決選投票まで1週間 ケイコ・フジモリ氏がリード
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ペルーの大統領選挙の決選投票が1週間後に迫るなか、世論調査ではフジモリ元大統領の長女、ケイコ・フジモリ氏がペドロ・クチンスキー元首相をリードし始めていて、再び日系人の大統領が誕生するか注目されます。
ペルーの大統領選挙は先月10日に投票が行われましたが、当選に必要な過半数の票を獲得した候補者がいなかったため、首位のケイコ・フジモリ氏と2位のペドロ・クチンスキー元首相の2人による決選投票が1週間後の来月5日に行われます。
先月の投票のあと、定期的に行われている世論調査で、当初2人の支持率はいずれも40%前後ときっ抗し、順位がたびたび入れ代わってきました。しかし、先週公表された3社の世論調査では、いずれもケイコ・フジモリ氏が4ポイントから7ポイントの差をつけて上位となっていて、クチンスキー氏をリードし始めています。
ケイコ・フジモリ氏は、1990年から10年にわたって大統領を務め、経済や治安を回復させたアルベルト・フジモリ氏の長女で、前回5年前の大統領選挙では同じように決選投票に進みましたが、父親が強権的な政治を行ったと対立候補から批判されて支持が伸び悩み、敗れました。
クチンスキー氏は自身の政治経験をアピールしつつフジモリ元大統領の負の側面を攻撃していて、ケイコ・フジモリ氏がそれを切り抜け、再び日系人の大統領が誕生するか注目されます。
先月の投票のあと、定期的に行われている世論調査で、当初2人の支持率はいずれも40%前後ときっ抗し、順位がたびたび入れ代わってきました。しかし、先週公表された3社の世論調査では、いずれもケイコ・フジモリ氏が4ポイントから7ポイントの差をつけて上位となっていて、クチンスキー氏をリードし始めています。
ケイコ・フジモリ氏は、1990年から10年にわたって大統領を務め、経済や治安を回復させたアルベルト・フジモリ氏の長女で、前回5年前の大統領選挙では同じように決選投票に進みましたが、父親が強権的な政治を行ったと対立候補から批判されて支持が伸び悩み、敗れました。
クチンスキー氏は自身の政治経験をアピールしつつフジモリ元大統領の負の側面を攻撃していて、ケイコ・フジモリ氏がそれを切り抜け、再び日系人の大統領が誕生するか注目されます。
ケイコ・フジモリ氏とは
ケイコ・フジモリ氏は、ペルーの首都リマ出身の41歳。1990年から10年にわたってペルーの大統領を務めたアルベルト・フジモリ氏の長女で、19歳のときにファースト・レディー役として政治の表舞台に登場しました。
2006年に大統領選挙とともに行われた国会議員選挙に立候補し、高い知名度を背景に初当選を果たしました。フジモリ元大統領が在任中に治安部隊を指揮し、市民を殺害したとされる事件の裁判で、禁錮25年の有罪判決が確定した2010年には、フジモリ派の議員をまとめた新たな政党を立ち上げ、党首に就任して、2011年の大統領選挙に立候補します。
4月に行われた1回目の投票では23%余りの票を獲得して2位につけ、6月の決選投票に進みましたが、父親のフジモリ元大統領に対する批判も影響して支持が伸び悩み、左派で元軍人のオジャンタ・ウマーラ氏に敗れました。2度目の挑戦となった今回の大統領選で、4月10日に投票が行われた際には、得票率が39%と、10人の候補者の中で首位になりました。2位のペドロ・クチンスキー元首相は21%でした。結局、当選に必要な過半数の票を獲得した候補者はおらず、ケイコ・フジモリ氏とクチンスキー氏の上位2人による決選投票が6月5日に行われます。ペルーではフジモリ元大統領は強いリーダーシップで経済の安定や治安の回復を実現したと評価する声があり、ケイコ・フジモリ氏も軍を投入して治安を改善するなどと強いリーダーシップをアピールし支持を広げてきました。
一方、フジモリ元大統領に対しては強権的な手法で人権を侵害したとの批判も根強くあり、ケイコ・フジモリ氏は父親の功罪を背負って選挙に臨んでいます。ケイコ・フジモリ氏が当選すればペルーで2人目の日系人の大統領となるとともに、ペルーで初めての女性大統領となります。
2006年に大統領選挙とともに行われた国会議員選挙に立候補し、高い知名度を背景に初当選を果たしました。フジモリ元大統領が在任中に治安部隊を指揮し、市民を殺害したとされる事件の裁判で、禁錮25年の有罪判決が確定した2010年には、フジモリ派の議員をまとめた新たな政党を立ち上げ、党首に就任して、2011年の大統領選挙に立候補します。
4月に行われた1回目の投票では23%余りの票を獲得して2位につけ、6月の決選投票に進みましたが、父親のフジモリ元大統領に対する批判も影響して支持が伸び悩み、左派で元軍人のオジャンタ・ウマーラ氏に敗れました。2度目の挑戦となった今回の大統領選で、4月10日に投票が行われた際には、得票率が39%と、10人の候補者の中で首位になりました。2位のペドロ・クチンスキー元首相は21%でした。結局、当選に必要な過半数の票を獲得した候補者はおらず、ケイコ・フジモリ氏とクチンスキー氏の上位2人による決選投票が6月5日に行われます。ペルーではフジモリ元大統領は強いリーダーシップで経済の安定や治安の回復を実現したと評価する声があり、ケイコ・フジモリ氏も軍を投入して治安を改善するなどと強いリーダーシップをアピールし支持を広げてきました。
一方、フジモリ元大統領に対しては強権的な手法で人権を侵害したとの批判も根強くあり、ケイコ・フジモリ氏は父親の功罪を背負って選挙に臨んでいます。ケイコ・フジモリ氏が当選すればペルーで2人目の日系人の大統領となるとともに、ペルーで初めての女性大統領となります。
クチンスキー氏とは
ペドロ・クチンスキー氏は、ペルーの首都リマ出身の77歳。アメリカで経済学の修士課程を修了し、1969年から世界銀行の中米・カリブ地域のチーフ・エコノミストを務めました。また、ベラウンデ大統領の時代の1980年から2年間、エネルギー鉱山相を務めたほか、2000年代のトレド大統領時代には経済・財務相と首相を歴任し、豊富な政治経験を持つ点と経済政策に通じている点が強みです。
2011年の大統領選挙に立候補し、ケイコ・フジモリ氏らと争いましたが、1回目の投票で上位2位に入ることができず、決選投票に進むことなく敗れました。2度目の挑戦となった今回の大統領選挙で、4月10日に投票が行われた際には、得票率が21%と10人の候補者の中で2位になり、首位だったケイコ・フジモリ氏とともに決選投票に進みました。
クチンスキー氏は中小企業に手厚い支援を行い、経済発展につなげるといった公約を掲げ、経済政策に詳しいというみずからの強みをアピールして支持を集めています。
2011年の大統領選挙に立候補し、ケイコ・フジモリ氏らと争いましたが、1回目の投票で上位2位に入ることができず、決選投票に進むことなく敗れました。2度目の挑戦となった今回の大統領選挙で、4月10日に投票が行われた際には、得票率が21%と10人の候補者の中で2位になり、首位だったケイコ・フジモリ氏とともに決選投票に進みました。
クチンスキー氏は中小企業に手厚い支援を行い、経済発展につなげるといった公約を掲げ、経済政策に詳しいというみずからの強みをアピールして支持を集めています。