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【大リーグ】

ダル、メジャー復帰戦で勝った 670日ぶりの白星

2016年5月30日 紙面から

メジャー復帰となったパイレーツ戦の1回、観客の拍手と歓声の中、マウンドへ向かうダルビッシュ=アーリントンで(共同)

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◇レンジャーズ5−2パイレーツ

 【アーリントン(米テキサス州)穐村賢】大リーグは28日、各地で行われ、レンジャーズのダルビッシュ有投手(29)は当地でのパイレーツ戦に先発。昨年3月の右肘手術からの復帰登板で5イニング3安打1失点、7奪三振と好投し、2014年7月28日以来、670日ぶりのメジャー白星を挙げた。ドジャースの前田健太投手(28)はメッツ戦に先発し、5イニング2安打無失点で4勝目(3敗)をマーク。マリナーズの青木宣親外野手(34)は、ツインズ戦で今季1号の先頭打者アーチを放つなど4打数2安打、2打点だった。

 2014年8月9日以来、658日ぶりに上がったメジャーのマウンド。実戦復帰を果たした今月1日のリハビリ登板では「肘がぶっ飛ばないかなと思いながら投げた」と冗談交じりに話したダルビッシュだったが、この日は“戦闘モード”に入ったメジャーリーガーの顔になっていた。

 ダルビッシュ見たさに今季3番目に多い4万6950人の観客が詰め掛けた本拠地。球場にダルビッシュの名前がコールされると、大歓声が起こったが、「ちょっと力は入りましたけど、緊張はなかった。リハビリ登板と変わらず落ち着いてた」。先頭打者を迎えても「感慨にふけってる余裕はなかった。1番のジェイソをどうやって打ち取ればいいかって、数日考えたくらいだから」と、一切の高揚を感じず94マイル(約151キロ)の直球を投げ込んだ。

 初回にはジェイソに中前打を打たれ、野手の失策が絡んで2死三塁のピンチ。しかし、4番フリースにはこの日最速の98マイル(約158キロ)の直球を投じるなど、三ゴロに打ち取って無失点に抑えた。

 全米中継が入るなど多くの注目を集めたマウンドにも、剛速球と切れ味鋭い変化球で打者を圧倒する姿は手術前のまま。5イニングで81球を投げ、7つの三振を奪った。「球速も出てて、いい球が投げられてた。(パ軍打線の)タイミングが合ってなかったんで、通用するなと思った」と確かな手応えを口にした。

 昨年3月の手術からリハビリに要した期間は約14カ月。「苦しい時期は、強がりではなくなかった。そういう性格だから」。フィジカルトレーニングに明け暮れ、昨季よりも体重を6キロ増やすなど、明確な目標を持って体づくりに励んだ。

 その努力も実り、エース復活を印象づけるような内容でつかんだ1年10カ月ぶりの勝利。自身に厳しく、探求心の塊のような右腕は「まだ1試合。シーズンを通してどのくらい投げれるかっていうのが重要。今日だけで自分のことを評価することはない」。周囲の喧騒(けんそう)に振り回されることなく、冷静な表情を崩すことはなかった。

 

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