「「沖縄の基地は、核再持ち込みについて『スタンバイ』の状態です」春名幹男氏インタビュー:岩上安身氏」
憲法・軍備・安全保障
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5月26日(木)「岩上安身による国際ジャーナリスト・春名幹男氏インタビュー第3弾」の模様を実況します。
春名氏の新刊『仮面の日米同盟』の他、直近の報道に関してお話をお聞きします。
岩上「5月19日、沖縄県警が米軍属の男を死体遺棄事件で逮捕しました」
春名氏「軍属は地位協定の対象です。1995年の事件の後、普天間飛行場の返還が決まりました。しかし、21年経った今も返還が行われていません」
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春名氏「安倍総理とオバマ大統領が記者会見し、効果的な措置をとるといいますが、非常に空虚です。地位協定の見直しも安倍総理は躊躇しています。地位協定の運用改善程度では、抑止効果はありません」
春名氏「在日米軍は、日本を守るためではなく、日本から出撃するためにこそ、日本に駐留しているのです」
岩上「新刊『仮面の日米同盟』では、米国には日本を守る気はないことを明らかにされていますね」
岩上「今回の事件に関連して、島尻安伊子沖縄担当相は日米地位協定改定に踏み込んで言及しました。選挙前のリップサービスではないかと思われますが」
春名氏「明らかに、参院選を前にした発言だと思います」
岩上「夏の参院選で自民党から立候補する今井絵理子氏も、具体的なことは何も言えていません」
春名氏「どの文書のどこの部分を変えるのか、具体的に考えることが必要だと思います」
岩上「今回の事件に関する反応として捨て置けないのは、橋下徹氏の反応です。かつて『性風俗の活用』を提言したが『撤回しなきゃよかった』と」
春名氏「議論の対象にならないですね。弁護士である橋下氏が言うこと自体が問題です」
岩上「まず、前回の振り返りをしたいと思います。アレクシス・ジョンソン国務次官のメモによると『在日米軍は日本本土を防衛するために駐留しているわけではなく、韓国、台湾、および東南アジアの戦略的防衛のために駐留してい』とあります」
春名氏「日本は工業的に技術が進んでいるため、米軍機が故障してもすぐに修理ができます。また、地政学的にも便利であることから、兵站になる、ということです。また米側としては、日本側の依存心を利用するということでもあります」
岩上「STAP細胞の小保方氏はさんざんバッシングされましたが、ハーバード大学が特許出願をしました」
春名氏「小保方さんの件は、本当にハーバードに行ったかどうかという疑問があります。バカンティ氏は本当のハーバード大学の教授ではありません」
岩上「沖縄返還の問題に、話を進めたいと思います。キッシンジャーは回想録で『基地を失う怖れがあった』と」
春名氏「米政府は一貫して、日本で穏健保守の政府を育てることを方針としていました。佐藤栄作政権が倒れると、反米政権が成立すると危惧していました」
春名氏「1969年1月20日にニクソン大統領が就任しましたが、すぐその翌日、沖縄返還の検討を指示しています。米国は草の根の市民運動に非常に敏感です。CIAは、核兵器をアジアで使用すれば、日本の反核運動は高まりを見せるだろうと分析しました」
春名氏「佐藤栄作総理が沖縄返還の条件としたのは『核抜き本土並み』でした。米側としては、核兵器撤去を交渉の最後まで態度を明らかにせず、基地使用の自由を確保しようとしました。裏では若泉敬を利用した密約締結を行いました」
春名氏「外務省は調査の結果『密約ではない』と結論づけました。文書は佐藤家の私文書の扱いです。しかし米側は、公的に決定した文書とされています」
岩上「これは、大変なことですよね」
春名氏「佐藤総理のやったことを『全く知らない』で済むのか。この密約は、沖縄が返還されたことと深く関わっています。問題なのは、外務省が別の密約文書の文案を用意していた、ということです。外務官僚は今でも佐藤総理の密約に憤激しているんだと思います」
岩上「春名さんが岩波書店の雑誌『世界』6月号に新しいスクープを発表しました」
春名氏「沖縄の基地は、核再持ち込みについて『スタンバイ』の状態です」
春名氏「核密約について、米国はこれまで表には出してきませんでした。しかし昨年、『米国は(核)兵器を撤去するが、危機の際にはそれらを再持ち込みする権利を維持した』ということが公開文書で明記されました」
春名氏「なぜ、今回の文書が核密約に触れたのかというと、東アジアで緊張が高まっているため、米側が核再持ち込みの権利を改めて主張している、ということだと思います」
岩上「米大統領選はどうみていますか」
春名氏「世論調査はあてになりません。一番のポイントは9月、10月に行われる3回のテレビ討論です。ここで、トランプ氏は討論にならない可能性があります」
岩上「トランプ氏が日本に核保有を持ちかけていますが」
春名氏「彼は何も知りませんので。日本人は核保有を望んでいませんので。余計なことは言わないでほしいと思います。横畠内閣法制局長官の答弁は非常に馬鹿馬鹿しいものです」
以上で「岩上安身による春名幹男氏インタビュー第3弾」
の実況を終了します。ご視聴いただきまして、ありがとうございました。動画アーカイブは準備が整い次第、IWJのホームページ(
http://iwj.co.jp/ )に掲載します。
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