多言語や聴覚身障者対応のタブレット端末を導入へ
全日本空輸(ANA)は25日、機内や空港で顧客対応に用いるタブレット端末(iPad)を公開した。英語や中国語など5言語による表示と音声案内が可能で、聴覚障害者にも対応した。客室乗務員(CA)約7500人に貸与されている端末に新しいアプリとして6月からインストールして追加するほか、空港カウンターなど地上職員が使用する1500台も新たに導入する。
機内や空港で想定される多くのシーンに対応しており、例えば、乗客が端末で要望を選んでいくと、機内設備やサービスの説明が表示され、体調不良時の症状をCAに伝えることができる。到着地の変更など、予定外の状況を伝えるアナウンスが聞き取れない聴覚障害者などが不安に感じたときにも説明できる画面も新たに用意した。
対応言語は、当初は英語や中国語、韓国語など5言語でスタートするが、9月には就航地のヒンズー語やドイツ語など12言語の追加対応を予定している。
ANAは「これまで紙にイラストを使ったボードを空港に用意していたが英語版のみで、機内にはなかった。タブレット端末を使って、乗客の利便性向上に努めたい。海外の空港での導入や就航地以外の言語への対応については今後検討していく」と話している。【米田堅持】