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長野産の矢尻、北海道で出土

北海道福島町の館崎遺跡で出土した霧ケ峰産の黒曜石の矢尻(左)。北海道産(右)よりも透明で逆V字の形状になっている=北海道埋蔵文化財センター提供

 北海道福島町にある縄文前期〜後期(約5000年〜4500年前)の館崎(たてさき)遺跡から出土した矢尻が、約620キロ離れた長野県中部の霧ケ峰周辺の黒曜石(こくようせき)で作られていたことが、北海道埋蔵文化財センター(江別市)の分析で分かった。道内で本州産の黒曜石の矢尻が見つかったのは初めて。

     同センターによると、北海道新幹線建設に伴う発掘調査で2009年に出土したもので、長さ2.2センチ、幅1.8センチ、厚さ0.4センチ、重さは0.9グラム。半透明で逆V字の形状など長野県産の特徴だったため成分を調べたところ、霧ケ峰周辺の黒曜石と判明した。

     黒曜石はマグマが急激に冷やされてできた天然ガラスで、切れ味の良さから、古くから石器の材料として使われ、北海道も霧ケ峰も産地として知られる。各地で霧ケ峰産の黒曜石による矢尻が出土しているが、これまで青森市の三内丸山遺跡が最も遠い出土地だった。

     同センターの長沼孝常務理事は「黒曜石の産地である北海道で、霧ケ峰産の出土があったことに意味がある。縄文期から津軽海峡を挟み、道南と本州で親密な交流があったことを示しているのではないか」と指摘する。【遠藤修平】

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