オバマ米大統領は主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に出席した後の27日に、現職の大統領として初めて被爆地・広島を訪問する予定です。電子版の読者の95.9%がオバマ氏の広島訪問を歓迎していることがわかりました。
お寄せいただいたコメントでは、手放しで歓迎しているものもあれば、「核兵器なき世界」を掲げるオバマ氏が「レガシー(政治的な遺産)」づくりのために広島を訪問するといわれていることに対して違和感を覚えている声もあり、歴史的な出来事に対して多少の温度差を感じました。
まずは、大歓迎している読者からのコメントです。
「オバマ大統領の決断を評価します。他の大統領ではなしえなかったことだと思います」(55歳、女性)
「核なき世界への一歩」(59歳、男性)
これまで米大統領による被爆地訪問が実現していなかった理由の一つに、訪問が日本への「謝罪」と受け止められることに米側が敏感になっていたことが挙げられます。
今回のオバマ氏の広島訪問についても、米国内にある「原爆投下は戦争の早期終結を促した」という肯定論を踏まえ「謝罪外交」との批判を受けないよう細心の注意を払っています。
ただ、読者は必ずしも「謝罪」にこだわっていません。
「謝罪うんぬんよりも、原爆が投下された街を、見て感じる事が大切だと思う」(52歳、男性)
また、今回のオバマ氏の広島訪問発表を受けて、日本側による先の大戦への対応を求める声もありました。
「戦後70年を経て、お互いにわだかまりをなくす必要がある。安倍首相は今夏に真珠湾に行くべきと思います」(64歳、男性)
実は政府内でも、安倍首相がハワイの真珠湾を訪問する案が浮上しています。日米首脳が過去の戦争の象徴的な場所を訪れ合うことで、強固な日米同盟を国際社会に訴えるという狙いです。タイミングとしては、11月にペルーで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)の機会に訪れる案が検討されています。
一方で、複雑な心境で歓迎している読者もいます。
「自分の功績作りに余念がない大統領だが、それを差し引いても価値のある訪問だ。戦後時代に終止符を打つトピックとなるのではないかと考えている」(40歳、男性)