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サイバーセキュリティに関する技術は日進月歩だ。このため、今から6カ月後に何を準備しておかなければならないのかを考えるのは、どう控えめに言っても難しい話だ。そんななか、カリフォルニア大学バークレー校のCenter for Long-Term Cybersecurity(CLTC)の研究者グループは、さらなる未来である2020年を見通そうとしている。
同校の情報大学院および政治学の教授Steven Weber氏と、CLTCのエグゼクティブディレクターBetsy Cooper氏は、The Conversationの解説記事「It's the year 2020... how's your cybersecurity?」(2020年、あなたのサイバーセキュリティは?)において、「シナリオプランニング」と呼ばれる手法を用いて構築したモデルを説明している。
シナリオプランニング、あるいはシナリオシンキングは、柔軟かつ長期的な計画を作り出すための手法であり、その源流は軍の情報関連部門にまでたどれる。Wikipediaによると、「シナリオプランニングにはシステムズシンキングという側面、とりわけ多くの要因が複雑に組み合わさり、(非線形のフィードバックループによって)予想もできないような未来が描き出されるという考え方を内包させることができる。またこの手法には、未来に関する斬新な洞察や、価値感の大きな変化、今までなかったような規則や知見といった、形式化が難しい要素を含めることもできる」という。
Royal Dutch Shellは1965年からシナリオプランニングを会社運営に取り入れている。Angela Wilkinson氏とRoland Kupers氏はHarvard Business Reviewの「Living in the Futures」(未来に生きる)という論説記事において、「Shellでシナリオを取り入れた人たちは、当初からそのシナリオが未来予測ではなく、知識のより強固な土台を提供するとともに、未来に向けて進んでいくための自己認識を提供するものだというスタンスを維持していた。また、彼らは未来に関する『会社としての見方』、すなわち今まで通りのやり方を続けていけるという見通しには、楽観的な偏見が反映され、見慣れたものに目を向け、予想外のものから目を背けるという人間の習性が入り込んでしまっていると感じていた」と記している。
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