初めて言われた、好きだって――
こんにちは、氷太よ。
今日は桂小町先生の
「ROUGE」
を頂いていくわね。
アタシずっと「ローグ」って読むと思ってた。
恋を奪い合うお話だとてっきり・・・。
「ルージュ」と読むのね。口紅。
いやー、鳥肌の立つ作品でござったよ。
万人受けするタイプの漫画ね。
表題作はヤンキーモノのお話。
もう1つ含まれる短編はホモとお坊さんのお話よ。
どっちもびしょ濡れになるくらいよかったでごじゃるけど、とりあえず表題作「ROUGE」の解説をしていくわね。
あらすじ
血に濡れた唇がまるでルージュのようで――。
転校生の長門は腕っぷしが強くて曲がったことが大嫌い。
学校で会った美人な藍を女だと思いこんだ長門は、藍に殴られ気絶させられてしまう。
それ以来、藍のことが気になる長門だったが、お前には興味ないと藍は言い放つ。
学校を仕切る派閥のトップの男しか見ていない藍には忌まわしい噂があって――?
こんな感じね。
ここだけを見ると、物語の設定自体はありがちな部類に見えてしまうわね。
深層に全く触れてない紹介文だわ・・・。
ここを始まりとして、長門の揺らぎのない意思が生み出す言葉や行動によって、変われないけれども変わりたいと願う藍の様子が主に描かれていく事になるわよ。
登場人物
長門(表紙右)
真っ直ぐ曲がった事が嫌いな転校生。
強さが本物だが、女子と間違い藍に不意打ちされ負けてしまう。
有言実行、そこに痺れる憧れるぅ!!
藍(表紙左)
女子と見紛う美貌を持つ長戸の同級生。
とある出来事により、学校の頭に心酔する事になる。
後半はもう完璧に女子になります。31アイスクリーム食ってそうです。
感想
ストーリー・キャラクター
先ほども言ったように物語自体が持つ設定の奥行きは浅い・・・。
はずなんだけど、ここを余り余った心理描写で立体的に魅せるという工夫をしているので、「ドラマ」のようなクオリティに仕上がっている。
全く変わらない人間が生み出す言葉に、変われない人間が変わろうと願うのよね。
ヤンキー物ってある意味王道で、進むべき道筋というのが決定付けられているようなジャンルだから男目線では色々不足しているものが見受けられるし、結末を迎えるまでに陳腐だなと思ってしまう事が多くて苦手ではあったんだけど、この作品はそんな事はなかったわね。
個人的な見所としては、物語終盤とキーアイテム「口紅」を捨て去るシーンかしらね・・。
特に、口紅の方ね。
ここの部分、ワザとコマ送りのように演出し2人に潜んでいる様々な感情をじっくりと表現してるの。
ここ凄い鳥肌立っちゃったわ。
絵
めっちゃ上手。
後述するけど、ある1つの要素を除けば全体的にレベルが高い。
う~ん・・・表紙で損してないかしらコレ・・・。
中身に比べて表紙のクオリティが低いような。
普通逆じゃないかしら・・・。
中身が上手なんだからもっと表紙は訴求効果を持つように描けると思うの。
ちょっと惜しい作品になっちゃってるわね。
発展
本編ではフレンチ。
描きおろしの方であるけど、量や密度は並。
それでも2人の世界観に凄くマッチしているけども。
目立った短所
ただ単純にヤンキー要素のみを抽出した場合、以下のような荒い部分がある。
まず、アクションシーンに躍動が感じられない。
定点的な描写なのよね。
「そんな動きじゃハエが止まるぜ・・・?」みたいな。
ここがちょっと残念。
あとはちょっとネタバレになるけど、藍がヤンキーに後ろから角材で殴られる部分。
いやいや・・・「ペッ」って口から血を吐く程度じゃ済まないから。
っていうか何で口から血が出るのよ?
アナタが殴られたのは後頭部よ!?
っていう部分かな。
アタシは、シリアスシーンなのに笑っちゃったわ。
まあコレはどうでも良いわね。
最後に全体的に白いってところ。
作りこまれているコマと真っ白な背景のコマの差が結構あるかな。
感想
ヤンキーモノが好きな人は読むべし!
男にもオススメ。っていうか腐堕ちさせるにもオススメ。
まさに万人受けする漫画と言っても過言じゃないわ!