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あらすじ。ウコンの力の力で二日酔いを免れたのでウコンの力は神。
2016/05/17
3日目。
服を3日分しか持ってきていないので、コインランドリーを探す。ホテルのランドリーサービスにしょぼいTシャツ出すのもなんか恥ずかしいし、料金も高くつくしね。
検索をかけて、天五のあたりに一件発見。ついでに朝飯食うところも探す。
斬新なビジュアルで有名なスーパー玉出。見た目だけでなく名前も完璧で、初見は誰もがパチンコ屋と間違うスーパー玉出。
臆することなく堂々と描かれたネズミの画と公明党ポスターのコラボ。大変に楽しい世界観といえます。やったぜ。
天神橋筋沿いにあった適当なチェーンの定食屋に入りました。
朝定食380円。こういうのでいいんだよこういうので。
ていうか昨晩が食べ過ぎ飲み過ぎであんまり外食然としたものが入らない。
天五中崎通商店街に入ってコインランドリー。シャボーン。
洗濯が終わるまでその辺を散歩。
はい。
中崎町のあたりは古民家カフェや古民家カフェバーや古民家雑貨カフェといったオシャレ古民家カフェ戦国群雄伝地帯となっておりますが、ちょっとずれて大阪環状線沿いを歩くと実に俺好みでいい感じの道。古くて小奇麗でもなく活気があるわけでもなく。それでいて確実に生活の営みが感じられる道が好きだ。
洗濯物を終えてホテルに戻ればもう昼どき。グランフロントを北側に通り抜けて飯を食いに向かう。
ひと駅分歩いて、たけうちうどん店。昼食が連日うどんにならないように一日あけた完璧なスケジュールである。
麺がつやぴかで美しい……。
看板メニュー、とり天ぶっかけの冷や。とり天は下味がしっかりついていて、とり天というかほぼ唐揚げ。まあ名前はなんでもいい。それ単品でも定食メニューとして通用するような大きくてジューシーなとり天が5個も。揚げたてサクサクもうまいし、出汁に浸かってすこし柔らかくなった後半もうまい。
そしてうどん。以前と食感が随分変わった気がする。もっとガッシリした感じのうどんだった記憶があるんだけど、「踊るうどん」と同じ方向性のやわらかくてもっちりとしたうどんになっている。なんか記憶よりも好みの味になってるぞ!!
とり天目当てで行ったけれど、これは嬉しい誤算でした。
腹ごなしに寄り道、阪急古書のまち。連なる古書店群の守備範囲がそれぞれ違っていてしっかり住み分けできているのが面白い。
美術館・博物館の展示目録がずらっと。コレクターの気持ちがちょっと分かる壮観さ。
ヨドバシ梅田とグランフロント。こうして見るとちょっと頭のおかしい大きさだなヨドバシ。
この後ホテルに戻り、例によって昼寝。夜に備えて胃薬を飲むなど。
晩飯は再び天満方面へ。折角なんで天神橋筋商店街を冷やかして歩こうということでまずは夕方の大阪天満宮から。賽銭を投げ入れて、旅行のあいだ体調を崩さずに最後までおいしくご飯が食べられるよう祈願する。俺は菅原道真公に何を祈っているのだ。
門の下で何かしている嫁さん。
そういやこんなのありましたね。補修されたのか、いやに綺麗な気がする。
天二へ。天神橋筋商店街は日本一長い商店街ということで有名ですが、その実態は丁目ごとに区切られた別々の商店街の集合体。天一から天七までありますがアーケードにもそれぞれの特色があって退屈しません。
天三。俺の中にはちょっと小奇麗なイメージあり。区画ごとに色違いの鳥居が吊られている。真朱とか浅葱とか色で区画を呼称してたりしたらなかなか小粋だと思いますが実際どうなんでしょうね。
天四はてんとう虫の意匠。
天満駅と扇町駅があり、常に人通りの多いエリア。
大阪在住時、よく嫁さんに引きずり込まれてた店がここにある。
前を通るたびにとりあえず撮影してしまうスーパー玉出。
天五はちょっと道が細くなってゴチャゴチャ感が強調されてよろしい。が、ここは通り抜けずに個人的に天満のメインエリアである天満市場の方へ折れる。
この路地裏感。好き。
立ち飲みなんかもある。この辺の店のビニールカーテンで仕切られた「半屋台」感がたまらんのよ。どこで飲んでも楽しそうでね。
この日のお目当ては「上海食亭」。日が長いので19時前でも結構空は明るいものの、この店のある区画は真っ昼間でも薄暗い。その胡散臭い雰囲気がたまらん。
厨房(写真左端)と客席が道を挟んで向かい合わせ。閉まってるシャッターで場の年季が伝わるでしょうか。
真っ赤な店内に裸電球。
ビニールクロスの下にはチラシがごっちゃり。
そしてニラ饅頭!! これを、これだけを食うために俺は来た!!
豚ひき肉とニラ、要するに餃子のタネみたいなもんを薄皮にぎっちり包んでパリッと焼いた点心。豚肉とニラの味がする!! 以上だ!!
というのもあんまりなんで、どう美味いのか書くとまずは食感。餃子や蒸し饅頭のようなもっちりした感触は皆無でパリサクッとした軽い歯ごたえ。皮全体が綺麗なきつね色になっているので焼くというよりは半ば揚げているのでしょう。
そして小籠包のようにジューシーというわけではなく水気は適度に飛んでおり、しかしその分、流れ出なかった旨味と香りがギュッと濃縮されている。ニラの風味が食欲をそそるんだ。
軽い食感と暴力的なうまみ。これらを組み合わせることにより、まるでスナック菓子のようにひき肉の固まりを食べ続けることができます。
このニラ饅頭、今回の旅において最もおつまみ力、英語でいうとおつまみリティが高くビールが永久に飲めます。
でも今回は翌日以降の体調も考えて、ビール一杯とニラ饅頭一人前のみでストップ。今でもこれは英断だったと思っていますが、ああ、でも、くそう、もっと飲みたかったし食いたかった。
次は絶対にこの店を初日の日程に組み込もうと心に誓って帰る。
近くにある関東煮(かんとだき・要するにおでん)の立ち飲み。おっさんが群がってる様子が実にいい。この店、会社帰りにこの界隈でハシゴした際に最後の〆に寄ったことがあるんだが、その際ばっちりへべれけになってしまい未だに同僚からそのことを言われる。多分一生言われる。いいじゃない自力で帰れたんだから。
ようやく暗くなってきた頃合いに天六を抜けていく。
天七(てんひち)側から一枚。アーケードは天六でおわり。
天七は店の密度がやや低め。
大阪って発音だけじゃなくて本当に「けつね」って書くんだよねえ。
あえて中崎町の古民家カフェ群雄割拠エリアを経由して、ホテルのある大阪駅前まで歩く。
つづく。