白石昌幸、小林舞子
2016年5月28日15時30分
熊本県などでの一連の地震に絡み「1カ月後に大地震が起きる」というデマが広まった。ただでさえ、不眠やいら立ちといった、ストレスが原因とみられる症状を抱える子どもたち。さらにおびえ、傷ついた子もいる。行政は心のケアに力を入れる。
震度7の地震が2度起きた益城(ましき)町。広安西小学校の5年生の女児(10)は、本震後、夜はトイレに1人で行けなくなった。震度7の揺れは夜と未明に起きた。
女児は「地震の時、物が落ちる音が怖かった。壁がミシッと音を立てると体がビクッとなる」。取材中も余震が発生。女児は父親(44)の腕を握り、妹(5)も父親の体にしがみついた。
不安に輪をかけたのがデマだった。5月17日にまた大きな地震が起きるという「未来人の予言」。女児は、母親のLINEに回ってきたのを見た。「みんな知っていて、本当みたいで不安だった」。女児は17日が近づくと怖がるようになり、16日の夜は、親が避難する準備をしっかりしたのを見せて寝かせたという。
父親は「『未来人の予言』なんて普段なら笑い飛ばせる内容。でも、震度7を2回経験した精神状態では『もしかしたら』という不安が心の奥底から拭えない」と話す。
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