【ソウル=峯岸博】韓国各紙は28日、オバマ米大統領が広島訪問時に平和記念公園内にある韓国人原爆犠牲者の慰霊碑を訪れなかったことにそろって不満を示した。
中央日報は「惜しまれるオバマの広島訪問」との見出しの社説で、オバマ氏が演説で北朝鮮の核問題に言及しなかった点も挙げ「米国の核兵器が韓国人に残した傷と韓(朝鮮)半島の厳然たる現実に背を向けたまま日本との歴史的和解に傍点を打った」と伝えた。
東亜日報は「歴史問題では韓日間で均衡をとってきた米国のバランスが日本側に傾いた瞬間だった」と分析。社説では今回の訪問が「被害者イメージを政治的に利用しようとする安倍政権に免罪符を与えた」とした。
韓国外務省当局者はオバマ氏が演説で朝鮮半島出身の犠牲者を哀悼した点に評価を表明しており、韓国内で反応が割れた。朝鮮日報はオバマ氏が表現した朝鮮半島出身者の原爆犠牲者数「数千人」は「実際の数より極めて少ない」と指摘した。