『本場のLean UXを学ぶワークショップ』に行ってきた、という話
6月6日に行われた『本場のLean UXを学ぶワークショップ』@TECH LAB PAAK http://techlabpaak.com/events/565
先生は、Jason Fraserさん。英語はまったくわかりませんが、通訳の方の言葉が非常に聞きやすくて助かりました。ワークショップなので手を動かして。詳しくは、ツイートまとめを見てもらったほうがよいですね。 http://togetter.com/li/831404
調査はダメだね、みたいな話があって補足として、こちらのURLが上がってました。 https://medium.com/research-things/on-surveys-5a73dda5e9a0
あと、スライドは、共有されていないみたいですが、内容としてはこれに近い感じでした。 http://www.slideshare.net/clevergirl/tokyo-1-day-9327971
なかでも、ペルソナに関する話は、新しい発見でした。
2つのペルソナ
いわゆるペルソナと、今回のワークショップで扱ったペルソナとを以下のように定義します。
アラン・クーパーのペルソナ アラン・クーパー氏は、ペルソナ概念の生みの親。アラン・クーパーのペルソナは、インタビューや観察を通じた調査に始まり、綿密な行動の分析やチェックを経て作成される。一般的にペルソナというとこちらのほうをイメージすると思います。 http://www.itmedia.co.jp/im/articles/0809/02/news132.html
アラン・クーパー的ペルソナは有効ですが、前提条件である「インタビューや観察を通じた調査から始まる一連のプロセス」をきちんと経ずに作られるペルソナもどきに関しては、有効ではない。イメージの域を出ないため、結局は死んでしまうことが多いそうです(そんなことを言っていた気がします)。
LeanUXのペルソナ
今回のワークショップで利用した、LeanUXで使うペルソナです。
まずは、調査なしにプロダクトを必要としているユーザーは、こういう人というものを作成していきます。
出典:https://uxmag.com/articles/using-proto-personas-for-executive-alignment
ここまでだと、死んでいくペルソナと一緒ですが、ここからどんどん補強されていくことになります。
ここで出てきたペルソナは、『プロトペルソナ』という呼び方もあるようです。 http://uxxinspiration.com/2014/03/persona/ ここに書いてある、プロトペルソナが非常に、それです。
ペルソナ作成後、サービスを念頭に置きつつ、 「こういう人ならきっとこうするだろう」という仮説を作成し、更に、「こういう人」にフォーカスするためにトピックを抽出したトピックマップを作ります。
適切ではない適当な例) 仮説:忙しくてご飯を買いに行く暇もない人ならば、ご飯のデリバリーにお金を払うはずだ。しかも、健康に気を使ったご飯ならなおさらだ。
トピックの抽出: ・忙しくて昼休みがとれないことは多い? ・昼ご飯を誰かに買ってきてもらったことがある? ・昼に野菜ジュースを付けたことがある? ・過去にデリバリーサービスを使ったことがある? というのを5つ出す
ペルソナにマッチする人に、トピックをぶつけて、広げていき、仮説を検証し、ペルソナ自体を補強していくという感じの流れになるのでしょうか。
LeanUX的ペルソナの目的
LeanUXのペルソナは、最初の段階ではペルソナのモック、製品を使う人はこういう人だろうという仮説のペルソナの意味合いが強いです。その後、作ったものをインタビューなどを通して、確認、検証していきます。そして、新たなペルソナを作って行くという流れです。もし、仮設通りの人が見つからなかったら、そのペルソナは死に筋ということになります。確かに少なくとも『お金と時間をかけた』ペルソナに死なれることがなくなります。
LeanUX的ペルソナへの疑問
これは、ワークショップを受けての感想でもありますが、これをやろうとすると、「プロトペルソナの信ぴょう性は?」とか、「1人マッチする人がいたとして、それがどのくらいの規模に当てはまるのか分かるの?」というような疑問が当然ながら湧いてくると思います。個人的には、このプロトペルソナは、「0->1」のためのペルソナなので、最初の1人ニーズがあると確認できたと考えて、まずはそこにフィットさせていき、補強する中で、収束させていくやり方だと思うのです。実際はどうなんでしょうか。
あと、前回のポストの例を使って、100人くらいに声掛けして、2人がマッチしたとした場合、2%±2.74%位に収まる、つまり0%<x≦4.74%ということで、なんか行けそうな気がするし、撤退ラインも引けそうな気がしています。そもそも、こういうことを聞く人は、この手法に手を出すべきじゃないなとも思います。
おしまい。