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オバマ広島訪問、米国内はどう受け止めたのか

2016年5月30日(月)

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被爆者の人をハグするオバマ大統領(写真:AP/アフロ)

米国のバラク・オバマ大統領が来日しました。被爆者を含めた日本国民の多くは同大統領の広島訪問、原爆資料館見学、慰霊碑前での演説の“3点セット”を高く評価しています。米国の反応はどうですか(オバマ演説の英文全文はこちら)。

高濱 3人の米識者に聞いてみました。彼らが付けたスコアはA+~B+(最高点はA+、最低点はC-)でした。

●リベラル派:ダスティン・ライト博士、カリフォルニア大学サンタバーバラ校歴史学部

 オバマ大統領によるこれまでの演説の中で最も重要な演説として記憶されるだろう。とくに原爆で命を奪われた日本人はもとより、韓国人、米兵ら戦争捕虜の人たちに触れたのも非常によかった。

 加えて、何に言及しなかったかも重要だ。原爆投下によって戦争終結が早まり、あれ以上多くの米兵や日本人が戦争の犠牲にならなかった――という点に触れなかった。これは、原爆投下正当論の修正につながる可能性がある。少なくとも、従来からの論議に一石を投じたことは間違いない。(採点はA+)

●穏健保守派:米主要シンクタンクの上級研究員(匿名希望)

 オバマ大統領は就任する前から広島を訪問したいと希望してきた。2009年のプラハ演説で謳い上げた『核なき世界』に向けた決意を広島で再び発信したいという願望を実現した勇気は見上げたものだ。レガシー(遺産)作りの一環だと批判されようと、お構いなしにやってのけた。

 共和党の大統領候補への指名を確実にした不動産王ドナルド・トランプ氏の品位も哲学もないアジ演説を聞くにつけ、オバマ大統領の言動は米国人にとって一服の清涼剤となる。世界に誇れるものだ。これだけの知性と見識を持った大統領はなかなかいない。

 ただ核兵器廃絶についての具体的な青写真が提示できなかったのは残念だ。(採点はA-)

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「オバマ広島訪問、米国内はどう受け止めたのか」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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