いやこれは「かき氷食べたら頭キーンとして痛い」の図。
さて、梅雨が近づいてきました。今日も朝からいい天気なんですけど、午後からは雨が降るようです。これから7月の後半くらいまでの梅雨の時期、食中毒とかカビとかいろんなものに気をつけながら過ごしていきましょう。
今日も1日明るく元気に楽しく過ごしていきましょう。今日もよろしくお願いします。
(とかいうFacebook風挨拶を入れながら笑。たぶんすぐ消しますw)
以前から気になってたのがタイトルの通り「低気圧が来たら偏頭痛がする」という話。実際僕も気圧が急に変わるときは体調が悪くなる気がするし、頭痛になったことがあるような気もする。でも、その原因とされるものを調べるとなんだか怪しい。
もしかして、都市伝説なんじゃないの?こじつけなんじゃないの?
気圧で偏頭痛が起きる派の意見
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ざっと拾いました。「低気圧 偏頭痛」で検索すると5万件ほどGoogleでみつかります。で、本文をチェックすると原因等についてはこんなのがほとんど。
- 低気圧が来るときの気圧の変化が頭痛を起こす
- 気圧が下がると脳の血管に影響があり、血管が膨張することで周りの神経を圧迫、痛みとなって伝わり頭痛になる
- 低気圧によって自律神経が狂い、血管が拡張する可能性もある
へぇ(棒読み)そして追加でちょっとびっくり意見を。
天気の大きな変化のため、体の機能が追いつかずに起きる病気や、持病の悪化を「気象病」といい、増す痛みを「天気痛」ともいいます。低気圧頭痛は気象病のひとつで、気圧が変化することによって頭蓋骨内の圧力が変化して血管が収縮するため、血管が拡張する際に周囲にある三叉(さんさ)神経が刺激され偏頭痛が。また、気圧が下がることで血圧も下がり、血管が拡張することで偏頭痛が起こるという説もあります。
血管が収縮するの?拡張するの?
例えば、標高の高い(=気圧が低い)山の上ではスナック菓子の袋がパンパンに膨らむのはご存知でしょうか?
袋の中の気圧は一定なのですが、高い山に登ると、外の気圧のほうが低くなるので、袋の中の気圧のほうが高くなり、結果として袋が膨らみます。
簡単に言うと、それと同じ現象が人間の血管にも起きています。
低気圧から頭痛が発生していますが、実際は
低気圧→(脳の)血管が異常→頭痛になった
という理解で間違いありません。
スナック菓子の袋が山の上で膨らむのは、通常気圧で作られた(押された)お菓子の袋が山上の気圧の低いところになると押される力が弱くなるため膨らむ(押さえる力が弱まるから膨らんだよう見える)んですよね。
標準の大気圧は海上で1013ヘクトパスカル(以下hPa)、山の上など標高が高くなると気圧は下がるといいます。10m上がるごとに気圧はおよそ1hPa下がるそうなので、例えば富士山頂では3776m=377hPa下がると考えればおよそ636hPa。もちろん気圧が低くなり酸素も薄くなるのでチョモランマなどの高山に登るときは酸素マスクなどを装備したりするんでしょう。
参考:標高の科学
じゃあ天気を左右するような低気圧がどのくらいの気圧か調べてみました。年に数回あるかないかの低気圧で940hPaくらい、世界一低いとされるのでも910hPa台らしいので・・・参考:お天気のページ とんでもない低気圧・高気圧
海抜1000mクラスの山に登ったくらいがちょうど世界クラスの低気圧?ということは1000mくらいの山に登ったらさぞや強烈な頭痛に襲われるんでしょうね。いやいや、ゆっくり登るから影響が少ないとかまた言われるのかなあ。
さらにこんな話も。
問題なのは低気圧となった時。
「1気圧」の時は「1の力」で全身が大気から常に押されている、という状態となっているのですが、気圧が低下すると大気からの圧力が低下し、体は膨張します。(大気から全身を抑えつけている力が弱まる、というイメージ)
この膨張によって血管やリンパの流れが生む圧力(勢い)も低下する為、平時より血行不良を起こし体調不良となる。
どういう事かというと、例えばホースで水を撒いている時、ホースの口を潰して(圧を掛けて)巻けば、水流が強くなるでしょう?圧が強いと水流が増す、という原理の血管版なワケです。低気圧の場合は圧が弱まるので全身の流れが悪くなる。
低気圧になると若干の低血圧になることは認められてるみたいだけど、そんなに大騒ぎするほどのものなんだろうか・・・水平飛行中のJALの航空機内は約0.8気圧、2000mの山上と同じくらいの気圧に調整されているのだとか。ということはこれらをまとめると「全員頭痛」になるってことになりますよね。JAL - 航空機内の環境について(JALプライオリティ・ゲストサポート)
これだけ眺めてしまうと「低血圧が来る、偏頭痛が起きる」原因はこれらっていうのはちょっとおかしいんじゃないかなあと思えてくる。
逆の意見はないのかな・・・
同じくGoogleで「気圧 偏頭痛 嘘」で検索するとざっと1万7千件。
低気圧が来ると自律神経が乱れて片頭痛が起きるという嘘!|「頭医者のつぶやき」
低気圧が来ると自律神経が乱れて片頭痛が起きるという嘘! 第2弾|「頭医者のつぶやき」
低気圧が来ると自律神経が乱れて片頭痛が起きるという嘘!(完結編)|Ph.ドクターGの健康塾
これも低気圧から偏頭痛が起きるのではない、ではなく「自律神経が原因での頭痛ではない」というお話なわけで。
なぜ低気圧で頭痛になるかというと、頭の中で起きている血管の状態に問題があるからです。気圧が変わると体は影響を受けます。頭蓋骨内部の圧力が変わることによって、血管は収縮します。血管が収縮したとは言っても普段通り血液は流れるので、いうなれば細いチューブに大量の水を流しているような状態になります。パンパンになった血管は周囲の組織に影響を与えます。
気圧の変化によって脳圧に変化が起き血管の収縮、拡張に影響するからだといわれています。低気圧は、大気中の酸素の濃度が薄くなるということです。
収縮期と拡張期の揺れ幅が大きすぎるため痛みがでるということです。
そしてついに疑うのが大好きな僕が答えを見つけてしまいました。
これはアメリカからの研究発表ですが、Neurologyという大変有名な雑誌にのっている論文です。
Neurology 2009:72:922-927 Kenneth J. Mukamal准教授らの報告です。
・医療機関受診前24時間の気温で5℃上昇すると頭痛のリスクが7.5%上昇する。
・受診前48-72時間前の低気圧も頭痛のリスクを上昇する。という報告がなされています。
気温・湿度・気圧によって片頭痛発作がおこしやすいことを医者ならびに片頭痛患者さんは経験的に知っているわけですが、それが科学的に証明されたということです。何を今さら的な話なのですが、実際気温が急激に上昇したり、気圧がさがってくると頭痛発作が引き起こされることの証明はできていなかったわけですから画期的ではありますが、・・
証明されちまった・・・日本の論文はちょっと怪しいのがありそうだけど、米国の論文なら信じても良さそう。なかば「んなもん都市伝説だろ、どうせ適当な事を適当にコピペしてきて事実っぽくしてネタにしてアクセス増やそうという魂胆なんだろ」という目で見てたのに・・・
そうですか、低気圧で頭痛はやっぱり本当にするんですね。なんだか分かって良かったです。おしまい。
と思うでしょ?でもこの「低気圧が来ると自律神経が乱れて片頭痛が起きるという嘘!」シリーズの完結編はなかなか面白い。
結局、気圧の変化が自律神経を乱しているのは外界との接点である呼吸器系(鼻、気管、肺)、特に肺がその引き金となっていること。
それ以外に酸素濃度、気温差、湿度差などの天候因子とともに、低気圧によるエマナチオン(ラジウムが崩壊して発生し、地上をプラスイオン優位にする)、雷発生時のイオン変化(地上をプラスイオン優位にする)などの自然現象の影響なども重要な因子と考えられます。
ミトコンドリアは内膜内部と外部の電位差(イオン差)でエネルギーを生成しますが(ミトコンドリアの活性が決まる)、エマナチオンはミトコンドリアの外膜に作用し、この電位差を乱すことも想定されます。
イオンのコントロールはミトコンドリア自体を活性化するしかないかもしれませんが、気温差、湿度差などの因子は鼻の影響が大きく多少はコントロールできるかもしれませんね(マスクの使用で多少の効果を期待?)。
要は気圧が下がると脳の血管が膨張するのではなく、おもに肺の血管が膨張することにより自律神経を乱すことになり、気温差、呼吸量の差、湿度差、地上プラスイオン濃度変化なども肺が反応源、センサーとなり体全体の自律神経を乱すということなのではないでしょうか。
自律神経が狂って偏頭痛は起きないけど、イオンとミトコンドリアとえっと・・・なんか逆にトンデモ本みたいな説明になっててちょっと笑った。
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結論
低血圧で偏頭痛になることはある。脳血管が原因。登山のようなゆっくりとした気圧の低下などは気にすることはあまりないけど、爆弾低気圧などのような急激な気圧の低下は偏頭痛の原因になることはありえる、ということで(涙声)
なんか偏頭痛起きる派の人たちの意見がバラバラ適当なのがちょっと都市伝説感を出しちゃうんですよねきっと。じゃあ気圧予報の「頭痛ーる」も天気予報的に効果がある、ということかな。