中国メディアの中国商務新聞網はこのほど、日本と韓国のサービス貿易を強力に牽引するのは旅行産業と映画・テレビ産業であると説明しており、さらに日本のサービス貿易の発展は韓国を上回っていると分析している。

 サービス貿易とは、「モノ以外の貿易」を指し、金融、運輸、旅行、建設、情報通信など非常に多岐にわたるサービス分野の貿易だ。例えば外国ミュージシャンのコンサートに行く、電話やメールで外国のコンサルタントを利用することなどはすべてサービス貿易に属す。

 サービス貿易は多くの人の日常生活と深く関わっており、ある資料によれば2013年における世界のモノ輸出総額に対するサービス輸出総額は約24.7%にまで達している。

 記事は日本と韓国のサービス貿易は「どちらも特色があり、どちらも競争力を持っている」と指摘。しかし15年の韓国旅行者数は1323万人と前年比6.8%の減少、日本旅行者数は約1973万人と前年比47%の増加、韓国の減少はMERSなどが影響したと記事は説明。また映画・テレビ・アニメ分野のサービス貿易について、「日本と韓国の製品の国際市場における占有率は比較的高い」と説明。しかし「韓国のゲーム産業や映画・テレビ産業は日本をさらに上回る」と記事は指摘、その事例の一つとして韓国人気ドラマ「太陽の末裔」は世界30の国や地域に輸出されたと紹介した。

 さらに記事は「金融サービス、また労働力人材の輸出や訓練におけるサービス貿易について、韓国は後発国であり日本は韓国よりもよくやっている」と評価。総合的に言って「サービス貿易の分野において、日本は韓国を上回っている」と記事は分析した。

 サービス産業は世界のGDPの実に3分の2以上を創出している。しかしこれに対して13年における世界の輸出総額に対するサービス輸出総額は約24.7%と低いが、これは法律上また規制上の障害があるためだ。将来もしこうした障害が取り除かれたとき、国際競争力をもつサービスだけが生き残るのは明白だ。記事は日本、中国、韓国が協力し合うことはサービス貿易において共に利益を得るための「唯一の道」であると提言している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)