最後にオバマ氏は慰霊碑から原爆ドームへ歩き始め、首相に「広島に来ることができて本当に良かった。今日はあくまでスタートだ。シンゾウと一緒にやるべきことがたくさんある」と語り掛けた。首相は「核なき世界へ大きな一歩になるのは間違いない」と応じ、約50分間の歴史的な滞在を終えたオバマ氏を見送った。
★被爆者と対面
オバマ氏は所感を述べた後、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)代表委員の坪井直さん(91)と言葉を交わし、広島で被爆死した米兵捕虜らの身元特定に尽力した森重昭さん(79)を抱き締めた。坪井さんは「これからが大事だ。『時々広島に来て』と言ったら、(オバマ氏の)握手が強くなった」と語った。森さんは英語で「あなたの言葉を聞くことができてうれしかった」と伝えたが、やりとりについては「舞い上がってしまって、よく覚えていないのです」。オバマ氏は「ありがとう」と繰り返し言葉を掛けてくれたという。