急増する児童虐待への対応を強める改正児童福祉法が27日の参院本会議で、全会一致で可決、成立した。新たに東京23区による児童相談所(児相)の設置を認め、全国に47ある人口20万人以上の中核市にも設置を促す。虐待に関する通告や相談にきめ細かく対応できる体制の整備を図る。

 改正法は一部を除き来年4月の施行で、東京23区も児相を設けられるようになる。東京23区と、いまも設置権限がある中核市で5年後をめどに開設が進むよう政府が支援する。厚生労働省は虐待対応にあたる専門人材を育成したり、施設整備費、人件費を自治体に財政支援したりすることも検討している。

 虐待が疑われる場合、児相が裁判所の許可を得て強制的に自宅に立ち入る臨検・捜索の手続きも簡素化。より早く子どもの安全を確認できるようにする。親とのトラブルに適切に対応できるよう、児相に弁護士の配置を原則、義務づける。

 児相は47都道府県と20政令指定市に設置が義務づけられ、全国に209カ所ある。児相が対応した児童虐待は2014年度で約8万9千件で、00年度の約1万8千件から14年間で5倍に増えた。一方、児相の数は同じ期間に1・2倍程度にしか増えず、対応が追いついていない。(伊藤舞虹)