アメリカでこの映画のことを好戦的とか、ヒロイズムを強調しすぎだとか、アメリカ万歳イズムだなどといって批判する人たちがいると聞いて、私は仰天した。いったいどこをどう解釈すれば、そんな真逆の受け取り方をするのだろう。
頑健な肉体と精神、たぐいまれな能力に恵まれたクリス(ブラッドリー・クーパー)は、強者に生まれた責任感と愛郷心から海軍に志願する。やがて特殊部隊ネイビー・シールズ最強の狙撃手となった彼は、イラク戦争の最前線で目覚ましい活躍を見せる。だが、同時にテロリストにとって高額の賞金首となるのだった。
オバマ大統領夫人まで巻き込んだ大議論となっている「アメリカン・スナイパー」をめぐる騒動だが、それも納得のすさまじい完成度である。私に言わせればこの映画は、神が巨匠の作品を借りてアメリカ人に伝えようとしているメッセージ、である。