伊勢志摩サミットは事件が起こることもなく終了することができ、オバマ大統領による広島訪問も無事終えることはできた。
今回の大統領による広島訪問が決定した際に我々や米国関係者が懸念したことがある。 それは広島の原爆投下に関して謝罪を行うのではないかという憶測であった。 そもそも原爆投下の要因となった根源は日本の真珠湾攻撃からはじまっていることもあり、このことに関して仮に謝罪しなければならないのがいるとし、それが誰かと問われれば当時の日本にある。 しかし、70年が経過した現在となってはその関係者のほとんどは既に存世していないこともあり、現在の日本側でももはや謝罪する必要性もまた皆無となっているのだ。 実際の訪問においては、懸念通りのことが行われることはなく、彼らはこれからの世界において核なき世界を実現するための表明が宣言された。 現大統領が任期を終えようとする間近で実行に移された歴史的な出来事。 もちろん任期が終える間近でなければ米国の世論のこともありオバマ大統領はこういった行動は起こせなかっただろう。 大統領が変わればこの宣言通りに動くかどうかは不透明であるが、少なくとも核保有国、または保有しようとする国家の中では保有をやめさせなければならない国家もある。一例をあげれば北朝鮮などである。 自動車が、運転する者によっては便利なものになり、一方で凶器になるのと同じように、「核」あるいは「原子力エネルギー」もまた管理できる国家にのみ保有を許されるようにすべきであることは言うまでもなく、米国、ヨーロッパの国々などにおいてはむしろ核の保有は非常時の「保険」として保有させることが望ましい。 世界情勢としては今でも中東においてはISISなどをはじめ、多くのテロリスト集団の脅威がある。彼らに屈さないためには彼らにとっては脅威のある対策を備えなければならないからだ。 よって、真に「核なき世界」を実現するためには少なくとも世界で脅威のあるテロなどの存在を完全になくす必要があり、そのためにはそれまでは世界でリーダーとなり、そして管理できうる国家が集団的自衛のための保有はある程度をやむを得ないことを考慮しなければならない皮肉な現状があることも決して忘れてはならぬのだ。 そして「核なき世界」へは、何世代、何世紀もの膨大な時間を費やすことになる。 その姿勢を維持するには、これから生まれるであろう後世の者たちにも引き継ぐ義務があることも忘れてはならぬ。 |
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