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NZ MoyaSystem

ニュージーランド在住のプログラマがあれこれ書くブログ

Q.「ニュージーランドでウェブデザイナーとして就職するのは可能ですか?」

job hunting NZ

当ブログのお問い合わせフォームからこんな質問をいただきました。ありがとうございます!

「ニュージーランドでウェブデザイナーとして就職するのは可能ですか?」

ふーむ、興味深い質問です。筆者はプログラマオンリーで就活やってたので、デザイナー業界がどうなってるかはあんまり知らないんですよね。ということでちょっと調べてみました。

求人数を調べてみる

まずは、ニュージーランドでメジャーな求人サイトから、ウェブデザイナーの需要がどれくらいあるのかを見てみましょう。ニュージーランドで仕事を探すとなると、最初に覗きにいくのは Trade Me Jobs ですね。


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ニュージーランド全土で21件。

続いては、ニュージーランドとオーストラリアでメジャーな SEEK で探してみましょう。


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Web & Interaction Design で検索をかけてみると、35件という結果になりました。

うーん……成長産業である IT 業界にあって、これはずいぶんと少ない数と言わざるを得ません。人口400万のニュージーランドで30件は狭き門です。10万人に1件以下ですからね。求人に応募して職を得る、という正攻法では、就活はなかなかに難しそう。

ちなみに、条件を「デベロッパ/プログラマ」に変更して検索してみたところ、Trade Me Jobs では310件、SEEK では463件の求人が見つかりました。

正社員になるのであれば、ウェブデザイナー専業でなく、プログラミング技術を身につけて、「デザインもできるプログラマ」を目指したほうが、より現実的と言えそうです。

起業してしまうのもアリ……?

筆者の知る限り、クライストチャーチには2人、ウェブ制作の仕事をされている日本人がいます。そして、どちらも個人で独立してお仕事をされています。

ひとりは、筆者が就活生時代にアドバイスをいただいた、ウェブ制作会社の社長さん。

nzmoyasystem.hatenablog.com

この方は元々日本のIT企業で働いていらっしゃったんですが、あまりの激務に疲れ果ててしまい、ワーキングホリデーでニュージーランドにやって来たとのこと。最初はもうITの仕事なんてこりごりだと思ってたそうです。しかし今ではウェブ屋さんの社長なのですから、人生わからないもんですね……。

もうひとりは、フリーのウェブデザイナーとして、日本とニュージーランド両方から仕事を請け負っている女性の方。こちらはもともと日本でデザイナーとしてのキャリアを積まれており、それを活かして世界で通用するクリエイターになろう! と語学留学でニュージーランドにやって来られました。すると、入学した語学学校からウェブサイトのリニューアルを頼まれ、滞在先のホステルでもサイト制作からの注文が入りと仕事が仕事を呼び、そのままフリーランスになったのだそうです。

ちなみに彼女のお話では、国内の専門学校を卒業しているニュージーランド人でさえ、クライストチャーチでウェブデザイナーのポジションを得るのは至難の業とのこと。そもそもポジションが全然無いのだそうです。これは前述の求人サイトの内容とも一致します。

どうしてもウェブデザイナー職にこだわるのであれば、知り合いのツテから実績を作り、独立してしまうのもひとつの選択肢かも。しかし、就活で仕事を得るよりも難易度が高くなってしまうのがネックですね。

カナダならより現実味がありそう

ウェブデザイナーとしてニュージーランドで就職するのは、独立して仕事をやるという気概がなければなかなか難しそうです。

もし国にこだわらないのであれば、カナダでの就職がより現実的です。こちらの求人サイトで検索してみた結果、ウェブデザイナーの仕事は約900件見つかりました(2016年5月29日現在)。カナダの人口は約3500万人ですから、約4万人に1件求人があることになります。ニュージーランドに比べると倍以上です。

最近見つけたこちらのブログでは、バンクーバーで働くウェブデベロッパの方が、現地において、ウェブデザイナーを含むIT系の仕事を得る方法、求められるスキルについて具体的に紹介されており、非常に参考になります。

loudandproud.me

またカナダでは Frog というエージェントが、留学から海外就職までをサポートする活動を行っており、留学生のうち70%の方が海外就職を成功させているとのこと。この数字はかなり現実味があります。

カナダを拠点にしたクリエイターのための留学サポート【Frog】

カナダもニュージーランドと同様、ITエンジニアが人間らしい暮らしを手に入れ、しかも平均以上の給与がもらえる環境がありますので、代替案として検討する価値はあると思います。

まとめ

さて、冒頭の質問への回答です。

残念ながら、ニュージーランドでウェブデザイナーとして就職するのはかなり大変と言わざるを得ません。通常の求人があまりに少ないので、デザイナーにこだわるなら独立して仕事を取っていく気構えが必要。デザイナー専業でなく、プログラミングができるウェブデベロッパとしてなら、まだ実現可能性が高まります。筆者もウェブデベロッパなら就活の最終面接までいったことありますし。

もしどうしてもウェブデザイナーがいい! というのであれば、ニュージーランド以外の国も視野に入れたほうが良いでしょう。本分の例に上げたカナダやアメリカのほうが人口あたりの求人数、絶対数ともに多いです。海外就職は時間とお金をそれなりに使う投資ですので、夢だけでなく、実現可能性も十分に考えて取り組む必要がありますからね。参考にしてみてください。

筆者への質問や依頼のある方は、ブログのサイドバーのお問い合わせフォーム、またはこちらのリンクからお寄せくださいませ。できる限り対応させていただきます! ではでは。