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 広島市の平和記念公園の「原爆の子の像」のモデルになった少女、佐々木禎子(さだこ)さんの遺族と、原爆投下を決めたトルーマン元米大統領の孫らが米国でNPOを立ち上げる。両国の人々が互いの歴史への理解を深め、未来の平和につなげるために活動する。米ロサンゼルスを訪れている遺族らが28日、明らかにした。

 禎子さんは2歳で被爆。白血病を発症したが、鶴を千羽折ると願いがかなうと信じて病床で1300羽以上を折り続けた。一部は広島平和記念資料館に展示され、オバマ米大統領も27日、見学し、自ら折った4羽の折り鶴を寄贈した。

 NPOはロサンゼルスを拠点に、禎子さんの兄雅弘さん(74)=福岡県在住=と雅弘さんの次男の祐滋(ゆうじ)さん(45)=東京都在住=、トルーマン元大統領の孫、クリフトン・トルーマン・ダニエルさん(58)らが年内に設立する。

 折り鶴の物語を通して、平和への願いを、雅弘さんやダニエルさんが講演などで伝えるほか、日本の学生や教育者を米国に招き、米国の学生らと討論するイベントなどを開いていく。