2016年5月27日01時00分
■オバマ大統領書面インタビュー全文:2
オバマ米大統領が朝日新聞に寄せた回答は以下の通り。
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【質問】中国が南シナ海で滑走路を建設するなどして現状変更を試み、東シナ海では尖閣諸島などで独断的な行動をとるなど、アジア太平洋地域で不安定さが増しています。米国はアジアへの「リバランス政策」を加速させる必要があると考えますか。その場合、米国がこの地域での信頼を高めるため、今後さらにどのような対策をとる必要があると考えますか。この地域での安全保障環境が悪化したのは、米国が中国との経済的な利益を重視したためだとの意見がありますが、同意しますか。
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アジア太平洋地域での米国のリーダーシップを刷新することは、大統領としての私の最優先政策の一つであり、これまでに私たちが成し遂げた進展に大変誇りを持っている。私たちのリバランス戦略の要は日本、韓国、フィリピン、オーストラリアを含む国々と私たちとの同盟を強化してきたことであり、そして、それらの同盟はいま、私が就任した当時より強固になっている。私たちは、私が先日訪れたベトナムなどの国々や、ASEAN(東南アジア諸国連合)や東アジアサミットといった地域組織と新たなパートナーシップを築いてきた。歴史上最高水準の貿易協定であるTPP(環太平洋経済連携協定)によって、私たちは地域や世界貿易の今後数十年にわたるルールをつくる機会を得た。私は、この地域での米国の立場はかつてないほど強いと信じており、次の米大統領も引き続き、私たちの進展を基礎とするものと確信している。
これら全ての理由から私は、米国がアジア太平洋地域において、同盟国の安全を揺るぎなく保障していることに根ざした威信を大いに高めてきたと信じている。私たちはこの地域での防衛を近代化し続け、日本にも私たちの最新の軍事力を配置していく。これまで述べてきた通り、日本の安全保障に対して私たちが日米安保条約上の責務を果たすことは疑う余地がない。新しいガイドライン(日米防衛協力のための指針)により、米軍と自衛隊は、海洋の安全から災害対応に至る様々な課題について協力するうえで、より柔軟で備えができた状態になり、より緊密に立案、訓練、行動できるようになる。私は、私たちの同盟に対する安倍首相の強い支持に大変感謝している。
中国については、米国は中国が安定的に、繁栄しつつ平和的に台頭することを歓迎すると、中国の指導者に対しても含めて何度も述べてきた。建設的な関係を中国と築くために、私は働いてきた。イランの核合意や気候変動問題といった共通の利益を高め、違いには対話を通じて率直に向き合うために協力するような関係だ。南シナ海での埋め立てや建設を含めた中国の行動は引き続き懸案だ。米国はこの地域での紛争で権利を主張する当事者ではないが、航行や上空飛行の自由、紛争の平和的解決といった国際ルールや規範が守られることを確かにするために、同盟国を支持し続ける。米国は国際法が許す範囲で飛行、航行、行動を続け、すべての国が同様のことをする権利を支持する。南シナ海などでの中国の行動が一夜にして変わるという幻想は私たちは抱いていない。しかし私たちが、懸命に築き上げてきた国際秩序を保つために団結すれば、中国が秩序を守るパートナーになる可能性を高められると私は考える。
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朝日新聞国際報道部
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