元「笑点」メンバー・桂才賀、“受刑者を誰よりも笑わせてきた噺家”の半生に迫る

「悪さをした奴のために、塀の中で噺家が話すのは当たり前。なぜなら…」


――過去の慰問記録を見ると月に10本近く慰問している月もありますが、完全に自腹なんですか?

才賀:頼まれて行くならまだしも、普通は交通費も食事代も出ませんよ。代わりに家に感謝状が500枚以上はあるな。硬くて尻も拭けねえし鼻もかめねえけど(笑)。今までの旅費だけで都内にマンション買えるんだから、こんなモノ好きいないね。

でも、お寺で生まれた落語の本質は、説教・説法だから。悪さをした奴のために噺家が塀の中に入って話すというのは、本来、当たり前なんですよ。

「刑務所といえば”網走”? それは完全に素人のチョイスだね」


才賀:慰問のために東京から芸人を連れて行きたいけど、旅費を考えちゃうと“現地調達”になるんですよ。前日に飲み屋でママを口説きながら事情を説明して、「あの子、短いスカートで通行人役やってくれないかな」って。

――短いスカートは刺激強そうです(笑)。刑務所ごとに雰囲気は異なるんですか? 例えば、網走とか。

才賀:網走か! 『網走番外地』の影響で、皆さん刑務所と聞けば何かと網走と言うけど、それは完全に素人ですねぇ。重罪犯人が網走に割り振られていたのは昭和50年あたりまでで、今は旭川刑務所なんですよ。

旭川の連中は仮釈放まで20年とか40年とかトンネルの先が見えない。だから笑い方が違いますね。陰湿な感じというか。笑うは笑うけど人情モノとか泣く方がもっと効く。府中や網走とかは、2~3年の“ションベン刑”だから笑い方もカラッと軽い。あと、少年院だと周りが大笑いしていても「あの野郎が笑わないと、俺は笑えない」とか、「あいつより先に笑うと負け」みたいなツッパリが多いですね。結局、最後はそういうやつが一番笑うけど(笑)

――才賀師匠は93年に全国の刑務所慰問をする「芸激隊」を結成し、2015年4月には法務省矯正支援官(※1)にも任命されていますね。

才賀:「慰問」ってイメージが暗いから、アタシのチームは芸で激励する部隊ということで「芸激隊」とつけたんです。矯正支援官に任命されてからは、やっと交通費は出ることになった。付き人には出ないとはいえこれは大きいですよ。やりとりもスムーズになったし。

――最近は、漫画などの影響もあって若者のあいだでも落語が注目されていますが。

才賀:落語というものが多くの人に注目されて、取り上げられるというのはとてもありがたいことだと思っています。でも、どうせなら単にお笑いで括らず、もう少し理解を深めてほしいですね。

落語はお寺で生まれたということだけでも覚えといて下さい。だから噺家は着物を着るんですよ。お坊さんと一緒で修行も最短で4年と長い。その間はタダ働きでバイトもできません。バイトしたら修行にならないと考えるんです。一般のお笑いとは考え方が全然違うんですよ。

【告知】
桂才賀師匠がテープカットに登場!
第58回全国矯正展 (刑務所作業製品展示即売会)
日時:6月3日(金)午前10時~午後4時30分 6月4日(土)午前9時30分~午後4時
会場:東京都千代田区北の丸公園内 『 科学技術館 』  毎年恒例のテープカットは6月3日(金)午前10時から科学技術館サイエンスホールにおいて実施します。
当日は、杉良太郎特別矯正監、法務省矯正支援官である石田純一さん、桂才賀さん、Piax2さん、MAXさん、そして特別ゲスト西内まりやさんをお招きして,テープカットを実施する予定です。

【プロフィール】桂才賀(かつら・さいが)
1950年7月12日生まれ。東京都大田区出身。落語協会所属。1972年、桂文治に入門、桂文太を名乗る。1980年、師匠文治の死去に伴い、三代目古今亭志ん朝門下に移籍、古今亭朝次と名乗り、二つ目で笑点メンバーとなる。1985年、真打に昇進、七代目桂才賀を襲名。1988年、国立劇場金賞受賞、同年、久里浜少年院篤志面接委員に。現在も全国各地の少年院、刑務所、拘置所の慰問活動を続け、教育施設、企業ボランティア団体など、様々な場所で講演を行なっている

※1 法務省矯正支援官…著名人・芸能人による犯罪や非行をした人の改善更生を応援する法務省の公式サポーター、他メンバーにはATSUSHI、高橋みなみ、浜崎あゆみ等が選ばれている。

<取材・文/日刊SPA!取材班>

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