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伊勢志摩サミット特需 夕食会で提供の日本酒「1日で1年分完売」

スポニチアネックス 5月29日(日)7時1分配信

 伊勢志摩サミットで先進7カ国(G7)の首脳たちの食事会で出されたり、プレゼントされたりした酒類や工芸品がインターネットで公表された途端、注文や問い合わせが殺到していることが28日、分かった。蔵元では「1日で1年分が完売状態」とうれしい悲鳴を上げるなど、サミット効果を実感していた。

【写真】キャメロン英首相ら伊勢志摩サミットの首脳が着けた養殖真珠を用いたラペルピン

 26日の夕食会で乾杯酒に選ばれたのが、大田酒造(三重県伊賀市)の「半蔵 純米大吟醸」。同日夜に外務省がホームページ(HP)で紹介した直後から、電話やメールが殺到。自社のHPもつながりにくい状態となった。

 外務省が紹介した「サミットで提供された飲料・軽食」の日本酒リストには38社48種類を掲載しており「半蔵――」は、その中の一つ。当日の夕食会のメニュー「伊勢海老(エビ)ソテー」や「松阪牛ヒレ肉」などに合わせ、シェフが乾杯酒として選んだものとみられる。地元の伊賀流忍者・服部半蔵にちなみ名付けられた「半蔵――」は辛口で口に含むとフルーティーで、上品な香りが広がるのが特長だという。

 大田酒造によると、関係部署からの事前連絡はなく、公開されたメニューを見て、初めて自分たちの酒が提供されたことを知った。担当者は「1日で1年分相当が完売した印象」と話し、現在は販売を中止。同酒造では1年間で一升瓶(税別1万円)を240本、720ミリリットル(同5000円)を約900本を製造販売しているが、完売した期間は創業124年目で最速となったという。酒造の大田智洋(ちひろ)さんは「サミット特需?いえいえ、それ以上の効果です」とニンマリ。

 一方、各国首脳のジャケットなどにつけられた真珠の胸飾り「ラペルピン」は、三重県真珠振興協議会が企画・製作。縦3センチ、横2センチで、18金の楕円(だえん)形の枠に3~5ミリの真珠が7個ちりばめられた。真珠は主会場となった賢島のある英虞(あご)湾産アコヤ真珠の最上級品。同協議会には、問い合わせ数十件が寄せられた。

 デザインを手掛けた会社が同型の商品の予約を受け付けており、枠が18金のものは14万円、シルバーのものは2万5000円という。

 各国首脳にプレゼントされた万年筆には、熊本県の伝統工芸「肥後象がん」でサクラとイチョウの模様が施されている。値段は3万円(税抜き)。製造元の「プラチナ万年筆」には問い合わせが相次ぎ、職人の手仕事で製造には3カ月かかるため「どう対応すればいいのか」と担当者は頭を抱えていた。

最終更新:5月29日(日)8時42分

スポニチアネックス

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