単純な削除よりネット部隊による誘導書き込みが遥かに多い
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引用:http://i.huffpost.com/gen/4321518/thumbs/o-POOH-570.jpg


中国政府はネットを統制する為に、単に削除するだけでなく、大量の書き込みをしていました。

政府や指導者に肯定的な意見を書いたり、政府への不満を他の対象にそらすなどしていました。


ネットユーザーの0.5%は政府?


ハーバード大学の中国研究チームによると、中国では政府機関がSNSや掲示板に大量の書き込みをしている。

政府や指導者を賞賛する書き込みや、政府批判の「炎上」を他の話題にそらすといった手法が取られていました。

中国では大量のネット投稿が政府によって削除されているが、削除には一定の法則性があるのが分かった。

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単純な政府批判や人物批判には、対抗する書き込みで打ち消すような方法を取っていました。

その際は相手に反論するのではなく、別の話題を提議したり、不満を他にそらすという方法が取られていました。

一方で集会やデモを呼びかける書き込みには、ネット上で広まらないようにすぐに削除されていました。


中国ではネット検閲への不満もあるので、政府批判をある程度認める事で、不満を和らげているとも見られます。

中国には「ネット宣伝部」という政府機関が存在し、ネット検閲を担当しています。

宣伝部局から発信された大量のメールが流出し、担当者に細かい指示を出しているのが明らかになりました。


ニューズウィークによると、宣伝部によるネット書き込みは年間5億回近くに達している。

この数字は中国全体のネット書き込みの178回に1回、つまり0.5%は政府機関からの書き込みだったと推測している。

宣伝部以外のサイバー部隊も存在すると思われるので、もしかしたら1%は共産党や軍や政府が書き込んでいるかも知れない。



議論をたくみに誘導するネットスパイ


そういえばサーチナやレコードチャイナに日本語記事で紹介される「微博」の書き込みには共通した流れがある。

最初の人物が「中国はダメだ、景気が悪いし政府は無能だ」というような批判的な書き込みをする。

批判はどんどん盛り上がって政府批判になるが、途中から「批判ばかりでなくどうしたら良いか考えよう」という人物が登場する。


その人物は「中国の将来は必ずしも悪くない」という論調で実例をいくつか挙げて皆を納得させようとする。

すると別な人物が現れて彼に賛成し、スレッドの流れが政府批判から建設的な会話に変わっていく。

最後は総合司会みたいな『まとめ役』が登場して締めくくるという、ある決まったパターンが存在する。


日本でもこういうネット対策は行われていて、大企業はどこでもネット対策室があったり、ネット対策企業と契約している。

企業の商品にいちゃもんをつけたり批判的な書き込みをすると、「対策班」が登場して火消しに掛かります。

話題をそらすとか、不満を他に向けるなど、面白い事に中国政府と似ている。


最後は主催者やプロバイダに削除要請を出して消し去るのが最終手段で、裁判所に開示要請することもある。

日本の場合は主に企業がやっていて、警察のサイバー対策課のようなものも存在している。

中国はこれとは違い、ネットユーザーの間では「水道局」と呼ばれる公安が最も恐れられている。


治安部隊は水道局や宅急便に化けてネットユーザーを拉致する
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引用:http://koe.wp-x.jp/wp-content/uploads/2015/07/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88-2015-07-11-23.52.01.png



水道局が来るぞ

政府批判や反対デモの呼びかけなどを書き込んでいると、ある日「水道局ですが、点検に来ました」とドアを叩かれる。

ドアを開けると実は公安部隊で、ドアを開けなければ壊して突入し、連行して行きます。

公安に連れ去られた人の消息は不明で、2度と帰ってこなかったり、数ヵ月後に「別人」のようになって帰宅する。


どうやら再教育を受けて社会に戻しても良いと判断すると帰宅を許しているようです。

連行された事も分からず、失踪者として処理されるケースも多いと言われています。

従って誰かが「やばい事」を書き込むと、他の者は「水道局が来るぞ」と言って警告している。

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