わない手はない。
帰ってこようと思えば【鬼哭門】で即座に帰ってこれる事もあり、今後の目標は、別大陸への進出である。
さて、また忙しくなりそうだ。
“三百六十九日目”
別大陸へと向かう為に、色々と準備が進んで行く。
と言えば聞こえはいいだろうが、【鬼哭門】があるのでそこまでする事が無かったりする。
物資は≪アンブラッセム・パラベラム号≫で用意できるし、いざとなれば拠点などに移動すればいい。
だからそれほど語る事はない。
そんな訳で、今日一日はそれぞれが任せられた仕事をこなすだけで、特に変わった事が無い。
汗水流しながら訓練して、戦い方を教えてと迫る子供達と戯れ、飯勇達の料理に舌鼓を打ち、カナ美ちゃん達と優雅な夜を楽しむ。
新しい地へ向かう前日ながら、特に変わった事もない、平和な一日である。
“三百七十日目”
普段通りに目を覚まし、朝の訓練を行い、風呂に入って汗を流した後に飯を喰い、準備を整えて【鬼哭門】の前に揃ったのは昼前の事である。
集まったのは俺を筆頭に、ミノ吉くんやカナ美ちゃんなど八鬼、オーロやアルジェントなど子供達、その他赤髪ショートなど主要メンバー数十名の一団である。
用意が済めば【鬼哭門】を潜って≪アンブラッセム・パラベラム号≫に移動した。
大海に浮かぶ≪アンブラッセム・パラベラム号≫からは、交易の盛んな港湾都市であり、同時に迷宮都市でもある≪ドゥル・ガ・ヴァライア≫を見る事が出来る。
しばらく≪ドゥル・ガ・ヴァライア≫の様子を見た所、普段以上に賑やかなのが遠くからでもよく分かった。
まるで何かのセレモニーのように、あるいは祭りのように、アチコチで客引きの声が響き、道行く人々からは笑みが零れていた。
事前に≪アンブラッセム・パラベラム号≫が近日中に出港する事を知られる汽笛を鳴らし、錨も引き上げているので、何時でも見送りできるようにそれまでの間は賑やかにしているのだろう。
世界を定期的に巡る≪アンブラッセム・パラベラム号≫が居なくなるのも、彼等にとって絶好のイベントに違いないのだろうから。
ともかく、しばらく潮風を浴びてから行動に移る。
最後の汽笛が一段と大きく鳴り響き、巨大なスクリューが徐々に回転速度を上げていく。小山のような船体がゆっくりと、しかし確実に速度は上がり、船首はゆっくりと広大な大海へと向いていく。
汽笛を聞いて、こちらの様子に気が付いたのだろう。
≪ドゥル・ガ・ヴァライア≫からは、船乗り達が無事に航海を終える事を願って、過去の高名な【吟遊詩人】レストナーレイスが作詞作曲したとされる『レソナーチェスレナ』が奏でられ始めた。
楽器の音色に混じって、野太い海の男達の声も聞こえてくる。
陽気で豪快なそれは、聞いていて心地よい。
盛大に見送られながら、いざ、まだ出会っていない美味なる食材を求めて、新大陸へ。
第四章 救聖戦線 世界の宿敵放浪編 終了
【新大陸へ エンド】
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