今さらながら夫婦で漫画『コウノドリ』を読んでいます。
主人公は産婦人科医・鴻鳥サクラ(こうのとり さくら)。産科で起こる妊娠・出産にまつわる様々な問題をテーマに展開されていきます。
2015年10月に綾野剛さん主演でドラマ化もされていましたが、見ていませんでした。(正確にいうと1話を見て2話を見逃したのでやめたのね…)
遅ればせながら読んでみましたが…この漫画いい!
これは夫婦で読んだ方がいいです。特に妊娠中のご夫婦にはおすすめします!
夫が妊娠に無関心
未受診妊婦や、DV問題、死産などの妊娠・出産をとりまくテーマが描かれていますが、中でも妊婦にとって身近な問題は「夫が妊娠に無関心」ということ。
多かれ少なかれ、妊娠中に夫の態度に不満を抱える妊婦は多いでしょう。
そんなテーマを扱っているのが、コウノドリ第3巻です。
あらすじ<TRACK9>
はじめての妊娠。夫は仕事ばかりで、妊婦健診についてきてくれたことは1度もない。それどころか、話も満足に聞いてはくれない。
赤ちゃんのことももっといっぱい話したいのに、なんでこんなに無関心なの?と妻は不満を募らせていく。
「私にばっかり押し付けないでよ」
そう言って、 怒りと寂しさで泣き崩れる妻。(面倒くさいな)夫がやり過ごそうとしたとき、妻が急変した。荒い呼吸を繰り返し倒れ、救急車で搬送されてしまう。
鴻鳥サクラは「過呼吸」と診断し、「奥さんも赤ちゃんも異常はありません」と笑顔で夫に告げる。ほっとする夫に鴻鳥は続けた。
「ただ、奥さんの心は危険な状態なんじゃないでしょうか」
夫の無関心や非協力から起こる精神的ストレスや不安がこの状態を引き起こすことが妊婦には多々あるのだと。そう言われた夫はバツが悪そうに口を開いた。
「男の私には何もできることはないし、家族のためにできるのは仕事だけですから」
その夫の言葉を受け取り、鴻鳥は妻の、妊娠中の女性の体や心の問題、それに対して男ができることを伝える。
「確かに出産には男の出る幕はありません。心配することぐらいです。
しかしその心配を奥さんにしっかりと伝えることで、奥さんは旦那さんとの赤ちゃんを産んで育てる決心ができるんだと思います。」
夫は妻の病室へ向かい、はじめて自分の心配を口にした。
妻の感想
泣けた。
うちの夫は特別に無関心ではなかったけれど、それでも夫婦での温度差ってあった。男女の温度差というか。
女は妊娠すると、もう何をおいても赤ちゃんが一番。
胎動を感じるまでは、お腹の子の様子は健診でしか分からないから「ちゃんと育っているんだろうか」っていつも心配してた。
エコーにうつるその姿にほっとして、嬉しくなって。
胎動を感じるようになったらなったで、また新たな心配。そして、ほっとしたり嬉しくなったり、生まれるまでそんなことを繰り返してる。
喜びとか不安が忙しく交錯するその時期に、自分の体も大きく変化する。今までできていたことができなくて、体がしんどい、つらい。眠れない。
そうやって、心も体もすべてが赤ちゃんに向かっていくのが女性。
そんなとき、夫が「いつも通り」だとなんなんだろうって気持ちになる。2人の子どもなのに妊娠を「自分にばっかり押し付けられてる」って思うよね。
作中の女性の気持ち、すごいわかるな。
でも、妊娠を夫に変わってほしいわけじゃない。この辛さを引き受けてほしいわけじゃない。もちろん赤ちゃんがいらないわけじゃない。
ただ同じ気持ちで赤ちゃんに向かってほしいって、それだけなんだろな、女は。
「心配してる」「ほっとしてる」「喜んでる」それを伝えてくれるだけで心強い。「親になろうとしてるのは自分だけじゃない」って思える。
夫の感想
夫に『コウノドリ』を勧めたところ、最初は「この絵、あんまり好きじゃないなぁ」と言いながらしぶしぶ読んでましたが、どうやらはまったようです。
「泣いた」とか「〇〇が良かった」などと感想を言うようになりました。
姑息な妻は、夫への戒めになったかと、このストーリーに関する感想も求めてみました。女って大変でしょ、どーだ分かったか!的なアピールね。
すると夫から、まさかの発言。
「あの話よかったね。あれ女の人にも読んでほしいなぁ。男は”自分は何もできない”って思ってしまうことわかってもらえたら嬉しい」
え?そっち?
私は妻側に感情移入しまくりで読んだけど、夫は夫側に感情移入してたのか。
そう言われてみれば、当時は夫の気持ちなんて考えたことなかったけど、妻の不満アピールに「俺だって」的なことを考えてたの?
だったらそのとき言えばいいじゃん。言えなかったのかしら。
まとめ
うちは既に2人の子どもがいて、これから妊娠・出産の予定はありません。そんな夫婦でも気づくことがたくさんありました。
今まさに妊娠中のご夫婦ならなおのこと気づきは多いでしょう。
妻の気持ちと夫の気持ち。この本の感想を伝え合うことが、自分が抱えている不安や悩みをお互いに打ち明けられるきっかけになるかも。
妊娠は病気じゃないけど、本当に大変なことです。出産もね。
だけど夫婦で赤ちゃんを待ち望む、幸せな時間でもあります。お互いの気持ちを理解して、その幸せな時間を共有することがとても大切ですね。