つれづれ (id:kingqoo3)さんの記事に乗っからせてもらいます。
切り取り引用失礼。全文はリンク先を参照願います。
一般の人がこれを見ていったいどうしろというのか?
毎夜毎夜いつ地震が来てもおかしくないという恐怖に怯えながら寝てくださいということなのだろうか?
(個人的には地震がとても怖くてこういう報道を見ると、恐怖で怯え上がりその日1日は怖くて夜眠れなくなってしまうのです。)
災害ボランティアとして被災地に何度か足を運んだ経験から、地震研究者ならぬ一般の人でも、天災に備えてできることは、いくつかあると考えるので書いてみます。
建物の安全にかけるお金は絶対に惜しんではいけないこと
先日の熊本のときもそうですが、気づいたのは一昨年の白馬村のときでした。被害が集中している地域には、建築物のよく見える場所に貼られた応急危険度判定カードの、緑・黄・赤が混在しているのです。
応急危険度判定とは? より
被害が最も激しかった地域では、応急危険度判定カードに頼るまでもなく、はっきりと潰れている家屋と、少なくとも外見上は無事な家屋が隣接している光景も目にしました。
白馬で片づけにお邪魔したお宅は、居住可能を示す緑のカードが貼られていました。家主さんは、自分のところは建築時にいろいろお金をかけていたからこの程度で済んだ、安全にはお金を惜しんではいけない、という旨のことを、しみじみとした口調で語られていました。
家を建てる機会は、一生に一度あるかないかです。しかし賃貸住宅を借りる際にも、考慮すべきことはあります。ズバリ新しい物件を借りたほうがいいということです。阪神大震災や東日本大震災といった大災害があるたびに、建築関係の法規は、より厳しい方向に改定されています。賃貸物件を借りるのであれば、多少高くても東日本大震災以降に建てられたものを選ぶべきです。
どうしても古い物件を選ばざるを得ない場合は、最低限、一階は避けるべきです。二階以上が一階を押しつぶすという現象は、本当に起きているのです。
家具は可能な限り固定しモノは極力減らしたほうがいいということ
経験したことはありませんが、震度七とか六強とかであれば、家具が踊りだすレベルと言いますから、固定したって無駄でしょう。しかし多くの災害において、激甚な被害を受けた地域というのは、限られた一部であることが多いのです(ただし東日本大震災ばかりは例外でした。見渡す限りの広大な地域が被災している様子は、表現する言葉を持ちません)。
しかし震度四や五であれば、L字金具で柱や壁に固定できる家具は固定しておくだけでも、被害の程度は段違いです。特に寝室の場合、家具が倒れる前に目覚めて避けるまでの時間稼ぎが、生死を分けかねません。
また、モノ自体が少なければ少ないほどいいと感じます。今の日本の家庭は、どこもモノであふれています。とりわけ一昨年の福知山市や昨年の常総市のような水害による被害の場合、残酷な物言いですが、それらは一瞬にしてすべてゴミになってしまうのです。
プライバシーに関わるデリケートな案件ですが、私の場合、それぞれ別の場所で二度ほど「オタク」さんとおぼしき住人の部屋を片づけたことがあります。フィギュア、CD&DVD、単行本、雑誌e.t.c.が、天井近くまで積み上げられていました。そういうものが被災すると、本当にどうすることもできないんです。部屋にあったものは、処分のために全部運び出すしかありませんでした。
「はてな」界隈では二、三年前まで「ミニマリスト」が仮想敵のように目されていた時期がありました。なんでかはよくわかりません。今は「互助会」が槍玉に上げられているようです。要するに「みんなで叩ける敵」を作ること自体が目的で、相手は誰でもいいんじゃないかと想像しています。移ろいやすいネット世論はさておき、個人的には「ミニマリスト」的な生き方が、少なくとも災害というものを念頭に置いた時には、最適解に近いんじゃないかなと思っています。
機会があれば災害ボランティアは「自分のために」行くべきだということ
自分が何のために災害ボランティアに行くのかと、つらつら考えることがあります。ボランティアにできることは限られています。ほんの一例ですが、高所作業もやっちゃいけないんです。自分が落ちるかもしれないし、瓦を落として他人にケガをさせるかもしれないからです。だから屋根にブルーシート掛けをすることもできないのです。高齢者世帯では、自治体の頼んだ業者さんが来るのを待つしかありません。その間に雨に降られて、雨漏りのため家具や畳をダメにしてしまったお宅を見たことがあります。畳は雨に濡れると、短期間で大量のカビが発生するんです。びっくりしました。
結局いつも、災害ボランティアに行くことにより、自分が相手に何かすることよりも、自分が経験、知見として持って帰るもののほうが多いと感じます。被災者の方々には申し訳ないのですが、被災地から学ぶことが多いのです。
屋根のブルーシートといえば、住人が自らブルーシートを掛けていて、瓦が目の前に落ちてきたのを目撃したことがあります。ボランティアは高所作業できなくても、住人が自己責任でやるのは禁止されていないので。つれづれ さんは上に引用したエントリーのラストで報道機関への要望を上げていましたが、このような偶然は報道には乗りにくいのではないかと思います。
現地の悪臭、暑さ寒さの体感も、報道することはできません。
雑なまとめ
日本は本当に災害大国だと思います。日本に住んでいる限り、大規模な災害に遭う可能性から逃れることは難しいようです。不安です。不安を解消するには、まずは災害にあったらどうなるか、過去の経験に学ぶこと第一歩ではないかと思います。しかしそれは、不安を解消するどころか、不安をさらに募らせることになるかもしれません。そもそも「不安を解消する」というゴール設定が間違いなのかもしれません。我々は、自らの不安を利用して情報収集や事前対策の動機づけにするといったような、「不安とうまく付き合っていくこと」が求められているんじゃないかとも考えるのです。
追記:
熊本の時にボランティアバスのお世話になった愛知ボランティアセンターさんが、新しい企画をしているので、リンクを貼ります。
【6/10~12】熊本地震被災者応援 中高校生ボランティア大募集 | 特定非営利活動法人 被災者応援 愛知ボランティアセンター
東日本大震災の時の同様の企画だそうです。