ゲームソフトの媒体にCD-ROMが使われ始めた当初、PCエンジンCD ROM²やメガCD、セガサターンといったハードのゲームやPCゲームではCD-DAで曲を収録していることがよくありました。
CD-DAとは簡単に言えばCDに音楽を収録するための規格。当時は内蔵音源に音楽を入れるよりもこちらに入れたほうが容量的、音質的に都合がよい場合があり、こちらに入ることが多かったのです。今では技術の向上(容量の増大など)により見かけなくなりましたけど。
■参考:CD についての基礎知識
しかし、これには大きな利点がありました。それはゲームソフトCDなのにサントラCDのように音楽が聴けるということ。注意点(後述)はありましたが、音楽CDと同じようにゲーム機以外で再生することが可能という素晴らしいもの。
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CD-DAに収録されていたゲーム音楽
もちろん全てのソフトではありません。「これは○○専用のソフトです」という警告ボイス以外収録していないものも数多くありました(ちなみにこの警告ボイスも凝っていたものがけっこうあった)。しかし中には全部の曲を収録しているものも存在しました。
参考
1990年代&2000年代の自分にとって、これは非常にありがたい存在でした。それはサントラを買わなくてもいいというよりは(むしろ見つけたら買ってたので)、むしろサントラ自体が存在しない、もしくはかつて存在したけど絶版になってしまったものが多かったからです。故にソフトで市場にないゲーム音楽を聴くというのは貴重な代替手段となっていました。
こういったCD-DAで多数音楽を収録していたゲームは、技術的に必要だったのか、それともメーカーのサービスだったのかはケースにより違うでしょう。しかしどちらにしてもありがたい存在でした。
裏技的存在
これについてはたぶんゲーム音楽が好きな人の中でも裏技的に行われていたと思います。ただ、あくまで裏技扱いでしたし、あまり大っぴらになることはありませんでした。その理由は、ゲーム専用ソフトの使い方としてはイレギュラーなこと。警告ボイスにもありますが、ゲーム専用ソフトは他の機器、とりわけCDプレイヤーなど音楽再生機器で再生すると機器に悪影響を与える恐れがあります。それは1トラック目に音楽CDと違ってゲームのデータが入っているため。
上のは何故か貼っとかなきゃいけないような気がした。
もうひとつは、サントラがあるものはそちらを買ってもらいたいというもの。自分もこれが大きく、代替手段として触れることはあってもあまり大きくは書いてきませんでした。
しかし、すでにCD-DA収録時代からだいぶ時が経って、サントラ入手が困難になり聴けないものが多くあるのでその補助手段としてこういうのもあるかなという感じで。あとそもそもCD-DAのゲーム自体レトロゲームの域に入り、一部を除いて入手が難しいので。
ゲームBGMがCD-DAに収録されているサターンソフト
というわけで、実際にCD-DAに音楽が収録されているソフトを一部、紹介してゆきます。ちなみにサターンソフトなのは、自分の手持ちがこれなので。
最初に注意事項
繰り返しになりますが専用のゲーム機以外では本来の使い方と異なり、警告メッセージのように機器が破損する可能性もないとは言えません。本来なら専用ハードの音楽プレイヤーモード(この場合はセガサターンの蓋を開けたときのプレイヤーモード)で聴くのがいいのですが、他の方法で聴くなどする場合はそれを了承した上で(あまりこの言葉は好きじゃないですが)自分の責任において行って下さい。
NiGHTS&クリスマスナイツ
ちょっと前に書きましたが、ササキトモコさんがセガ在籍時に作曲されたもので、美しさに定評があります。しかし製品版の『NiGHTS』や冬季限定キャンペーンソフトの『クリスマスナイツ』どちらにもほぼ全曲収録されているという大盤振る舞いでした。
レイヤーセクション
タイトーの縦シューティング『レイフォース』の移植で、移植度完璧と言われたもの。こちらのCD-DAには全曲収録してあります(ただしサイトロンのCDにあった未発表音源やアレンジはない)。今、iTunesにはアーケードオリジナル音源版はありますがコンシューマ版はないので、代わりになるかも。
あと、ほかのタイトー製シューティングでも収録されているものがけっこうあります。
ガングリフォン
ゲームアーツの3Dシューティング。これにも37曲収録されていて、半分はボイス混じりのものですが、ゲームのBGMもしっかり入っています。サントラの入手が非常に難しいので、今でもたぶんこっちのほうが入手しやすいと思われます。
ガーディアンヒーローズ
トレジャーのアクション。23曲。おそらく全曲。たしかこれはサントラ出てなかったと思うので、聴きたい人はこちらに。あと『シルエットミラージュ』も全曲収録という大盤振る舞い。
余談ですが、シルバーガンと斑鳩(今でも出ず)収録のサントラとか出ないかなと10年以上待っているのですが。
ポポイっとへべれけ
サンソフトのパズル。16曲ありましたが、たぶん全曲かなと。サントラは出てないはず。
伝説のオウガバトル
クエスト制作で、リバーヒルソフトから出された移植版。一部(17曲程度)収録。ただ、サントラで出ているのはスーファミ版なので、サターンのアレンジ音源で聴きたい人には貴重かも。
バーチャファイター2などセガの3D格ゲー
『バーチャファイター2』をはじめとして『ファイティングバイパーズ』『ファイターズメガミックス』などは多くのもので曲が収録されています
バーチャ2に至っては、ほぼ全曲&アレンジが収録されているとう大盤振る舞いでした。
蒼穹紅蓮隊
(『蒼穹紅蓮隊 お徳用』で確認)『バトルガレッガ』のエイティング&ライジングが発表したもの。しかしこのゲームには『蒼穹紅蓮隊』の曲は収録されていません。しかし入手が困難もしくは未発売”だった”『魔法大作戦』『疾風魔法大作戦』そして『バトルガレッガ』の音楽が収録されているという、超大盤振る舞い。ちなみに『疾風魔法大作戦』にも同ゲーム分の全曲収録されていて(未確認だけど『バトルガレッガ』もそうだったような)、ライジングSTG移植ものの大盤振る舞いに驚き、サントラ入手が非常に困難(というか疾風魔法は未発売)だった時代に活用させていただきました。
ただ、今だとサターンのシューティングは大半がプレミアがついてしまっていて、サントラ普通に買うより高いというところです。最近『魔法大作戦』シリーズも『蒼穹紅蓮隊』も復刻されているので、それの音楽目当てならそっち買った方がいいという(ただバトルガレッガだけ入手困難かも?)。
今だと復刻サントラや配信のほうが安かったりする
他にもいろいろありますが、とりあえずこれくらいで。全曲は収録してなくても数曲収録だったり、アレンジだけ収録していたりするものも多いです。現在、手持ちで調べたものを自分用にまとめたりしているので、一通り書いたらこっそり公開するかも。
ただ、見返してみると、当時はサントラが手に入らないときの代替手段であり、2000年代に入れば中古として安く発掘出来るものであったのがこのCD-DAソフトだったのですが、今となってはすっかりソフト自体にプレミアがついてしまっていて高値になっていますね(ちょっと前までは在庫処分扱いだったのに……)。
さらに復刻サントラや配信が出ており、昔は中古ソフトのほうが入手の容易性も値段の安さも上だったものが再逆転してしまった感じです。さらに昨今のサントラのほうがリマスターもされているわけで、基本音楽目的ならそっちを素直に買った方がよくなっていますね。
ただ、サントラの場合、その新品流通する時期は驚くほど短く、今買わないとあっという間になくなってまたプレミアついて再逆転とかになる可能性も否定出来ないので、購入はお早めに。