著者:池玲文
≠ノットイコール(スーパービーボーイコミックス)
!!大好きなBL作品を紹介がてら語っている記事であり、レビューにはなり得ていない超主観的な感想文です!!
【攻受概要】優男風高校生(攻)×不思議ちゃんな職人中年男性(受)
【あらすじ】離れて暮らす実父に会いに行ったところ、突然タイムスリップしてしまう主人公(攻)。そこで若かりし頃の実父(受)と出会って…。
【萌え一言】実の親子で愛し合ってしまった二人の狂おしい葛藤
実の親子で愛し合ってしまう、という展開はBLに限らずどうしてもご都合主義的で強引な運びになってしまいがちだと思うのですが、本作は「愛してしまった人がたまたま実の親だった」という流れを丁寧に作り上げているのでその点について違和感を覚えることはありません。しかも父親側は彼が実の息子であるということに気が付かず愛に応えてしまうので、余計説得力があります。
こうした特殊な状況がなければ、普通は親として、可愛い我が子の人生を狂わすような道なんて選べないですよね…
そういう点をクリアにして頂けないと、違和感が残ってどうしても物語に入り込めません。。
また「タイムスリップしてしまう」という設定もあらすじだけ読むと突飛に思えてしまうのですが、池先生の類まれなる表現力によって全く白けることなく惹き込まれます。
1巻では愛し合っていく過程を描き、2巻では愛しているけれど親子ゆえ葛藤しながら別離を選ぼうとする二人の切なさが描かれています。
この葛藤がたまりません。
切ない。苦しい。出会う前に戻りたい。でも溢れる愛が止まらない。。
言葉にならないその痛みが表情や何気ない台詞や仕草から伝わってきて……何の障害もなく愛し合えるカップルがどれだけ幸せなのか、と気付かされます。
2、30回は読み返しているのですが、細部に渡る描き込みや物語構成の緻密さ、人間臭さが滲むキャラクターの心情の揺れにいつもため息が零れます。
池先生はどの作品も大好きなのですが、その中でも#ノットイコールは読み返す程好きになった作品なので思い入れが強いかもしれません。