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舛添都知事が一転シロ主張 感情むき出し反撃会見

日刊スポーツ 5月28日(土)10時0分配信

 政治資金を家族旅行や美術品購入に充てていた疑惑が問われている東京都の舛添要一知事(67)が27日、問題発覚から3度目の定例会見を行い、一転「シロ」を主張した。平身低頭だった前回、前々回とは違い「全部クロではない。誤解もある」と感情をむき出しにした。25日に始めた弁護士による調査結果を「1日も早く『公正に』が最大の眼目」と話す一方で、時期のめどすら示さないなど、発言の矛盾も目立った。

【写真】舛添都知事 自分への弁護ではなく調査を依頼

 目を見開き、高圧的に答える舛添氏特有の口調に戻っていた。過去2回の会見とは明らかに違う「反撃」。約3週間、針のむしろの状態が続き我慢にほころびが出たのか、普段の「舛添節」で疑惑の一部を否定した。

 「1つ1つ『こうじゃないよ』というのがある。私には分かるんです。疑惑100個なら100個クロというのは違う」。さらに記者から「疑惑でない報道もあるのか」と聞かれ「当然です!」と言い切った。

 しかし、具体的な質問が出ると「私が言っても信用されない。弁護士の調査を待ちたい」の一点張り。「クロではないと思っているのは何割か」との問いにも「信頼を失っているから申し上げない」と“禅問答”を繰り返した。

 発言の矛盾も目立った。調査の早期終了のため、結果公表まで名前の非公表を条件とする弁護士を選んだ理由を聞かれ「1日も早く厳正、公正に、が最大の眼目」と主張。しかし「早さ」を優先しているにもかかわらず、名前だけでなく公表時期のめどさえ明かさなかった。

 市民団体が、政治資金収支報告書の虚偽記載などを東京地検に告発した問題についても、調査を担当する2人の弁護士に「この会見が終わったら早速、話したい」と語った。舛添氏の不正の有無を公平に調べている2人に、告発に対する相談をするという。

 国内視察53回のうち、美術館や博物館の視察が39回に上っていた件で「個人的な趣味」が指摘されたが、正当性を訴えた。20年東京五輪時の文化振興のため、首都圏の美術館などを回り、共通チケットの検討や、夜間開館の依頼をするために必要だったと主張した。

 共産党都議団が、疑惑について議会で厳しく追及できる「百条委員会」の設置を提案していることには「議会の決定があれば従う」と話すにとどめた。【清水優、三須一紀】

最終更新:5月28日(土)15時35分

日刊スポーツ

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