日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい！WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー！
今回紹介するのは、『アイ先生はわからない』
『アイ先生はわからない』第1巻
児玉潤 講談社 ￥620+税
（2016年4月15日発売）
男女交際など夢のまた夢、友人とつるむ日常ですら難しいぼっち男子高校生・月成春生。
リア充の同級生を見ては「彼女いるヤツ全員死ね」などとSNSでつぶやくばかりの春生の前に、突如学校一の美人教師が降臨！
彼女・入間アイは、いつも夏目漱石やら太宰治やらが描く純文学の恋愛物語を片手に悩める国語教師。そして彼女は言う。
「私にはわからないのだ。人を愛するということがわからない」
美人にして武術に長けた凶悪きわまりないアイ先生は、自らの主宰する愛の実験場「疑似恋愛クラブ」に春生を引きずりこみ、人が人に恋をし、本当の愛をつかむまでを観察し、理解したいと考える……。
その部員第一号として選ばれた春生には、毎度容赦のないミッションが与えられる。
「今日中にクラスメイトの女子の手を握れ」
「私を壊せ」
「隣のクラスの女子と恋愛しろ」
「彼女の本性を引きずり出せ」etc、etc……。
さえないコミュ障童貞男子が、卑屈に、そして果敢に恋愛道を切り開いていく姿は、無様といえば無様、でも、カッコイイといえばカッコイイ（と言えなくもないかも……汗）。
＜文・藤咲茂（東京03製作）＞
美酒佳肴、マンガ、ガンダム、日本国と陸海空自衛隊をこよなく愛し、なんとなくそれらをメシのタネにふらふらと生きる編集ライター。