呉に百発百中で人の運命や国の命運を占った趙達(ちょうたつ)や呉範(ごはん)などの天才占い師がおりました。
蜀にも人が見た夢を文字に現して、その人の今後の運命を言い当てた天才占い師がおりました。
今回は夢占いで人の吉凶を言い当てた趙直(ちょうちょく)をご紹介していきたいと思います。
夢占いその1:牛の頭が門の前に転がって、血を流している夢を見る
蒋琬(しょうえん)は劉備(りゅうび)に仕え、小さい町の県長に任命されます。
彼は仕事をしないで、昼間から毎日酒ばかり飲んでいました。
劉備は彼が仕事をしないで昼間から酔っぱらっていることを知り、彼をクビにします。
蒋琬はクビになった夜ある夢を見ます。
牛の頭が門の前に転がっており、牛の頭から血が流れている夢でした。
蒋琬は夢の内容が不気味であったため、夢占いの天才趙直に相談しに行きます。
占いの結果:公の位に登るいい夢
趙直は蒋琬が見た夢の内容を聞くと早速占います。
彼は占った結果を蒋琬に伝えます。
「結果を言いますとこの夢はいい夢です。まず血を流している夢は、
物事が明らかになると言う事です。さらに牛の角と鼻の形を文字で
表すと公の文字が完成します。そのためこの占いはあなたの位が
将来公の位に登ることを暗示した夢です。おめでとうございます。」と彼に伝えます。
蒋琬は諸葛孔明が亡くなった後、蜀の臣下の中で最高位にあたる丞相に任命される事になります。
趙直の占いは見事に当たるます。
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夢の占い2:井戸の中に桑が生えている夢を見る
蜀の名太守で各地の統治に目覚ましい功績を残した何祗(かし)は
若い頃不思議な夢を見ます。
その夢の内容は、井戸の中に桑が生えていることです。
不思議な夢であったので趙直に占ってもらうことにしました。
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占い結果:四十八歳までしか生きられない
趙直は相談者である何祗が見た夢の内容を聞き、占います。
趙直は彼に「桑は井戸の中に生える物ではありません。ですから必ず
どこかに植え直さねばなりません。つまり運命が変転するという事です。
さて桑の字はもともとこの桒(くわ)です。この字を分解すると。
四つの十と八に分かれます。この結果あなたは四十八歳までしか生きられません。」と彼に伝えます。
何祗は夢占いの結果を聞き「四十八まで生きれれば十分だ。」と趙直に告げ、その場を後にします。
その後何祗は蜀に仕え各地の太守を歴任。
名太守として歴史に名を刻むも趙直の予言通り、四十八で亡くなってしまいます。
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