歴史民俗史料700点誤廃棄 木城町教委 [宮崎県]
宮崎県木城町教育委員会は、町教委が所有・管理する歴史民俗史料のうち、700点余りを誤廃棄していたと明らかにした。史料の保管所があった旧中央公民館を取り壊した際、職員が知識不足などで廃棄したという。中には町民の寄託や寄贈史料も含まれており、一部の寄託者からは返還を求められている。
町教委によると、1996年に作成された台帳には、弥生時代の土器から近世の農機具まで757点の史料が記載されているが、現在保管しているのは、このうちの50点。残る700点余りは96年以降の台帳がないため所在不明で、町教委は聞き取り調査の結果、2009年に旧中央公民館を解体した際、職員が不要と判断して廃棄したとみている。国や県、町の指定文化財は含まれていない。
寄託者の遺族が14年、史料の返還を求めたため確認したところ、誤廃棄が発覚した。昨年7月から、有識者による第三者委員会が当時の関係者への聞き取りなどで経緯を調べており、6月に報告書を出す。中井諒二教育課長は「町の歩みが分かる史料の廃棄は申し訳なく、第三者委の調査結果を待って、責任の所在や賠償の在り方といった対応を決めたい」と話している。
=2016/05/28付 西日本新聞朝刊=