どうも、Toshiroです。いつもお読みいただきありがとうございます。今回はルドンの作品を紹介します。
オディロン・ルドン
オディロン・ルドン(1840‐1916年)はフランスを代表する象徴主義の画家です。幻想的、神秘的な表現が特徴的で、独特な色彩表現には見る者に強烈な印象を与えます。
1840年フランス、ボルドーの裕福な家庭に生まれます。しかし生まれてすぐに里子に出されます。少年時代まで田舎の寂しい土地で親元を離れ生活しました。体は弱く内向的な子どもでした。
子どものころから絵が好きでしたが、親の意向により建築家を目指します。翌年にエコール・デ・ボザール(国立美術学校)の建築家を受験しますが失敗。一時歴史画家、彫刻家のアトリエに入りますが、アカデミックな教育に耐えられず反発します。故郷ボルドーに帰郷し、地元の画家に学びました。またこの頃までにカミーユ・コロー、ドラクロワなどから影響を受けていました。1868年には油彩画でサロンに入選しています。
1870年に普仏戦争のために従軍しますが、病気のため軍から離れます。1879年には初めての石板画集『夢の中で』を刊行しました。翌年には結婚、以後多くの作品を手がけました。1886年、長男ジャンが生まれるも6か月で死去、大きなショックを受けます。89年には次男アリが生まれ、ジャンの死もあり、かつてないほどの幸福を感じました。
その後は作品が国家に買い取られたり、画廊で活躍したりと活動の場をどんどん広げます。ルドン初期の作品は暗い絵が多かったのですが、晩年には色彩豊かな絵画へと変わっていきました。
作品紹介
眼 気球
何もない荒野の上に浮かぶ気球は、上空を眺めるような強大な眼で表現されています。少年期のルドンは眼で見ることが非常に重要であると考えていました。また全体的に暗い印象のある作品ですが、少年期のルドンが経験した孤独などの精神性が反映されているようです。
不思議な花
子どもの顔を持った花が荒れた土地に咲いています。その花の茎は弱弱しい、今にも折れてしまいそうなくらいに細く描かれています。子供らしさを感じられないその表情からはルドンが経験した孤独や不安といったものが感じられます。
眼を閉じて
長男ジャンが他界し、その3年後次男アリが生まれた翌年に描かれた作品です。本作以前のルドンの作品は先ほど紹介した作品のように、暗い、虚無感を表したものがほとんどでしたが、本作では色彩が豊かになり、見る者に安心感を与えるような、温かみのある作風になっています。また少年期から重要と考えていた眼も本作では閉じられています。孤独や不安といったものから解放されたかのように眼を閉じる女性の表情には優しさや安心感を表しているかのよう。
ベアトリーチェ
『神曲』の著者であるダンテが愛した女性ベアトリーチェを描いた作品です。ベアトリーチェはフィレンツェの名家ポルティナリ家のファルコの娘。ダンテの愛を拒絶し裕福な銀行家と結婚するのですが、24歳の若さで死去。ダンテはベアトリーチェを永遠の淑女として認め、創作の原動力ともなりました。
オアンネス
ギュスターヴ・フローベールの小説『聖アントワーヌの誘惑』に登場するカルデア神オアンネスを主題とした作品です。ルドンにとってオアンネスは重要なテーマだったらしく、初期の暗い作品を描いていた時から、このテーマを扱った作品を多々制作しています。オアンネスの眼は閉じられており、瞑想をしているかのよう。ルドンの作り出す独特の世界観は見る者に強烈な印象を与えています。
スライドショーもあるので良かった見てください。
本日もお読みいただきありがとうございました。
Toshiroでした。それでは、また。
追伸
現在10,000点以上もの世界の名画を公開中です。ルドンの作品も100点以上公開しています。より絵画作品を楽しみたい方はぜひご利用ください。詳しくはこちら