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500m滑走後異常か エンジン部品集中落下

大韓航空機トラブルの現場図

 東京・羽田空港で離陸滑走中の大韓航空機のエンジンから出火したトラブルで、機体が緊急停止した地点の約700メートル手前の滑走路上に、エンジンの部品が多数集中して落下していたことが、国の運輸安全委員会などへの取材で分かった。タイヤ痕も同じ場所から始まっているため、滑走開始後約500メートルのこの地点でエンジンに異常が発生して、機長がブレーキをかけ始めたとみられる。

     安全委は機長らから事情を聴くとともに、エンジン内部の損傷状況を重点的に調べる方針。

     安全委などによると、同機が滑走を始めて約500メートルほど進んだ滑走路上に、機体の左右に1基ずつあるエンジンのうち、左エンジンから落下した金属片やエンジンを覆うカバーが集まっていた。この付近でエンジン内部にトラブルが起き、出火につながったとみられる。ブレーキをかけた時のタイヤ痕は鮮明で、ここから停止位置まで残っており、その間にも部品は点々と落ちていた。

     大韓航空などによると、ソウル・金浦空港行き大韓航空2708便(ボーイング777−300型機)は27日午後0時16分に駐機場を離れ、離陸のため羽田空港で最も長いC滑走路(3360メートル)へ向かった。午後0時半ごろ、南端から滑走を開始したが、左エンジンから出火した。

     出火に気づいた管制官が同機に「エンジンから火が出ている」と離陸を中断するよう指示した。機長はほぼ同時に操縦席の計器で異常を確認し、南端から約1200メートル先の地点で機体を緊急停止させた。乗員乗客319人はシューター(滑り台)で緊急脱出したが、12人がけがをして病院に搬送された。

     安全委が機体を調べたところ、左エンジン下部の損傷が大きく、内部は焼けていた。エンジン内部の部品はカバーを突き破り、カバーは外側にめくれていた。エンジン前部にあるプロペラ状のファンブレードに明らかな傷はなく、鳥などの死骸も見つからなかった。

     大韓航空日本地域本部は、この機体について「出発前の点検で異常は確認されなかった」と説明している。

     エンジンは米プラット・アンド・ホイットニー社製。安全委は今後、メーカーの協力を得て、エンジン内部の損傷を詳しく調べる方針だ。

     羽田空港は一夜明けた28日、ほぼ通常運航に戻ったが、国内線では全日空が6便、日本航空が1便欠航した。【内橋寿明】

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