日本の震災、韓国・台湾からの支援に見いだす「義理」という概念

21世紀人文価値フォーラム、27日慶尚北道安東市で開催
「東アジアでよく使われる『義理』という概念は分かち合い文化の基盤になる」

日本の震災、韓国・台湾からの支援に見いだす「義理」という概念

 慶尚北道安東市で27日から開幕する「21世紀人文価値フォーラム」に参加するため韓国に滞在中の森田明彦・尚絅学院大学教授(58)。社会学専攻の森田氏は「義理」について「東アジアの儒教文化圏ならどこでも通用する概念だが、新たな共同体概念の定着に向け、現代社会においても改めて注目する価値が十分にある」と語った。義理といえば通常は友人関係や同じ組織のメンバーの間などでのみ通用すると考えやすいが、森田氏はこのような従来の考え方とは異なる義理の新しい解釈や価値について発表する予定だ。21世紀人文価値フォーラムは、儒教をはじめとする東アジアの伝統的な価値に注目し、これらに現代的な観点から新たな解釈を与えることを目的に2014年から毎年開催されている。

 米国の文化人類学者、ルース・ベネディクトは「義理に相当する英単語は存在しない」と指摘したが、森田氏はこの言葉を引き合いに出した上で「義理は9世紀から韓国、中国、日本など東アジアで使われてきた概念だ」と指摘する。その上で森田氏は「当初は他人から受けた物理的、精神的負債を返すための社会的規範という意味で使われていたが、それが少しずつ『自らの名を汚さず名誉を持って生きようとする内的な義務感』という意味に変わり、この解釈が定着していった」と説明した。

 韓国、中国、日本では義理という言葉の持つ意味合いは少しずつ異なる。森田氏は「韓国では公的な領域などでも積極的に使われ、互いの義理を確認しようとする傾向があるが、日本における義理は内面に込めるもので外には出さないという考え方が昔から強かった」との見方を示した。しかし最近は日本でも自らの意志とは関係なく、義務感で行動するときにも使われるようになり、義理の概念そのものに変化がもたらされつつあるようだ。森田氏によると、バレンタイン・デーの時に全く関心のない男にチョコレートを渡す「義理チョコ」がその典型的なケースだという。

 森田氏は「共同体への帰属意識が弱まりつつある現代社会において、義理は貴重な概念になるかもしれない」と予想する。具体的には町内会などの自治や、歳末助け合いといった分かち合いを実践するときに義理が持ち出されるというのが森田氏の見方だ。森田氏は「2011年に日本で東日本大震災が起こった当時、韓国や台湾が積極的な支援に乗り出したし、今年の台湾地震でも韓国や日本から多くの支援が寄せられた。これらも義理という考え方から理解することができる」と説明した。東アジアにおける各国の協力関係の中にも、義理の概念を見いだすことができるということだ。

 今回のフォーラムは「分かち合いと共鳴」をテーマに、27日から29日までの日程で安東文化芸術儀典堂など安東市内の各地で開催される。期間中、韓国、中国、日本やロシアなどから100人以上の研究者が出席する学術討論会が4回開催され、さらに安東市内の遺跡めぐりなどのイベントも並行して行われる。27日の開会式ではレナード主教(カトリック元安東教区長)とナヌム国民運動本部の孫鳳鎬(ソン・ボンホ)代表が基調講演を行う。

金性鉉(キム・ソンヒョン)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 日本の震災、韓国・台湾からの支援に見いだす「義理」という概念

right

関連ニュース