張遼（ちょうりょう）・徐晃（じょこう）・張郃（ちょうこう）・楽進（がくしん）・于禁（うきん）の五人は魏で優れた将軍で、
五大将軍と言われています。
実はこの五人にもう一人加えて魏の六大将軍であった事を皆さん知っていましたか。
今回は隠れた六人目の将軍をご紹介します。
はじさんクイズ
突然やってくるはじさんクイズです。
今回は魏の六大将軍の六人目は一体誰でしょう。
次の三択からお答えください
1曹仁
2李典
3朱霊
さぁお答えください。正解は3番の朱霊（しゅれい）です。
そのため魏の五大将軍ではなく、六大将軍が本当の名称だったのです。
隠れ将軍その1：袁紹に仕える
朱霊は後、魏の六大将軍と言われる優れた将軍になるのですが、
はじめは袁紹（えんしょう）に仕えておりました。
袁紹に仕える事数年。
朱霊は地道に実績を上げておりました。
そんな真面目な彼に大事件が起きます。
彼と同じ村出身の季雍(きよう)と呼ばれる人物が、袁紹から公孫瓚へ
寝返ります。
彼は寝返った際、袁紹から任せられている領地ごと寝返ります。
季雍が反旗を翻した領地には運悪く朱霊の家族がおりました。
隠れ将軍その2：反乱を起こした季雍を打ち破るも…
朱霊は袁紹から季雍討伐の命令を受けます。
朱霊は軍勢を率いて季雍が立てこもる城に到着し、包囲します。
季雍は城壁から朱霊の家族を見せ「文博(ぶんはく＝朱霊の字)よ。
家族を助けたかったら、俺に味方しな。」と寝返るよう誘います。
しかし朱霊は「漢が一度主君を決めたら、家族を顧みて寝返る事は
しないものだ。」と泣きながら言い、季雍が立てこもる城に猛攻を加えます。
朱霊は季雍が立てこもる城を陥落させますが、自らの家族は季雍に
よって殺害されてしまうのです。
隠れ将軍その3：曹操の魅力に惚れ、仕える
袁紹は曹操から徐州攻略の援軍依頼が来たため、朱霊などの将軍に命じて
援軍に向かわせます。
朱霊は袁紹の命令を受けて曹操救援に出陣。
曹操は朱霊達が率いる袁紹軍の活躍で、陶謙が治める徐州攻略に成功。
袁紹の将軍らは曹操が攻略に成功した事を見届けると帰国します。
しかし朱霊は部下達に「俺は多くの群雄を見て来たが、曹操に及ぶ群雄は
中華に居ないであろう。これから私は曹操に仕える事にする。
袁紹の元に帰りたい者は帰っていいぞ」と解散命令を出します。
しかし部下は朱霊を慕って帰る人はいませんでした。
こうして朱霊は曹操に仕える事になるのです。
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隠れ将軍その4：最大のミスを犯す
朱霊は曹操に仕えて各地を転戦。
官渡の戦いで袁紹を打ち破り、その後袁家を滅亡させ、河北統一に成功。
こうして河北統一を果たした曹操は、冀州(きしゅう)にある許南(きょなん)
という土地を朱霊に守らせます。
曹操はこの時彼に「冀州の兵は袁紹時代のように気ままにできない事から
大いに不満を抱いている事であろう。文博よ。君は威厳によって声名を得ている
が、彼らには寛大な態度で接してやらないと反乱を起こすから気をつけろよ。」と注意します。
朱霊は曹操の忠告を受け入れ許南へ出発します。
しかし彼は兵を率いて陽翟(ようてき)まで来ると、許南で反乱が勃発。
朱霊はすぐに反乱を鎮圧。曹操に実情の報告と謝罪の手紙を送ります。
隠れ将軍その5：曹操から怒りの手紙が届く
朱霊は曹操の手紙を受け取ると顔を真っ青にします。
曹操の直筆の手紙には「困るよ。文博。あれだけ注意したから
安心してたのに、しっかり仕事してくれ。次に期待しているから
今回の事は気にするな。」と怒りの手紙が届きます。
しかし朱霊は、兵権を奪われ、于禁の部下として働くことになるのです。
気にするなと言っていた曹操ですが、しっかりと朱霊は罰せられてしまうのでした。
隠れ将軍その6：下積みを終えて再度将軍へ
朱霊は許南でのミスから降格させられてしまいます。
彼はその後于禁の部下として働くこと数年間。
ついに将軍へ返り咲くチャンスを得ます。
曹操は張遼や夏侯惇、徐晃などのそうそうたる将軍を引き連れ、
荊州攻略戦に臨みます。
この時朱霊も参加し、実績を残します。
また彼は赤壁の戦いでもしっかりと功績を残します。
これらの活躍から彼は再度将軍として起用される事になります。
隠れ将軍その7：馬超討伐戦で大活躍
朱霊は関中で挙兵した馬超討伐戦に参加します。
朱霊は徐晃と共に別働隊を率いて、黄河を渡り、攻撃の拠点を設置。
その後曹操率いる本隊と合流し、馬超軍を大いに破り、大勝利を得ます。
朱霊は馬超軍を破った翌年には夏侯淵と共に関中の氐族を討伐。
さらに漢中の張魯討伐戦の時は張郃と共に、漢中への道をふさいでいた
氐族を攻略。
こうして数々の武勲を立てていった朱霊は、曹丕（そうひ）が皇帝となった時、
高唐侯に任命されます。
高唐は彼の故郷で、故郷へ錦を飾る為、曹丕に高唐侯に任命してくれるよう
お願いしたとされております。
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三国志ライター黒田廉の独り言
彼は高唐侯に任命された後も数々の武勲を残します。
石亭の戦いでは曹休が呉の周魴の策に引っかかり、大損害を出してしまう
戦いですが、朱霊は賈逵と共に曹休を討ち取られる
寸前のところで救い出します。
この時朱霊は曹家に仕えて30数年が過ぎており、大ベテランの将軍として
魏の国内で重きを置く将軍でありました。
ベテラン将軍朱霊の名前を見かけましたら、魏の六大将軍の一人であると
認識していただければ幸いです。
今回のお話はこれでおしまいにゃ。次回もまたはじめての三国志でお会いしましょう
それじゃまたにゃ～
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この記事を書いた人：黒田廉(くろだれん)
■自己紹介：
横山三国志を読んだことがきっかけで三国志が好きになりました。
その後の日本史・中国史を学びました。
またいろいろな歴史小説を読んでおります。現在はまっている歴史小説は宮城谷昌光氏の劉邦です。
■歴史人物：
■何か一言：
今年も頑張ってはじさん盛り上げていくにゃー！！
