昨日(5月26日)伊勢志摩サミットで「世界経済はリーマンショック級の経済危機に陥るリスクがある」と訴えたが、他国の首脳の共感は余り得られなかったようだ。
WSJはG-7 Leaders differ on risks to Global Growthという記事の中でオバマ大統領が米国は景気回復が起きているし、幾つかの欧州諸国でも兆しが見えていると述べた。
実際米国では雇用の回復は堅調で6月には連銀が政策金利を引き上げる可能性が高まっている。ドイツは以前から財政・金融政策では経済成長を進めることはできないとして、財政出動には反対する立場を明確にしている。
Mr. Abe’s words may have been intended for Japanese voters. 「安倍首相の言葉は日本の選挙民向けのものなのだろう」と述べている。
安倍首相はかねてリーマンショック級の経済危機が起きない限り、来年4月には消費税を10%に引き上げると述べていた。安倍首相は近々消費税増税の再延長を打ち出すとみられるが、そのためには「現在の状況はリーマンショック並の経済危機に陥る可能性がある」というが、世界のリーダーの眼には奇異に映ったことは間違いない。
一時1バレル30ドル以下に下落した原油価格は昨日一時的50ドルまで回復している。米国株は年初の急落から回復し概ね安定したレンジに入りつつある。むしろ市場は連銀の政策金利引上げを織り込みつつあると見て良いだろう。
オバマ大統領は各国が自国通貨安などによる近隣窮乏化策を取ると結果として世界全体の経済が悪くなると牽制球を投げ、本筋は環太平洋パートナーシップ協定の締結で貿易拡大を図ることだと述べた。
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「景気は気から」という。一国の首相が「リーマンショック級の危機に陥るリスクがある」というと、真に受けた人が財布の紐を引き締める可能性があり、そのために景気が悪化する可能性もある。
私は以前から消費税の引き上げ延期には反対である。確かに消費税を引き上げると一時的に経済活動は収縮する可能性は高い。だから消費税は景気が良い時に引き上げるべきだという人がいる。だがここ数年の内に日本の景気がそれほど良くなるとは予想し難い。理由は簡単だ。日本を含め先進国では高齢化が進み、労働力の相対的減少から消費力の鈍化が続くことだ。少し前まで成長エンジンだった中国経済は大きな調整期に入っている。インドは経済成長が期待できるが世界を引っ張るほどの牽引力はない。
以上のようなことを考えると多少消費税の引き延ばしを図ったところで、引き上げるに都合の良いタイミングが回ってくる可能性は巡ってこないのではないか?その間に国の財政状態はドンドン悪化する。財政赤字を国債で賄うというのは子孫に赤字を負わせるということだ。我々はこれ以上無責任なふるまいを続けるべきではないだろう。
G7に参加した多くの国の消費税率は日本の倍近い(米国を除く)。日本が8%の消費税を10%に引き上げるのを躊躇しても本当のところG7リーダーの共感は得られなかったろう。こんな話がでたかどうかは知らないが欧州のリーダーの本音は「日本は欧州並みに同一労働同一賃金策を導入し、非正規雇用層の消費力を拡大することが先決ではないか?」というところではなかったろうか?
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