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【舛添知事公私混同疑惑】
美術館・博物館の視察は39回でも保育・介護施設はゼロ はげ落ちた「現場主義」
東京都の舛添要一知事が今年4月までの1年間に、都内の美術館・博物館の視察を計39回も繰り返していたことが産経新聞の調べで発覚した。これに対し、保育・介護施設の視察はゼロ。舛添氏は選挙公約などで「安心、希望、安定の社会保障」をうたい、現場主義を強調していたが、趣味である「美術鑑賞」を優先させていた疑いも出てきた。識者は「いかにもバランスを欠き、理解しがたい」と疑問を呈している。
展覧会を“はしご” 自宅から美術館に直行も
平成26年2月-。都知事選で初当選し、同月12日に初登庁した舛添要一知事は知事執務室に入り、椅子に座ると、「おそらくこの椅子を温める時間はほとんどない。現場をしっかり見つめていきたい」と述べて「現場主義」を強調した。
その際、都職員に語ったあいさつには、こんな文言がある。
「私の政治の原点は母親の介護だ。厚生労働相を務め、この国の社会保障を前進させるべく努力してきた。その体験から、東京を福祉で世界一にすると訴えてきた」
だが、産経新聞が情報公開請求で入手した知事の「日程表」の視察の項目を見ると、美術展が目立つ。
「勝川春章と肉筆美人画展」「ボッティチェリ展」「国芳イズム展」…。1日に2つの展覧会を“はしご”し、自宅から美術館に直行した例もある。
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