参加しないはずの中国が、伊勢志摩サミットに大きな影を落としている。アジアの「主役」の座を巡って、日中の暗闘が続く。
霞が関を襲ったサイバーテロ
伊勢志摩サミットを翌週に控えた5月中旬、サミットの準備に忙殺されていた霞が関に、激震が走った。ある省庁の中国担当者のパソコンに、外部から強力なウイルスが侵入したことが判明したのだ。日本政府関係者が明かす。
「霞が関の中央省庁で使っているパソコンは、外部からウイルスが侵入したり、サイバーテロに遭うと、コントロール・センターの警報が鳴る仕組みになっています。このところ平穏だったのですが、GW明けに突然、警報が鳴ったため、慌ててパソコンの電源コードを抜きました。
初期調査の結果、5種類の強力なウイルスのいずれかが侵入したことが分かり、どんな情報が何者に抜かれたのかを、いま精査しているところです」
この政府関係者は、「あくまでも仮定の話だが」と断った上で、中国による犯行説を指摘した。
「中国担当者のパソコンだけが狙い撃ちにされていること、南シナ海の埋め立てを続ける中国が、サミットで新たな非難声明が出るのではと、神経を尖らせているからです。つまり、中国政府が最も欲しい情報が抜かれた可能性があるのです」
5月26日、27日に開かれる伊勢志摩サミットを巡っては、日中の神経戦が続いている。日本は4月10日、11日に岸田文雄外相が主催したG7外相会議で、「海洋安全保障に関するG7外相声明」を発表した。
外務省関係者が語る。
「外相声明では、『中国』と名指しこそしていませんが、中国が進める南シナ海の埋め立てや威嚇行為を強く非難する内容を盛り込みました。昨秋のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)やEAS(東アジアサミット)では、参加国である中国が強く反対したため、声明に入れられなかった。
ところが中国が不参加のG7では、日本が米オバマ政権を味方につけて、中国を非難する激しい外相声明を作ったのです」
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