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実写「火花」なぜネット配信?

2016年5月27日

「火花」(C)2016YDクリエイション

「火花」(C)2016YDクリエイション

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 2つ目には、よしもとの「海外戦略」がある。現在、Netflixは世界190カ国をカバー。インドネシアで人気となったCOWCOWの「あたりまえ体操」など、社を挙げて笑いの国境越えを目指しており、山地氏は「2人がマイクの前でしゃべるだけの職業があることが世界に伝わっていけばいい。“マンザイ”を世界に出していく窓口になってほしい」と期待する。

 掛け合いのテンポや間、文化的側面が笑いの主要因になることの多い“マンザイ”は王道ながら世界戦略の中では着手していなかったジャンル。発言のニュアンスが重要となるため、本作の英訳はオーストラリア出身で芸人のチャド・マレーン(36)が担当した。

 山地氏は「発言の意味ではなく、意図を訳す。チャドはよく又吉さんに『このせりふは、どういう方向で言ってるの?』と聞きに行ってました。例えば、海外には(ツッコミの基本である)『なんでやねん』(の概念)がない。『お前、何を言ってるんだ』と直訳してもダメで、めちゃくちゃ意訳している」と、英訳ひとつとっても本気度が伝わる。

 配信時にはアジアやユーロ圏、南米など19カ国語に翻訳されるが、英訳を他言語に訳す方式。最終的にはヘブライ語やトルコ語などが加わり、24言語に対応する予定だ。今後、Netflixとのタッグで「外国の方の目線で『マンザイという不思議な職業があるんだ』と知ってもらうドキュメンタリーのようなプログラムも準備している」(山地氏)という。

 3つ目は「ビジネス的なメリット」が大きかったこと。Netflixには「配信の権利」だけを渡す契約で、よしもとはパッケージ化など今後の展開においてハンドリングをしやすい。

 現状ではゼロベースだが「逆に地上波で放送することもできる。グッズを作ったり、マルチメディアでの展開もしやすい」と山地氏。昨年にはフジテレビ系でスタートした「テラスハウス」の新作が、Netflixでの配信1カ月後に地上波で放送された例がある。作品展開の間口の広さも魅力となった。

 映像表現や時間尺の制限が少なく、自由に作品を作れる環境。海外に“マンザイ”を輸出したい会社としての戦略。そして、製作後の展開に広がりがあること。従来の枠組みにとらわれない3つのポイントが、映画でも地上波ドラマでもない「火花」を誕生させた。

 実写版を見た又吉は執筆当時を思い出し、舞台の中心となる東京・吉祥寺を1時間、散策してしまったほど気に入っているという。

 (デイリースポーツ 古宮正崇)

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