カネのためなら他人の臓器も売り買いする−。お隣・韓国で少年が関係した臓器売買がらみの事件が発生、社会を騒然とさせている。事件は未遂に終わり、最悪の事態はまぬがれたものの、同国が抱える闇の一部がクローズアップされた格好だ。背景には長引く不況による貧困層の拡大が関係しているとの声もある。現地事情に詳しいノンフィクションライター、高月靖氏のリポート。
「周囲に腎臓売る奴いないか?」
「2500(万ウォン、約246万円)やるから好きに山分けしろ」
韓国で昨年11月、こんなSNSアプリの書き込みがマスコミに公開された。やり取りの主は臓器密売組織仲介役の男(28)と手配役の少年(18)だ。現地の報道によると、仲介役らは昨年8月、17〜18歳の少年3人から腎臓を奪おうと計画。その被害少年の1人が12月にテレビで事件の経緯を語り、社会を震撼させている。
事件の舞台は釜山市。昨年9月、17歳の非行少年が別件で海雲台警察署に捕まったのが発端だ。
警察は少年が13人分の身分証を持っていたのを見つけ、そこから臓器密売組織の存在が浮上。関係者の携帯電話を押収してSNSアプリなどの通信内容を復元し、11月に首謀者の男(43)ら組織関係者12人を逮捕した。