タイトルにある通り、難しいことを考えずに投機ではなく長期投資でお金を増やすための超簡単な方法を具体的に解説した一冊です。
いや、本当にかなり簡単なのです。
この本が読みやすい理由
親族の遺産で500万円を入手した独身男性が、このお金をどう運用するのか、楽天証券勤務で投資関係の著書がたくさんある山崎元氏のアドバイスを仰いだ内容が会話形式でまとめられています。
山崎元氏がアドバイザーなので、他の著書から傾向が予想できる通り、長期投資をじっくりやることを推奨。
山崎元氏の主張は他の著書と大きく変わることはないけれど、本書がとても初心者向けだと感じたのは、会話形式で書かれていること。
投資の初心者が疑問に思うことをそのまま山崎元氏に聞いて、それに対しても会話形式で一つ一つ回答していくので、最終的な結論に至るまでのロジックがとっても分かりやすいのです。
本書で推奨してる投資内容
お金を増やす、といっても倍にするなどと言ったギャンブルを行うのではなく、年率5%を目指す。そのために実施するのは以下の事項。
- 当面必要な生活費は普通預金へ
- 投資用予算のうち、絶対に減らしたくない金額を個人向け国債10年変動へ
- リスクが取れる金額を投資へ
- 投資は手数料が安いETFまたはインデックスファンドを購入
- 日本株TOPIXインデックスとMSCIコクサイを半分ずつ購入
- 毎月積み立てとか面倒なので、貯金ができたタイミングで追加購入
- 多少リスクが取れるなら新興国インデックスファンドも可
- 住宅ローンは早く返す
- NISAが年120万円までは非課税なので積極的に使うべし
- 証券口座はネット証券がおすすめ
リスク資産を日本株と先進国株全体に投資できるインデックスファンド購入が基本構成です。
毎月積立によるドルコスト平均法を採用するのではなく、どうせ考えても株の上昇は読めないのだから、投資に回せる金額を用意できたタイミングで購入する、というのは目からウロコでした。
ネット証券であれば、毎月自動的に追加購入することは可能である。 ただ、そもそも悩んでいる時間がもったいないんで、買えるときに買うというのがシンプルでいいな、と思ったのです。
山崎元氏は、お金を増やすことだけに執着して色々と投資を考えたりするのではなく、自分なりの基本ポリシーを掲げたら、あとは勝手にお金に働いてもらい、自分は投資以外の面でやりたいことや好きなことをやればいい、という考えなのです。
お金は大切だけど、お金にとらわれすぎて人生の楽しみを奪われてしまうと不幸な結果が待っているものです。
サラリーマンとしては、半年に1回のボーナスのタイミングで、個人向け国債と投資信託を買い増しするようなルールにしてみようと思うのです。
シンプルに簡単に少しだけでもお金を増やしていきたい。 私みたいなズボラな正確の人に向いている一冊だと思いました。