Amazon Kindleストアで大きめのセールが始まっておりました。
上位のラインナップを見て、気になっていた小説のみをポチり、他はスルーしてもいいかなーと当初は考えていたのですが、もうちょい探してみると、思いのほか良い感じの実用書もちらほら。
過去にブログで紹介した本も何冊かセール対象になっていたので、自分が気になる本とあわせて、ざっくりとまとめてみました。よかったら参考にどぞー。
既読のおすすめ本(読み途中の本を含む)
世界を変えた10冊の本
池上彰さんによる、「世界を変えた10冊」のブックガイド。本書で挙げられている本は主に経済・社会・宗教と、いずれも現代の「常識」を整理・再考するような選書となっている。
キリスト教とイスラム教の衝突や、今も世界情勢を大きく動かし続けている思想体系などを概説している点から、「2010年代に読むべき10冊」とも言い換えられるかもしれない。全く関係がないように見えて、実は明確につながっている「世界」の問題を俯瞰するという話題の広さの割に、中学生くらいからでも読めそうな、敷居の低い1冊という印象も受けました。【感想記事】
新しい文章力の教室
創作、論文、ビジネス文書、ネットなど、一口に「文章」と言っても多岐にわたる今、「文章力」を一冊の本で取り扱うのは無理があると思っていた。そんな諦観を見事にぶち壊してくれた本。
冒頭で「良い文章とは完読される文章である」と断言することで、それを共通の目標にさまざまな文章に応用できる「書き方」を提案している。それも本書は「上手な文章を書くようにはこのような方法をとる」ではなく、「完読される文章を書くためにはこういった書き方をしない」という書き口なので、自分で試行錯誤しながら文章力を伸ばしたい人に勧めやすい。【感想記事】
なるほどデザイン
「デザイン」の“デ”の字もわからない自分が、少しでも勉強するべく読んだ入門書。サブタイトルに“目で見て楽しむ”と挿入されているとおり、図解・イラスト・写真が多用されていて、非常に読みやすかった。
各項目で具体的な例示と比較、何が良くて、何が悪いかがしっかりと説明されているため、それこそ「なるほど!」と頷きながら読み進めることができる。とにかく間口が広く、「デザイン」に対する関心を間違いなく強めてくれるだろう一冊。おすすめです。【感想記事】
必ず結果がでるブログ運営テクニック100
「ネタフル」のコグレマサトさんと、「和洋風KAI」のするぷさん、2人の人気ブロガーによる、初心者向けブログ指南書。2012年発売ということもあり、一部では情報が古く感じられるかもしれませんが、いま読んでも為になるハウツー本。
基本的な考え方から細かなテクニックまで幅広く網羅しているため、最初に読む“ブログ本”としてもおすすめ。具体的なサービス名もいくつかの選択肢と一緒に挙げられているため、自分に合いそうなサービスを選んで取り組むことができるのもありがたい。まずは、ここから。
ブログ飯
前述のテクニック本と比較すると、こちらは「収益化」に焦点を当てた一冊。小手先のテクニックや方法論でなく、「ブログで飯を食う」に当たっての大前提となる考え方を示した内容。筆者の熱量も感じられる書き口で、読み物としても純粋におもしろかった。
特に、序盤に“「鵜呑みにしない」事”を挙げ、本文中では読者視点の大切さ、ファン獲得の考え方を詳細に書いている点が印象的。そういった細やかな視点から、本書それ自体も、「読者」のことを強く考えて論じられた内容であるように感じました。【感想記事】
ナリワイをつくる
普段の生活の中から仕事を生み出し働くための、「ナリワイ」という価値観を提供してくれる本。「ナリワイ」という在り方を積極的に薦めてはいるが、どちらかと言えば、「本当にそれでいいの?」といった風の、示唆に富んでいるように感じました。
会社に属してひとつの仕事を続けることのリスクや、起業時の「常識」など、一般的には「当たり前」だと考えられてきたことに対して疑問を投げかける部分も。『ニートの歩き方』『ノマドと社畜』などと同じく、それまでの仕事観の「当たり前」とは異なる可能性を示しており、特に20代前半の若者にとって有意義な内容であると思う。【感想記事】
フルサトをつくる
タイトルの印象とは異なり、本書は最近流行りの「田舎暮らしをしよう!」的な入門書とは似て非なるもの。
都会か田舎、定住か移住といった二元論ではなく、都会とは別の役割を持ったもうひとつの拠点、「フルサト」を作り出し、都会と行き来することによって、暮らしをより豊かにできるのではないか、と。本書を読み、地方への関心がさらに高まったので、時間のあるときにぶらり旅でもしつつ良い土地を探してみたい。【感想記事】
内向型を強みにする
過去のセールで購入し、ちょうどいま、読み進めている一冊。筆者はアメリカ人であるため、その主張が日本でも当てはまるとは限らない……と懐疑的に読み始めたのだけれど、想像以上に納得のいく言説が多く、興味深く読んでいる。
本書で語られるのは、「消極的」や「社交的」など、その人の性質を表しているようでいて、断片的にしか言語化していない、単なるラベリングとしての印象が強い「性格」の話。筆者は人間を「内向型」と「外向型」に分類し、その特徴を事細かに説明しています。
ソフィーの世界
小学生でも楽しく読める、哲学の入門書として名高い一冊。少女・ソフィーを主人公に展開していくファンタジー調の物語を読みながら、「哲学」の概要と意義、おもしろさを学ぶことができる。
曰く、“いい哲学者になるためにたった一つ必要なのは、驚くという才能だ”。年齢を重ねるにつれて、自分を取り巻く世界が当たり前のものになり、疑問や驚きを感じられなくなりつつある大人たち。“世界そのものになれっこに”なってしまわぬよう、哲学を楽しむことを説いています。
日本の路地を旅する
読んでいる途中。タイトルに惹かれ、深く考えずに手に取ったのだけれど、良い意味で想定外だった。本書で論じられているのは、字面どおりの「建物の間の細い道」を指す「路地」ではない。ここで言う「路地」とは、日本における被差別部落、あるいは同和地区。
前近代には“穢多非人”と呼ばれ、その名残が現代にも残る社会階級制度を取り扱った、ノンフィクションです。恥ずかしながら、自分がこれまで全く知らなかった社会問題。その断片を知ることができる、貴重な一冊であると認識しつつ読み進めております。
この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう
こちらも読み途中。東京工業大学で開講された、リベラルアーツの講義をまとめて書籍化した本。世の中があまりに「文科系」と「理科系」に分かれてしまっていることへの問題提起から始まり、一般教養を論じた最新版の“教科書”のごとき一冊。
取り上げられている話題は、「国際情勢」「憲法」「金融」「企業」「経済」「社会保障」「メディア」「宗教」など多種多彩。現代社会と、今に至るまでの歴史を学ぶことのできる内容となっており、知識欲が刺激される。全15回の講義を分けて収録しているので、ちょっとずつ読み進めるのもありありかと。
月刊MdN 2015年 7月号
前述の『なるほどデザイン』とあわせて購入。『月刊MdN』のフォント特集号。「そもそもフォントってなんぞ?」という初歩中の初歩から始まり、“フォント”の概要・特徴・比較・考え方などを、ざっくりと学ぶことのできる流れになっている。
付録小冊子「絶対フォント感を身につけるためのフォント見本帳」もしっかりと収録されており、同じような明朝体・ゴシック体の種別の差異を、眺めているだけでも楽しい。もちろん、ウェブサイトなどの書体を選ぶ際の参考にも。月間MdNは他に、『タイポグラフィ』『神社デザイン』『おそ松さん』などの特集号もセール対象。
死神の精度
自分にとっては、初めて読んだ伊坂幸太郎作品。これから死を迎える人間を観察し、死の可否を判断する「死神」の目から見た、人間模様の短編集。主人公の死神・千葉のキャラクターも魅力的で、スキマ時間にぴったりの娯楽小説。
極めつけは、本書を締めくくる物語「死神対老女」。ある意味では今までの話の総まとめとなっており、全てのストーリーがつながっていく様子は、読み終えてすっきりする。――想像に過ぎないけれど、青空を目にした死神は、老女を「見送り」にしたのではないかしら。
猫を抱いて象と泳ぐ
自分の姿は一切見せず、からくり人形を操り、チェスを指し続ける少年の物語。読み終わった瞬間、思わず、溜息がほわーっと出た。
著者は、『博士の愛した数式』で有名な小川洋子さん。『博士の愛した数式』における数学と同じく、題材であるチェスには全く興味がない僕でも、最初から最後まで楽しく読めました。主人公の周りの人物がみんな暖かく、読み進めているとぽかぽかしてくる。場面場面で浮かぶ幼い日の情景が美しく、暖かく、心地良い。
半分の月がのぼる空
言わずと知れた名作ライトノベル。こちらの文春文庫版は読んでおらず、電撃文庫で読破して以来なので、正確には“既読”と言えないかもしれない。
王道のボーイミーツガールであり、余命幾ばくもないヒロインと青臭い主人公の恋模様を描いた青春モノ。――考えてみれば、自分が本作を初めて読んでから、10年以上が経っているらしい。いま改めて読めば、当時はモヤモヤを抱えていた“大人”に対する印象も変わるのだろうか。
気になる未読本
日本の未来を考えよう
「ない仕事」の作り方
きっちり! 恥ずかしくない! 文章が書ける
色の事典 色彩の基礎・配色・使い方
90%引き、162円と聞いて。
手帳で楽しむスケッチイラスト
すし図鑑
タイトルにホイホイされた。
きょうから飲み方が変わる! 日本酒のいろは
新版 図解 スポーツトレーニングの基礎理論
97%割引、54円。
カルト村で生まれました。
ウケる日記
ラリルレ論
RADWIMPS・野田洋次郎さんのエッセイ。
時をかけるゆとり
ままならないから私とあなた
旅と日常へつなげる
はてなブロガー・チェコ好きさんの著作。