今や小学生がスマートフォンを使うことは珍しくなくなった。MMD研究所が2015年8月に実施した調査によると、小学校高学年の携帯電話端末所有率は約4割だという。スマートフォンは子供にとっても便利なツールである一方、一歩間違えるとトラブルや犯罪に巻き込まれる危険性をはらんでいる。本来なら全ての家庭で、親が子供にスマートフォンの正しい使い方を教えることが望ましいが、特にスマートフォンは従来のフィーチャーフォンと違ってサービスが多岐にわたるため、親にも相応の知識が求められる。
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そこで注目したいのが、通信キャリアの取り組みだ。NTTドコモは、スマートフォンや携帯電話を安全に使うための方法をレクチャーする「スマホ・ケータイ安全教室」(以下、安全教室)を、2004年7月から開催している(当初は「ケータイ安全教室」)。安全教室は、2015年3月末までに約4万8000回、約704万人(2015年3月末時点)が受講しており、2014年度は約7000回、約103万人が受講した。
安全教室は、主に小学校高学年を対象にした「入門編」、主に中高生を対象にした「応用編」を多く実施しており、他に「保護者・教員編」「特別支援学校編」「シニア編」も用意している。今回は2月23日に東京都の足立区立梅島第二小学校の6年生を対象に実施した入門編を見学してきたので、その様子をお伝えしたい。
●スマートフォンで何ができるのか
入門編では、「スマートフォンでできること」「インターネットを介してさまざまな世界とつながれること」をまずは解説し、インターネット上で起こりうるトラブルを防ぐために気を付けること、友達とのコミュニケーションで気を付けることなどに話を広げる。小学生向けということで、初歩的な内容が中心だが、大人も留意すべき重要な事柄だ。
今回、講師を務めた、NTTドコモのスマホ・ケータイ安全教室 インストラクターの高橋純子さんが、まず「スマートフォンを使ったことがある人」と児童たちに問いかけると、ほぼ全ての児童が手を挙げていた。自分が持っているのか、家族や友達から借りたのかは分からないが、今どきの小学生はスマホに触れるのが当たり前のようだ。スマホの用途は「メール、電卓、音楽を聴くこと」などが挙がった。
スマートフォンはインターネットにつながり、PCサイトを見る、メールを送受信する、動画を見る、ゲームをする、音楽を聴くといったことができる。そしてインターネットではSNS(FacebookやTwitter)、コミュニケーションアプリ(LINEやカカオトーク)を使ってコミュニケーションを図れる――ということを順を追って説明。その際の注意点として、高橋さんは「見ているのは友達だけではないこと」「一度載せた情報はコピーされる恐れがあること」「発信した情報が本当かどうかが分からないこと」を挙げて注意を促した。
●発信した情報がもとで犯罪に巻き込まれる危険性も
続いて、高橋さんはインターネット(SNS)で情報を発信する際に気を付けるべきことを、例を挙げながら説明する。例えばバス停や学校の前にいる、名札を付けた小学生3人の写真をSNSにアップした場合、バス停や学校名から場所が特定されるし、名札や顔からは個人が特定される。このように“個人情報”が漏れることで、それを見た人に学校で待ち伏せをされて連れ去れてしまうといったリスクが生じる。高橋さんは、個人情報や、それにつながる情報は公開しないことを強く説明した。
顔の見えない人とやりとりをすることも注意が必要と高橋さんは続ける。例えばインターネット上で知り合った小学生だという女の子は、実際は大人の男性がなりすましている可能性もある。「知り合った人は、名前も年齢も顔も本当のことを言っているとは限らないので、簡単に信用しないようにしましょう」(高橋さん)
また、子供を標的としたトラブルの例として、ネット上で知り合った女の子が実は大人の男性で、「会わないとメールで話した失恋の話を学校中に言いふらす」と脅される事例や、ゲームサイトで知り合った人からアニメイベントに誘われたので、行ってみたら、怖そうな人に取り囲まれてお金を取られてしまう事例を紹介した。
●友人関係を悪化させないための配慮も必要
ここまでは犯罪につながるトラブルの紹介だったが、スマートフォンでは身近な友達とのトラブルも起こりやすい。例えば「週末何をする?」とメールで友達に聞かれて「なんでもいい」と答えたとする。これだけだと気持ちが伝わりにくく、不機嫌そうな印象を与えることもあるので、「○○ちゃんとなら、何をしても楽しいから、何でもいいよ」と分かるように気持ちを伝えることが大切だと高橋さんは説明する。
また、LINEの「既読スルー」からいじめに発展したという話もよく聞くが、「すぐに返信を求めないこと」「(返信できない)相手の事情を想像すること」「返信が来ないからといって、相手を傷つけないこと」も重要だと高橋さんは続ける。
高橋さんは最後に、家族とフィルタリングについて話し合うこと、スマートフォンの使いすぎで体調に支障を来すことがあるため、使いすぎないようルールを決めることを「宿題」にした。
●小学生でもLINEは当たり前
安全教室は45分で、通常授業の1コマを使って行われた。参加した児童の中には、ちらちらと時計を気にする子もいたが、みんなおおむね集中して聞いていた印象だ。講師の高橋さんも一方的に説明するのではなく、逐一、児童たちに質問をして考える時間を与えて発表してもらうなど、児童が参加できる雰囲気作りを演出していた。
参加した児童(2人)や担任の先生にも話をうかがった。児童が2人ともスマートフォンに「iPhone 6s」を使っているというのには少々驚いた。今どきの小学生が最新のiPhoneを使うのは、もはや当たり前のようだ。安全教室の感想は「(スマホの)トラブルは知っていたけど、もっとちゃんと見直そうと思いました」とのことで、参考になったようだ。
スマートフォンは高学年から使い始める子が多いようで、連絡はもっぱらLINE。「宿題を教え合う」「連絡帳に書かれていないことを後で聞ける」など、小学生らしいメリットも教えてくれた。話を聞いた1人の子は、両親とはロック解除用のパスワードを共有しており、親が自由にフィルタリングなどの設定をできるようにしているそうだ。
家庭内のルールはさまざまだろうが、もう1人の子は「スマートフォンは19時まで」と決めているそうだ。こうしたルールが統一されれば(全ての家庭では難しいだろうが)、19時以降はLINEの返事がなくても悪く思わず、コミュニケーションのプレッシャーからもある程度開放されるのではないだろうか。
担任の先生いわく、「情報モラルの話は5年生くらいから教えていた」にもかかわらず、「勝手に悪口を書き込む」など、実際に児童間でLINEのトラブルが起きていたそうで、今回の安全教室を申し込むことになった。こうしたレクチャーは繰り返しやっていかないと、子供たちにも定着しないのだろう。
安全教室で使用している教材は、ドコモのサイトからPDFファイルをダウンロードできるので、お子さんにスマートフォンを持たせている方は、ぜひ家庭でもこの教材をもとに、スマートフォンを安全に使う方法を話し合ってほしい。
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